釣り納めと釣り初めに行ってきた。
まぁ久々の釣行という事もありなかなか至らないところもあったが
今年はなんと言っても暖冬故に
『楽勝やろ♪』
とたかをくくっていた部分はある。
来る12月31日
日没2時間前にちょこっとだけオカッパリで釣りをしたのだが(これが釣り納め)
なんという事でしょう
1匹ぐらいは釣れるだろと思ってたところの
完全ノーバイトで2015年を締めくくるという体たらく。
バイブレーションとか使ったんだけどね
暖かいとはいえやっぱ冬のオカッパリは厳しいよ……
そう再認識した私は
全く年越しらしいこともせずに迎えた翌1月1日
今度はボートを引っ張り出し何でも出来るように多めのタックルを積み込み
割と本気で魚を狙いにいった釣り初め。
これなら1匹は釣れるだろうと思っていたところ……
なんとまぁ5時間ノーバイトが続き日没を向かえると言う始末。
暖かいから巻いて釣れるだろ!
と思いクランクとか投げても全く無反応。
もう少し丁寧に釣りをするかと思いスピナーベイトも引っ張り出すが
これまた無反応。
(しかしこの一件でカバークランキングとカバースピナーベイティングの明確な違いに気が付くことが出来たと言えよう)
やはり冬だからとバイブレーションプラグやメタルバイブも投入。
スピニングにはシャッドを結び、まさに冬らしい釣りをしてみるも
これまた撃沈。
ハイシーズンらしからぬ岸のカバーを狙っても釣れないのだから
オフショアの深いところを狙ってみるもこれまた駄目。
終いにはダウンショットまで投入するも
いまいちダウンショットにコンフィデンスを持っていないことも相まってやり続けることが出来ず
これも沈黙。
まさに万策尽きた状態
日没後辺りが完全に闇に包まれるまでのロスタイム30分。
最後の手段として投入したのが
ベイトフィネスによるネコリグだ。
これをバンクからちょっと離れた位置にこぼれるカバーを丁寧に舐めるように這わせていく。
釣りのテンポとしては超スローではあるが
秋にメタルやシャッドでオフショアを攻めても反応が芳しくない時に魚を搾り出してくれた
私の中でも割とコンフィデンスのある釣りだ。
ぶっちゃけ戦略とか度外視のライトリギングではあるが……
意外と目に見えないブッシュを感じながら操作するのは楽しく案外やり続けられるものだ。
こういう釣りではやはりネコリグの独壇場だろう。
ダウンショットやジグヘッドは根がかるし、テキサスだと誘いに欠ける。
少し浮かせながらも底を引けるという類い稀なるネコリグの持つ能力を遺憾なく発揮し
ラスト30分で
怒涛の5バイト3フィッシュという結果を叩き出した。
だが苦節5時間の後の魚であるため
ハイシーズンなら鼻で笑うようなサイズの魚に
割と本気で感動したのも事実
1日釣りをしながら観察した結果と
この釣果によって、色々な仮説が私の頭の中に成り立った。
これを確認する為に、翌1月2日もう一度同じ装備で釣りに出かけた。
1月2日。
今回の釣行記でメインとなるのはこの日だ。
フィールドこそ違うが、前日の釣果から判断するに
やはり魚は決して沈んでいるわけではないということがわかっていた。
実際釣れた魚もやや岸から離れた場所のスティープなエリアとはいえ
決してディープの範疇に入るような深さのスポットではなかったし
ましてや最深部ですらなかった。
この事からも暖冬の影響と昨日今日半袖にパーカーという冬らしからぬ格好ですら暑く感じる程の暖かな陽気から
シャローにいる魚が時期的な要因を考えても多数派になるのだろうというのは想像に難くなかった。
また1月1日の釣行の最中フィールドを観察していたわけだが
絶対数は多くないしハイシーズンのようにフラットにいるわけでもないが
それでもシャローのカバーに魚が付いていることは目視で確認できていた。
しかし
冬にシャローカバーはねぇよなw
と思っていた私は1日はシャローカバー攻略用のタックルを積んでいなかったのも愚策だったのだろう。
また持っていなかった故にそういった考えに至るまでにかなり時間を要したといってもいい。
その為5時間無駄とも言える時間を過ごしたのだろう。
しかし2日は違う。
ある程度フィーリングはつかめている。
実験的に導入したい事、というよりある種開眼したといってもいい?
