収入確保

生活保護の申請手続きを自分で行うための全知識

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生活保護という言葉は皆さん聞いたことがあると思いますが、詳細を把握している人はごくわずかです。
また、いざ利用しようと福祉事務所に相談に行っても、知識がなければ、担当者に言いくるめられて、生活保護の申請ができずに帰ってくることになります。

今回は、生活保護の概要を説明した後、あなたが自分で生活保護の申請を行うための方法を紹介していきます。生活に困っている人は、この記事を参考にして、生活保護の受給を勝ち取りましょう。

 

1.生活保護を利用するには収入が最低生活費以下であることが必要

生活保護とは、生活に困っている人がお金をもらえる国のセーフティーネットです。
生活に困った時は、誰でも、どこに住んでいても申請が可能です。
生活保護の利用条件は、あなたの収入が、生活保護基準で定める「最低生活費」以下であることです。
住む場所によって「最低生活費」は異なり、例えば、東京23区で単身(年齢:60歳)の方の最低生活基準は約13万円(家賃込み)で、これが地方になると約9.9万円になります。

まずは、あなたが住むエリアの「最低生活費」をみてきましょう。
あくまでも目安の計算になりますが、山吹書店様が無償提供している「生活保護費自動計算ソフト」が役に立つため、山吹書店様のホームページにいきます。

山吹書店様のホームページ

「ダウンロードはこちらから」という文字をクリックすることで、「生活保護費自動計算ソフト」をダウンロードして、最低生活費を算出しましょう。
計算の結果、保護の要否判定で「要」となった方は、生活保護を受給できる可能性が高いため、この記事を読み進めて生活保護の申請を始めましょう。

入力項目はここでは簡単に、以下の3つだけ入力すればざっくりとした最低生活費を把握できます。

  1. お住まいの地域
  2. 本人を含む、世帯人数
  3. 住宅扶助(家賃の金額)

この他、介護施設などの施設入居者の有無や、母子・父子家庭かどうか、児童の有無などが考慮されますが、まずは、上記3つの項目を入力してみましょう。

住宅扶助の項目については、単身者の場合、部屋の広さを入力する項目がありますが、1ルームのお部屋などは約18㎡~25㎡ですので、わからない場合は約18㎡と入れておいて差支えありません。
また、現状、アパートなどの住まいが確保できていない方で、家賃の額がわからない場合は、「お住まいの地域の住宅扶助額上限」の金額を、家賃の額として入力してください。

以上の項目を入力すると、あなたのエリアの「最低生活費(月額)」が判明します。

次に、収入がある人や貯金のある人は、「<2>次に、あなた(の世帯)が生活保護を受けられる可能性があるかを調べます」の入力に進みます。
ここでは、収入の有無や、預貯金の有無を確認していきます。

例えば、最低生活費(月額)が9.9万円のエリアで、現在、アルバイト収入が6万円の人は、差額の3.9万円が生活保護費として支給されます。

計算結果はいかがでしたか?

なお、「生活保護費自動計算ソフト」をダウンロードして利用できない方は、以下に東京都や地方での「最低生活費」の目安を記載しておきますので、参考にしてみてください。

■最低生活費の例※

ケース 最低生活費 生活扶助 住宅扶助
都心(1級地) 60歳 単身東京23区在住 ~133,490円 79,790円 ~53,700円
60歳 夫婦東京23区在住 ~183,200円 119,200円 ~64,000円
地方(2級地) 60歳 単身新潟県新潟市在住 ~107,610円 72,110円 ~35,500円
60歳 夫婦新潟県新潟市在住 ~150,720円 107,720円 ~43,000円
地方(3級地) 60歳 単身長野県佐久市在住 ~99,110円 67,310円 ~31,800円
60歳 夫婦長野県佐久市在住 ~138,560円 100,560円 ~38,000円

※冬季加算、母子加算、児童費用加算等は考慮していません。あくまでも目安として活用してください。

1-1.預貯金がある場合には最低生活費の計算に注意する

先程の「生活保護費自動計算ソフト」を利用して、預貯金がある場合のケースをみていきます。
生活保護を申請する時点で、手元に置いておける預貯金の額は、「最低生活費未満」となります。

