米国ラスベガスのCES 2016会場より。日本発のIoTメーカーのCerevoは、2つの新製品を初お披露目しました。その一つが自走するプロジェクターロボ Tipron(ティップロン)です。

Tiptonはプロジェクターを内蔵したホームロボットです。部屋を自由に動き回り、好きな場所に好きな映像を投影できます。一見するとソフトバンクの某ロボット(Pepper)に似ていますが、Cerevoの岩佐琢磨社長いわく『ロボといえば変形だろう』という日本男子的な発想のもと、可変機構を搭載。使用していない時は折りた畳んだ状態で存在感を消すことができます。

Cerevo 変形プロジェクターロボ Tipron

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7 枚



Tipronの首は360°の前後左右および上下に動きます。この3軸の自由度を持った首が、家のあらゆる場所に対して映像を投影します。投影が終わるとその場所から移動して充電ステーションに帰ってゆきます。腹部の丸い部分はスピーカーで、大音量のサウンドを再生できます。

変形機構により畳んだ状態では一昔前の掃除機程度の大きさ。存在感を消します




Cerevoの岩佐社長は、Tiptonがメインスクリーンだとは考えていないと話します。ファーストスクリーンがテレビ、セカンドスクリーンがスマートフォン、ファーストとセカンドが最近入れ替わりつつあるとしたうえで、Tipronをそのどれでもない「サードスクリーン」として位置づけます。

80インチのスクリーンが折り畳めて、どこにでも勝手に歩いてきて、勝手に居なくなると考えるとイメージしやすい』『スマートフォンからの指示で好きなコンテンツを好きな場所に投影してくれる。これが実現できればひょっとして必要な製品なんじゃないか』(岩佐琢磨社長)

ユースケースの例としては、Twitterのハッシュタグやタイムライン、ニュースなどの情報をまず登録。例えばスポーツ中継のハッシュタグを登録しておき、当該スポーツ番組の放送時間になるとTipronがテレビの横まで移動し、当該ハッシュタグで書き込まれたツイートをテレビの横の壁に投影し続ける。などといったことが可能。



プロジェクターは3m離れて80インチの映像を投影可能。台形補正やAF、左右の回転、天井への投影にも対応します。映像はネットワーク経由のほか、ChromecastなどHDMI直挿しで動画配信サービスから読み込むことも出来ます。

また自立移動のためにIRや距離カメラ、超音波障害物センサ、500万画素カメラ、9軸センサを備えます。



Cerevoは『1つの国で100台しか売れなくても、世界100カ国で売れば1万台売れる商品になる』というグローバルニッチの考えのもと、大手メーカーがなかなか出さないような尖った製品を出し続けています。このTipronもそんなCerevoらしい製品と言えそうです。

Tiptonは2016年春〜夏に発売予定です。
Cerevo、自走するプロジェクターロボ『Tipron』発表。3軸の首があらゆる場所に映像を投影、変形も可能:CES 2016

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