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 トルコのクルトゥルムシュ副首相は4日、記者会見を開き、サウジアラビアとイランの対立について「中東はすでに一触即発の状態。(地域大国の)サウジとイランが敵対すれば、両国と地域に悪影響をもたらす」と述べ、早急に緊張を緩和するよう両国に促した。アナトリア通信などが伝えた。

 トルコはサウジと同様にイスラム教スンニ派が多数を占める。中東不安定化の要因の一つのシリア内戦でも、サウジとともに反体制派を支援している。一方、シーア派が多数派のイランはアサド政権を支援している。

 だが、クルトゥルムシュ氏は「(サウジ、イラン)両国はトルコにとって重要なイスラム国家。我々は双方と良好な関係を維持している」と述べ、どちらにも肩入れしない姿勢を強調。そのうえで対立激化のきっかけとなった、サウジによるシーア派指導者ニムル師の死刑執行については「トルコは死刑を廃止した国であり、常にあらゆる死刑制度について反対してきた」と述べ、名指しは避けつつサウジを批判した。(イスタンブール=春日芳晃)