収入がない人の場合、最低生活費が99110円のエリアで、手元に置いておける預貯金の額は99109円までとなります。

収入がある人の場合、最低生活費が99110円のエリアで、収入が6万円の場合、差額の39109円までを手元に置いておけることになります。

生活保護の申請時に手元に置いておける預貯金額と、最初の月に貰える生活保護費の関係は混乱しやすい内容ですので、いくつか例題をあげてみます。一緒に整理していきましょう。

■最低生活費(月額)99110円のエリアで所有できる預貯金の額と生活保護支給額について

例1:収入0円、預貯金99110円の場合
→生活保護の受給はNGです。理由は、預貯金が最低生活費と同額「以上」あるためです。この場合、1円でも最低生活費を下回れば、生活保護の受給が可能になります。

例2:収入0円、預貯金99109円の場合
→生活保護の受給がOKです。最初の月に貰えるお金は、99109円の1/2である49554円を、最低生活費99110円から控除した、49556円が支給され、2ヶ月目から99110円が支給されます。
預貯金額:99109円
生活保護費(初回):49556円(預貯金1/2を控除した額)
生活保護費(2回目以降):99110円

例3:収入0円、預貯金49555円の場合(99110円の1/2の金額)
→生活保護の受給は当然OKであり、最初の月から満額の99110円が支給されます。
なお、預貯金が1円多い49556円の場合は、最初の月の支給金額が1円減って、99109円になり、2ヶ月目から99110円が支給されます。
預貯金額:49555円
生活保護費(初回):99110円
生活保護費(2回目以降):99110円

例4:収入6万円、預貯金49555円の場合(99110円の1/2の金額)
→生活保護の受給はNGです。一見、最低生活費の1/2である49555円であるため、大丈夫と思ってしまいますが、収入6万円も加算され、109555円の資産があると見なされ、最低生活費の99110円を超えてしまうため、生活保護が却下になります。
収入がある場合は、最低生活費から収入を引いた残りが、手元に残せるお金になります。

例5:収入6万円、預貯金39109円の場合
→生活保護の受給がOKです。収入と預貯金をあわせても最低生活費99110円を超えないため、生活保護の受給がOKです。
収入:60000円
預貯金額:39109円
生活保護費(初回):39110円(最低生活費-収入)
生活保護費(2回目以降):39110円(最低生活費-収入)

例6:収入6万円、預貯金0円の場合
→生活保護の受給がOKです。生活保護費は、例5と同じで、最低生活費と収入の差額である39110円が支給されます。
収入:60000円
預貯金額:    0円
生活保護費(初回):39110円(最低生活費-収入)
生活保護費(2回目以降):39110円(最低生活費-収入)

いかがでしたでしょうか?
将来の医療費や家電の買換えなどで貯金を残しながら生活保護を申請したいと思いますが、現状はそのような申請は原則認められない運用がなされています。

しかし、あくまでも目安であり、高齢者で先々の入院費用の確保や何か特別な事情がある場合は、そのような事情を説明した上で、生活保護の申請する手もあります。

1-2.生活保護を申請する3つのデメリット

生活保護は、生活に困っている人にとってはとても有り難い制度ですが、申請する前に以下のようなデメリットがあることを知っておく必要があります。

■生活保護を申請するデメリット

  1. 親族への扶養照会
  2. 貯金の取り崩し
  3. 申請時の交渉と受給後の指導・指示

順番にみていきましょう。

デメリットその1:親族の扶養照会
生活保護を申請すると、親族への扶養照会が行われます。
扶養照会とは、福祉事務所があなたの親族に手紙を出して、親族の援助であなたを扶養できませんか?というお尋ねです。
もし、親族が「それはできない」と回答すればそれで終わりです。
しかし、どうしても扶養照会をしてほしくないケースとして、DV被害者のケースがあります。
この場合は、扶養照会をしなくて良い運用になっているため、福祉事務所に事前に内容を伝えた上で、福祉事務所からの直接照会を行わないように申入れましょう。
申し入れる際は、証拠を残すために、生活保護の申請書にその旨を記載しておくとより安全です。

デメリットその2:貯金の取り崩し
1-1で先述の通り、生活保護の申請時に手元に置いておける預貯金の額には上限があります。
将来不安で、手元に置いておきたい気持ちはわかりますが、それでは生活保護を受給できません。
生活保護の申請を自分で行うことに不安がある場合は、弁護士費用への充当や、古くなってしまった家電の買い替えや、アパートへの入居費用に充てることも考えられます。
特別な事情があり、どうしても預貯金を減らす訳にはいかない場合は、その旨も記載した申請書を福祉事務所に提出する方法もあります。却下になる可能性は高いですが、試してみることも可能です。