テクを引っさげて
私がメインにしたタックルは3つ。
一つは
前日ノーフィッシュの危機を脱してくれた
ベイトフィネス+ネコリグ
の黄金コンビだ。
正直正統派ベイトフィネスではないのだが
今の私には割りとなくてはならない存在となってしまっている。
前もちょっと話したが
ベイトフィネスと言うのは決してスピニングの代用品ではない。
今までスピニングで出来ていたことをベイトタックルで出来るようになったよ
と言うのは、ベイトフィネスとしての能力をあまり発揮できていないのではないかと思っている。
つまりスピニングの代用としてのベイトフィネスは、その存在価値は欠片ほどもないのではないかというスタンスだ。
しかし
ベイトフィネスでしか出来ない事をやってやる事によって
ベイトフィネスは唯一無二の武器となるだろう。
それが私の結論だ。
言っちゃえば
真のベイトフィネスは
巷ではパワーベイトフィネスと言われる範疇に入るものだと思う。
ライトプラッキングを除けばね。
話が逸れた。
このベイトフィネス+ネコを
池の最深部に続く堰堤のコーナー部分
そこからちょっと離れた場所にあるブッシュ
のショアからちょっと離れたところ
という上手く説明できない場所をネコリグでねっちりねっちり探っていく。
それこそ枝の1本1本を感じながら乗り越えて落してピロピロ……
まさにフィネスフィッシングだ。
これを繰り返すと
まるでビニールにでも引っ掛けたような重量感が竿先に伝わった。
竿を立て聞いてみるも、やはり伝わるのは根がかりと遜色ないただの重量感。
しかしほんの僅か、気のせいと言われればそれで終わってしまいかねないほどの
些細なラインの違和感を感じ、私はラインスラックを処理して思い切り竿をしゃくり上げた。
正直フッキングするまでは確信など全くなかった。
根がかりでもしょうがないなという考えの方がむしろ強かったぐらいだ。
しかし、フッキング直後に伝わる生命感。
その重さと相まってなかなかのサイズ感と判別するのにそう時間はかからなかった。
新年早々49cmというナイスバスを捕獲したのは、釣り開始10分の事だった。
幸先のいいスタートを切ることができたが、この魚が今日の最大サイズに落ち着いた。
しかしやはりスローに丁寧に探れるネコリグと
ベイトフィネスだからこその感度、軽さ、安心感は触りでも体感すると手放し難くなるものだ。
スピニングでもパワースピニングの範疇であれば全然使用可能な釣りではあるが
スピニングはその構造からどうしても重たくなってしまう欠点がある。
この重さを活かせる釣りならばむしろ利点になるのだが(ミドストとか)
リールが竿の下に離れて付いてしまっていることからの慣性が
ロッドワークのレスポンスを下げているように感じてしまう。
やはりベイトフィネスはライトリグを扱う上ではかなり快適に釣りができる。
なるほどこれは正当な進化だなと感じずにはいられない。
必要か否かで言えば
私にとっては必要だ。
さてベイトフィネスは置いといて
メインにしたタックルの2つ目は
クランクベイトだ。
つまり巻きの釣りである。
前日完全に沈黙してしまった釣りではあるが
ベイトフィネス+ネコリグで釣れた魚は決してクランクベイトで攻める事の出来ない魚というわけではなかった。
ならなぜクランクベイトとネコリグで釣果に差が出たのか
それを考えた時に
1つはルアー自体のアピール力があったと思う。
やはり冬の低活性な魚相手に強すぎるアピール力は魚をスプークさせてしまう要因となってしまうのだろう。
事実コールドウォータークランキングにおいて大事なのは
ある程度ローアピールなルアーだというのは日米共通の認識ではある。
それともう一つは
クランクゆえに巻く、巻くゆえに釣り自体が雑になっていたと考える事ができる。
ネコリグでは枝の1本1本越えるような感覚で丁寧に攻めていたにもかかわらず
クランクではその辺が大雑把になっていたような気がする。
クランキングとは元々魚にルアーを近づけていくピンスポットの釣りだ。
十数センチの誤差で食わなくなることもある釣りである故に、本来であればジグテキサスと同等、いやそれ以上に丁寧に探る必要性のある釣りだったはずだ。
そんな事はわかっていたはずなのに
ハイシーズンのカバークランキングの弊害から
多少雑に釣りをしても魚が浮いて追ってきてくれるからその辺が適当になってしまった感がある。
冬にこれではいただけないと私は感じ
同じコースを何度も通す勢いで数センチ刻みのトレースを心掛けるようにした。
巻くスピードは普通だ。
そもそもルアーを魚に近づけていくわけだから別段ゆっくり巻く必要もない。
魚にルアーを追わせようという考えは一切ないので、ゆっくり巻くよりもテンポ重視でノーマルスピードでリーリングしていた。
ハイスピードでないのはクランクが底に当たりヒラを打った時にデッドゾーンが長くなってしまうからだ。
底に当たったら、クランクが跳ねないようにそこそこゆっくり巻く。
それまでは比較的普通から早めに巻く。
それが私の出したコールドウォータークランキングの結論だ。
使うルアーは
もうこのブログでもおなじみの
信頼と実績のノリーズ、ワーミングクランクショットだ。
そういえば去年の冬もショットが活躍した記憶がある。
