ふるさとは遠きにありて思ふもの
日本国籍を持つ3歳児の中で、私の娘は多分、ナンバーワンの愛国者だと思う。それは大好きな日本に、限られた時間しかいられないからだ。
・自分を心から愛してくれる最愛の家族がたくさんいて、
・自分が2歳までに身につけた(身につけさせた)カツオと昆布の出汁が入った美味しい食べ物がたくさんあり、
・来るたびに暑かったり、寒かったり、木々の葉っぱの色や咲いている花の種類が違い、
・アンパンマンミュージアムやディズニーランドやキッザニアという素晴らしい施設がある、大好きな大好きな日本。
シンガポールの教育やビジネス環境はたしかに素晴らしい。だが、そのシンガポールを空気のように思っている娘が、心から愛し、恋い焦がれるのは「日本」なのだ。
日本のことがもっと知りたくて、自分でいろいろ調べては、もっともっといろんなところに行きたくなってきている。クラスの友達にはいつも「日本に行ってきた自慢」ばかりしている。3歳児なりに日本人であることを誇りに思っているようだ。
たくさんの友達がいて大好きな先生がいるシンガポールだが、娘は3ヵ月もすると"日本が切れて"しまう。この年末年始も日本の素晴らしいところをたくさん見て、肌で感じてもらっている。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」とはよく言ったものだ。
娘は日本で行ったところや会った人たちを鮮やかなフォトグラフィックメモリーで記憶しているようで、映像や写真をタブレットやスマホで見ると、「あっ!あそこいったね」「あれも食べたね」と指摘するので、本当に驚いてしまう。
海外で子供を育てる最高の副産物は、「強い愛国心」だと思う。ずっと日本にいる人間は、日本の本当の素晴らしさに対して鈍感になってしまうのかもしれない。
『シンガポール発 最新事情から説く アジア・シフトのすすめ』
著者=田村耕太郎
(PHPビジネス新書、983円)
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