デメリットその3:申請時の交渉と受給後の指導・指示
生活保護の申請は、基本的に自分で行きます。
この記事の「2.自分で行う生活保護の申請方法」でも説明しますが、生活保護の申請は「申請書」を出せばそれでOKというシンプルな手続きですが、実は一筋縄にはいきません。福祉事務所は、あなたの生活保護の申請をあらゆる手を使って阻止してきます。
あなたはただ申請書を置いて帰りたいのに、「申請書は受け取れません。」や「まずは相談することになっています。」などの法的根拠のない説明を延々と繰り返し、なかなか申請書を受け付けてくれません。
解決方法は後ほど説明しますが、この申請時の交渉で嫌な思いをさせられる人はとても多いです。
この福祉事務所の対応が嫌で、本来は生活保護が受けられる人が、精神的に参ってしまい、申請に行くことすらあきらめてしまう人もいるぐらいですので、ある程度覚悟して福祉事務所に行く必要があります。
また、無事生活保護を受給できたとしても、この記事の「3.生活保護受給後は、「辞退届」に注意する」で説明するように、あなたに「早く仕事を見つけろ」と指導・指示の名目で執拗な精神的プレッシャーをかけられるケースがあります。

生活保護を利用するには、このようなデメリットがあることを覚悟しておいてください。

2.自分で行う生活保護の申請方法

最初に伝えておきたい事は、生活保護の受給を勝ち取るためには、生活保護の「申請」さえできればOKということです。
なぜなら、あなたが生活保護の申請を行うと、福祉事務所は審査をする「義務」が発生し、あなたが生活に困っているのであれば、ほぼ100%生活保護の受給が認められます。
よって、あなたの目標は、「申請書を福祉事務所に郵送する、または持参して置いて帰ること」と言えます。
生活保護の相談に行ってもダメだったケースというのは、そもそも「申請」をせずに帰ってきているためです。

これは、福祉事務所が、あなたが生活保護の「申請」をしないように、申請書を渡さなかったり、様々な嘘をついてあなたに申請をあきらめさせたりすることが原因ですが、これから説明する方法で簡単に解決できます。

まず、申請書は自分で用意します。実は、生活保護の申請書は自分で作成したものでもOKなのです。よって、そもそも福祉事務所から申請書を入手する必要がありません。
生活保護の申請をする上で、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい様が作成した生活保護申請書がそのまま利用できますので、ダウンロード・印刷した上で活用するようにしましょう。

生活保護申請書(認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい様作成)
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい様のHP

また、同じく認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい様が作成した「最後のセーフティネット活用ガイド」で、生活保護の申請手続きを、ユーザー目線で非常にわかりやすく説明してくれていますので目を通してみてください。

それではまずは、生活保護の申請から受給決定までの流れをみてみましょう。

■生活保護の申請から受給決定までの流れ

1.生活保護の申請
福祉事務所に生活保護の申請書を提出します。提出方法は持参が基本ですが、住所のある人に関しては郵送(内容証明)も可能です。2.面談の実施
職歴や健康状態などの聞き取り調査が行われます。3.調査
福祉事務所による資産の調査、訪問などが行われます。

4.生活保護の開始決定・または却下の決定
申請から原則14日以内に開始決定・または却下決定が行われます。
開始決定を受けた場合は、申請費にさかのぼって生活保護費が支給されます。
なお、却下決定を受けた場合は、却下に対して異議をとなえる審査請求を行うことが可能です。
そのために、却下の場合は「却下決定の通知書」を入手するようにします。

1番の生活保護の申請前に、福祉事務所による相談や面接を行い、申請をするかしないかの指導が行われますが、そもそもそのような指導は不要です。面接は申請した後に実施すれば済むためです。

また、申請書を受け付けるかどうかの判断権限を福祉事務所は持っておらず、申請書が出されたら、「必ず」受けつけなければなりません。
申請書は記載項目だけ守れば、自分で用意してもOKです。よって、まずは申請書を作成していきます。

2-1.生活保護申請書の作り方

生活保護の申請を行うために必要な書類はすべて自分で用意します。
必要な書類は以下の4つです。

■生活保護の申請で必要になる4つの書類

  1. 生活保護申請書
  2. 資産状況申告書
  3. 収入・無収入申告書
  4. 一時金申請書(アパートの入居費用が必要な場合。入居費用の見積書も一緒に提出する。)