今年も言うに及ばず活躍してくれている。
ホントはもっとデカイ魚を掛けたのだが 針先が鈍っていたせいでバラシた
実に悔やまれる
冬だからといってスロー、ディープというわけではないようだ。
シャローを巻いても丁寧にさえやれば魚は応えてくれる。
無論、条件が良ければの話だが。
寒波がぶち当たれば一瞬で死んでしまうのがシャローの釣りだ。
だが魚がシャローにいる限りは、シャローの釣りのほうが効率はいい。
そんなこんなでコールドウォータークランキングを武器として使いこなせるように精進する決意をした一方で
もう一つ新たに?いや、前々からなんとなくやってはいたのだが、完全に自覚してするようになったテクが1つ。
それが今回のメインタックルの1つでもある
フリッピングの釣りだ。
フリッピング
そのタックルは7フィート半ほどあるロングロッドに
非常に屈強なブランクスやラインを有し
1ozに迫らんとするヘビーシンカーを用いたリグで
前人未到のカバーをぶち抜きながら魚のいるところへルアーを滑り込ませ
有象無象の障害物など歯牙にもかけず魚を引きずり出す
そんな釣りになるわけだが
存外そんなガチフリップが必要とされるシチュエーションは多くはない。
ないわけではないし、そんなガチフリップが必要とされる場所ではガチフリップタックル意外では太刀打ち出来ないので
絶対に代用の効かない、欠かすことも出来ないタックルであるのは間違いないのだが
そんなガチフリップタックルを出すまでもないようなカバーには
明らかにそんなタックルはオーバーパワーなのだ。
オーバーパワーだと何がいけないか
魚が食わないという可能性もあるが
最大の欠点は取り回しの悪さなのだ。
76のヘビーロッドは
決して軽いタックルとはいえない。
というかむしろ重たい。
そんなタックルでは、細かくテクニカルな操作やキャスティングは
事実上不可能なのだ。
狭い峠で4WDを振り回すようなものである。
特に
ヘビーなシンカーを用いてカバーをぶち破る必要こそないものの
非常に複雑に入り組んだカバーの間を縫って
僅か数センチの隙間にルアーを投げ入れる必要があったり
オカッパリで言えば藪こぎ、ボートでもオーバーハングを潜りながらの釣りは
通常のフリップタックルでは取り回しの悪さからそのタックルの力を半分も使えないシチュエーションが多発する。
むしろこういった場面でこそ使えるタックルのほうが
使用頻度が高いと1年通してやってみて私は理解したのだ。
こういったシチュエーションで必要なのは
短いフリッピング用の竿だ。
無論そんな物はない(と思う)
単純なジグロッドではなく、あくまでもフリップの延長にあるタックル。
剛竿でありながら粘り強い、そんな竿だ。
決して感度やらキャスティング性能やらは必要ない。
その為ジグロッドとは少し違う。
正統派のフリップタックルとは違う一種独特の釣りになる。
別に呼称を決める必要はないかもしれないが
私は差別化の意味も込めて
テクニカルショートフリップ
と称している。
思えば半年ほど前に釣ったフリップによる57cmのビッグバス。
これは、ガチフリップではなくかなり変則的なタックルを用いた釣りをしていたわけだが(60のロッドに1/8ozのライトテキサス)
いわばこれこそがテクニカルショートフリップの原型とも言える釣りだったと言えるだろう。
そして今回の釣りも
このテクニカルショートフリップが存分に発揮されたと言ってもいい。
写真はないのだが(なぜ撮らなかった)
今時期はシャローのカバーに魚が付いてることが多い。
そのカバーも
魚が身を寄せる事の出来るしっかりとしたカバー
のなかでも
風や流れからプロテクトしてくれる濃さ
が大事になってくる。
つまり、身を寄せるだけなら充分な幹の太い一本松とか立ち木とかよりも
風や流れをしっかりを防いでくれる
細くとも複雑に入り組んだ枝振りの良いブッシュパイルとかベジテーションとか
そういったところのほうが魚がいる感じがするのだ。
実際私が目視した+釣った魚はそんなところにいた。
実際その程度の濃いカバーがあれば
これ魚1匹しか入らんくね?
というような両手の平を広げたぐらいの超小規模なブッシュ
しかも水深10数センチ程度のスーパーシャロー
そんなところにも
魚が陣取ってたりする。
そんなカバーを攻めるのに
ガチフリップのタックルでは確実にオーバーパワーで魚を散らしてしまう可能性があるのだ。
無論ガチフリップのタックルでなければ貫けないようなカバーも中にはあるが
その多くはそこまでのタックルは必要のない濃さなのだ。
だが、ベイトフィネスでは対応できないレベルの濃さでもあり
通常のジグロッドでもギリギリと言ったレベルのブッシュ。
そんなカバーをテクニカルショートフリップにより
僅か数センチの隙間を縫って静かに落としこむことで
得ることの出来る魚がこの時期にはいる。
いや、この時期に限らないのかもしれない。
ベイトフィネスと双璧を成す?
いや、ガチフリップと双璧を成す?
そんな新たな、いやむしろ王道か?
と言った釣り。
私が勝手に命名するなら
テクニカルショートフリップ。
こんな魚が釣れるかも |
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