これらの書類一式は、先程説明した、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい様が作成した生活保護申請書がそのまま利用できますので、ダウンロード・印刷した上で利用するようにしましょう。

生活保護申請書(認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい様作成)

書き方の説明は、「最後のセーフティネット活用ガイド」の10ページ目、11ページ目に記載されていますが、念のため内容を記載しておきます。

生活保護申請書の書き方
(宛先 ○○福祉事務所所長)
申請する福祉事務所の名前を記載します。
申請場所は、アパートなどの住所がある人はその住所を管轄している市役所などの自治体名を入れます。
例えば、東京都品川区に住居がある場合は、品川区福祉事務所所長と記載します。
路上生活者、ネットカフェ住民などで、住所が決まっていない人は、現在あなたがいる地域の福祉事務所に申請を行うため、あなたがいる地域の市役所などの自治体名を入れましょう。

(申請者氏名、捺印)
あなたの名前を記載します。認め印(100円ショップなどで購入)も捺印するようにしましょう。印鑑が無い人は、拇印でも間に合う場合がありますが、極力、認め印で捺印するようにしましょう。

(住所)
あなたの住所を記載します。路上生活者、ネットカフェ住民などで、住所が決まっていない人は記載不要です。
その旨も念のため記載しておきましょう。(例:アパートを借りていないため、現在はネットカフェで寝泊まりしています。)

(連絡先)
申請者の電話番号などの連絡先を記載します。連絡先がない場合は記載不要です。念のためその旨も記載しておきましょう。

(現住所)
あなたの住所を記載します。路上生活者、ネットカフェ住民などで、住所が決まっていない人は記載不要です。

(世帯印の名前)
世帯単位で家族構成を記載します。ここに記載する家族は、生活保護を一緒に利用する家族のみ記載しましょう。
健康状態の項目は、持病がある場合のみ記載します。

(保護を受けたい理由)
今あなたが置かれている状況や、お金に困っている旨を記載しましょう。
なお、借金がある状態でも生活保護は申請できますが、借金がある旨も記載し、生活保護を受給した後に、自分で自己破産をするか、弁護士に債務整理を依頼する旨を記載しておきましょう。

(援助者の状況)
両親や親戚などを記載します。連絡先や住所が分からない場合も、名前と続柄と年齢は記載しましょう。
ここに記載された人たちに、扶養照会の手紙がいきます。
なお、DV被害を受けている方などで、扶養照会を避けたい人がいる場合は、DV被害にあっている旨と、扶養照会をしないでほしい人間の名前を記載しておきましょう。

資産申告書の書き方
宛先、氏名、住所、連絡先は、生活保護申請書と書き方は同じです。
各資産につき、有・無に○をつけていきましょう。

(不動産)
不動産については自宅が想定されますので、自宅の情報を記載します。
延面積とは、自宅の広さのことです。約○○㎡と記載しておけばOKです。
抵当権とは借金の担保にとられている場合に設定される権利で、自宅に抵当権がつけられている場合は有にチェックを入れます。

(現金、預貯金、有価証券)
現金、預貯金は、一旦何も書かないで空欄にしておき、いざ申請する日が決まったらその日の現金、預貯金の残金の額を記載しましょう。
有価証券は株券やゴルフ会員権のことで、所有していれば記載します。
また生命保険に加入している場合も、情報を記載します。

(その他資産)
車やバイクを所有している場合、その情報を記載していきます。
貴金属、その他高価なものについては、現在、中古として売った時に単品で、20万円以上で売れるかどうかを目安にして、もしそのような物品があれば記載しましょう。
なお、車やバイクは、単に通勤に利用するだけの利用であれば原則処分となります。
保有が認められるケースは、障害を抱えており必要になるケースや、山間僻地で公共の交通機関の利用が難しいケースなどです。
仮に、車やバイクを保有していることが理由で生活保護が却下になった場合は、この記事の「2-5.生活保護で困った時の相談先」に記載してあるNPO法人か弁護士に相談をしてみましょう。

(負債(借金))
借金がある場合は、借入先情報と借金の額を記載します。
多重債務者などで、複数の金融機関から借入をしている場合は、「別紙の通り」と記載して、自分で借金の借入先と借金の額をまとめた書類を作成して、一緒に提出するようにしましょう。
なお、申請書にも記載してもらっていますが、念のため、ここでも、借金については自分で自己破産をするか、弁護士に依頼して債務整理をしてもらう旨を記載しておきましょう。

収入・無収入申告書の書き方
宛先、氏名、住所、連絡先は、生活保護申請書と書き方は同じです。

(収入総額)
今月と過去3ヶ月分の収入を記載します。
勤労収入、年金、仕送りなどもすべて記載しましょう。
また、働いた日数や平均労働時間(一日あたり)も覚えている範囲で記載しましょう。
勤務先から給与明細がでているケースなどはその書類も添付するようにしましょう。

(必要経費)
ここには、仕事に必要になる経費(交通費など)を記載します。

(主な収入源)
勤務している場合は、所在地・会社名を記載しましょう。

(無収入申告)
収入が無い場合は、その理由を記載しましょう。
理由の例としては、ハローワークに仕事を探しに行ったが、なかなか仕事につけない現状などを記載します。

一時金支給申請書の書き方
一時金支給申請書とは、路上生活者、ネットカフェ住民などで、住所が決まっていない人がアパートを借りるための入居費用を確保するための申請書です。
この「一時金支給申請書」と一緒に「入居に必要な費用明細」を不動産会社から取得して一緒に提出します。
一時金の中に含まれる入居費用は、仲介手数料、敷金、礼金、保証料、火災保険料です。カギ交換費用やクリーニング費用は含まれません。

なお、そもそも自分が入居できそうなアパートをみつけることができない場合は、この記事の「2-5.生活保護で困った時の相談先」に記載してあるNPO法人に相談をしてみましょう。
記載項目は、宛先、氏名、連絡先のみです。書き方は生活保護申請書と同じです。

2-2.生活保護申請時の必要書類

基本的に、2-1で作成した生活保護申請書、資産申告書、収入・無収入申告書、一時金申請書(入居費用見積書も必要)だけでOKです。念のため列記しておきます。

■生活保護の申請で持参する書類(2-1で用意した書類)

  • 生活保護申請書
  • 資産申告書
  • 収入・無収入申告書
  • 一時金申請書と入居費用見積書

また、生活保護の審査を迅速に進めてもらうために、持参したほうが良い持ち物を以下に記載しておきます。
無い場合は用意しなくて大丈夫ですが、印鑑だけはできるだけ用意するようにしましょう。

■生活保護の申請で持参したほうが良い持ち物

  • 印鑑(100円ショップで売っているものでOK)
  • 本人確認書類
  • 通帳
  • 賃貸借契約書(アパートを借りている人のみ)
  • 保険証、年金手帳
  • 手当金を受給している場合はそれがわかる書類
  • 給与明細
  • 公共料金の領収書(直近のもの)

これ以外の書類は、生活保護の申請後に福祉事務所から追加資料の指示を待つ形で間に合います。

2-3.生活保護申請の提出方法

生活保護の申請書類を完成させ、必要書類も確認したら、いよいよ申請書の提出を行うため、福祉事務所に出向きます。
住所が決まっている人は、あなたの住所を管轄する市役所など自治体の中にある福祉事務所に行きます。
路上生活者、ネットカフェ住民などで、住所が決まっていない人は、現在あなたがいる場所を管轄する市役所など自治体の中にある福祉事務所に行きましょう。

申請書を出すために福祉事務所に着いたら「生活保護を申請したいので、申請書類を一式置いて帰ります。審査結果がでましたら連絡を宜しくお願い致します。」と言って帰ってきて大丈夫です。
福祉事務所には申請書の提出を断る権利が無いのですが、嘘をついて申請書を受け取ろうとしません。その後、事前に相談が必要と言われ、面接室に連れて行かれます。

ここで、様々な質問攻めにあい、あなたが申請書を提出することを断念させようとしてきます。
しかし、あなたの目的は、申請書類一式を置いて帰ることです。写真を撮影する、会話を録音するなどして証拠を残しましょう。
どうしても申請書類一式を置いて帰ることが難しそうな状況であれば、一旦帰ってきて、郵送で申請書を送る手続きを検討します。

2-4.郵送で生活保護申請書を提出する方法

郵送で生活保護申請書を提出する場合は、お金と手間がかかりますが、内容証明郵便にて生活保護を申請する意思を表示して、別便(配達証明付き書留郵便)で、2-2に記載してある生活保護申請書類一式を郵送します。

内容証明郵便とは、「誰が、誰に、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」ということを郵便局が証明してくれるサービスです。生活保護を申請したという証拠を残すために利用します。
また、内容証明郵便とは別便(配達証明付き書留郵便)で送る生活保護申請書類一式は、生活保護の審査をする上で必要になるため、必ず郵送するようにしましょう。
ここでも、配達証明付き書留郵便という形で郵送することで、確かに配達したという証拠を残せます。

配達証明付き書留郵便を送る際に確認できる受付番号を、内容証明郵便に記載しておけば、双方の繋がりを示すことができ、証拠の効果を高めることができます。
内容証明郵便のサンプルを用意していますので、郵送の手続きを利用する場合は参考にしてみてください。

内容証明(生活保護申請に関する通知書) サンプル Wordファイル

なお、この方法が使える人は、アパートなどに既に済んでいて、住所が確保できている人、電話などの連絡手段を持っている人に限られます。
路上生活者、ネットカフェ住民などで、住所が決まっていない場合や連絡手段が無い方の場合は、申請したその日の内に生活保護費の貸付などを受けて、一時的に宿泊場所を確保する必要があります。
よって、住所が決まっていない場合や連絡手段が無い方は、この記事の「2-5.生活保護で困った時の相談先」に記載してあるNPO法人に相談をして、生活保護の申請に同行してもらうなどの対策をとりましょう。

2-5.生活保護で困った時の相談先

生活保護の申請に自分一人で行くことが怖い場合や、事前にいろんな相談をしたい方も多いと思います。
そのような時は、NPO法人で生活保護の申請をサポートしてくれている団体に相談をしてみましょう。

すでに紹介している認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい様の他に、全国に生活保護者の支援ネットワークが存在します。
連絡先とホームページを列記しておきますので、生活保護の申請などで悩み事や不明な事がある場合は相談してみましょう。

■生活保護者の支援ネットワーク一覧

(関東エリア)
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい様
電話:03-3266-5744
受付時間:火12時~18時、金11時~17時

ホームレス総合相談ネットワーク
電話:0120-843-530
受付時間:月・水・金 11時~17時

首都圏生活保護支援法律家ネットワーク(首都圏、北海道、富山)
電話:048-866-5040
受付時間:月~金 10時~17時

(東北エリア)
・東北生活保護利用支援ネットワーク
電話:022-721-7011
受付時間:月~金 13時~16時

(東海エリア)
生活保護利用支援ネットワーク静岡
電話:054-636-8611
受付時間:月~金 10時~17時

・東海生活保護利用支援ネットワーク(愛知、岐阜、三重)
電話:052-911-9290
受付時間:火・木 13時~16時

(北陸エリア)
・北陸生活保護支援ネットワーク福井
電話:078-371-5118
受付時間:月~金 10時~16時

北陸生活保護支援ネットワーク石川
電話:076-231-2110
受付時間:火 18時~20時

(近畿エリア)
近畿生活保護支援法律家ネットワーク
電話:078-371-5118
受付時間:月~金 10時~16時

(中国エリア)
生活保護支援中国ネットワーク
電話:0120-968-905
受付時間:月~金 9時30分~17時

(四国エリア)
四国生活保護支援法律家ネットワーク
電話:050-3473-7973
受付時間:月~金 9時30分~17時

(九州・沖縄エリア)
生活保護九州ネットワーク
電話:097-534-7260
受付時間:月~金 13時~17時

また、NPO法人ではなく、生活保護申請に関する弁護士費用の援助を行う法テラスの利用を行い、弁護士に相談することも可能です。

法テラス
電話:0570-078-374
受付時間:月~金 9時~21時 土 9時~17時

一人で悩まず、まずは生活保護の専門家に相談をしてみましょう。

3.生活保護受給後は、「辞退届」に注意する

無事生活保護を受給できた後は、生活保護を廃止される「辞退届」に注意するようにします。
「辞退届」とは、あなたが自分の意思で「生活保護を辞退したい」と申し入れる書類です。

そもそも、生活に困っている方が、自分から生活保護を辞退したいと思うケースは考えにくいですが、実際はこの「辞退届」による生活保護の廃止がよくあります。
理由は、生活保護者が騙されて、この「辞退届」に署名させられているからです。
なぜ、どのタイミングで、この辞退届に署名してしまうのか、内容をみていきましょう。

まずは、どのような時に生活保護は停止・廃止されるのかを確認しておきましょう。

■生活保護が停止・廃止になる4つのケース

  1. 収入が増えるなどして、生活保護が必要なくなったとき
  2. 立入調査・検診命令を拒否したとき
  3. いつまでも路上生活続け、生活保護施設等に入居しない、または生活保護施設の管理規定に従わないとき
  4. 指導・指示に従わないとき

辞退届と関連が深く、注意が必要なケースは4番の「指導・指示に従わないとき」です。
どのような指導・指示があるかというと、「今月中に仕事をみつけなさい。さもなければ生活保護を廃止しますよ。」みたいなこと、あたかもそれが条件かのように指導して、書面であなたに約束を迫ります。
その書面には、「就労自立」と記載されてあるか、あなたに書かせます。
これが、いわゆる「辞退届」です。恐らくあなたは、この書類が「辞退届」であったなんて1ミリも思っていないことでしょう。こうして、あなたは「辞退届」に自ら署名をさせられてしまいます。

3-1.辞退届を書かされそうになった時の対処法

もし、このような強迫に近い指導・指示が行われ、何かの書面を書かされそうになった場合は、その書面に署名をしなくてOKです。これだけで生活保護が停止・廃止になることはありませんので安心してください。
そして、福祉事務所の担当者に以下のように言ってください。

「今あなたが私に言った指導・指示の内容を、書面で私に通知してください。」

これでOKです。
「指導・指示に従わないとき」に生活保護を停止・廃止するためには、「書面による指導・指示」が必要です。
福祉事務所の担当者に「なぜ?」と聞かれたら、指導・指示の内容を証拠に残したいとそのまま伝えて大丈夫です。福祉事務所の担当者が怒ってあれこれ言ってきても、無視して良いでしょう。
なぜなら、口頭での指導・指示に従わなくても、生活保護は停止・廃止にならないからです。

この件に関しては、指導・指示の内容に疑問があるため、書面で通知するように再度お願いして終わらせます。
さて、違法性のある指導・指示の内容を、証拠に残る書面で通知してくるでしょうか?恐らくしてこないでしょう。
もし、書面で通知が届き、内容が強迫に近い内容であったり、事実と異なる内容が書いてあったりする場合は、この記事の「2-5.生活保護で困った時の相談先」に記載してあるNPO法人や弁護士に相談をしましょう。

また、「来月中に仕事をみつけるように」を記載された書面であれば、無理はしなくて良いですが、あなたは自分のできる範囲でハローワークに行くなどして、仕事を探し、いつ何をしたかなどの記録をつけておきましょう。
このような準備をしておけば、来月中に仕事が見つからなくても、生活保護が停止・廃止になることはありません。万が一、生活保護が停止・廃止になるような事態に陥った場合は、この記事の「2-5.生活保護で困った時の相談先」に記載してあるNPO法人や弁護士に相談するようにしましょう。

なお、「書面による指導・指示」があった後に、それでもあなたが従わないときは、あなたに「弁明の機会」を与えて、審査を経て初めて生活保護は停止・廃止になります。
このような手続きを回避するために、「辞退届」が悪用されていることを理解しておいてください。

4.まとめ

今回は、生活保護の概要、申請方法、申請後の注意点について説明してきました。
生活保護の受給を勝ち取るためには、生活保護の申請をすることが大切であることが理解できたかと思います。
生活保護を受給したい場合は、「申請書を福祉事務所に郵送する、または持参して置いて帰ること」を目標にして、必ず「申請」を行うようにしましょう。

また、生活保護の受給を勝ち取った後も、辞退届を書かないように注意する必要があります。
一人で手続きを行うことが大変だと感じる方は、この記事の「2-5.生活保護で困った時の相談先」に記載してあるNPO法人や弁護士に相談するようにしましょう。

なお、より深く生活保護の内容を知りたい方は、厚生労働省のホームページで公開されている生活保護の運用基準が参考になりますので、参考にしてみてください。

生活保護法による保護の実施要領について(事務次官通知 生活保護の大まかな基準)
生活保護法による保護の実施要領について(局長通知 生活保護のより詳細な基準)
生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(課長通知 基準に関するQ&A集)

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