新日本プロレス1・4東京ドーム大会で、IWGPヘビー級王者・オカダ・カズチカが昨夏G1クライマックス覇者・棚橋弘至の挑戦を退けて2度目の防衛に成功した。ドーム決戦のメーンイベントでは、5年連続で勝利中だった棚橋との頂上決戦を制し、ついにレインメーカーが日本プロレス界最大の祭典にカネの雨を降らせた。
昨年のドーム大会以来、2年連続年間最大興行のメーンで激突した両雄。東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞でも2011年からMVPを分け合い続けている。
文字通りプロレス界の主役同士による頂上決戦は、互いに手の内を知り尽くしているだけに一進一退の攻防が続く。場外へのハイフライ弾に加え徹底したヒザ攻めを繰り出す棚橋に対し、オカダは昨年11月の天龍源一郎引退試合で見せたドロップキックの連発で対抗する。
王者とエースの大一番は、そこから壮絶な展開となる。完璧に決まったレインメーカーを棚橋がカウント2で返せば、オカダもハイフライフロー2連発をキックアウト。必殺技が必殺技にならない。
それでも最後の最後にオカダの執念が棚橋の牙城を打ち破る。高角度ジャーマンからのレインメーカーをカウンターの張り手で迎撃されながらも、オカダは棚橋の右手を離さない。強引に棚橋の体を引き寄せると、こん身のレインメーカー3連発で死闘に終止符を打った。
メーンで5年連続勝利中だった棚橋とは対照的に、オカダにとってドームは鬼門の大会だった。凱旋帰国を果たした12年はブーイングを浴びせられ、13年と15年は棚橋とのIWGP戦に敗北。唯一IWGP王者として勝利を飾った14年も、ファン投票により棚橋と中邑真輔のインターコンチネンタル王座戦にメーンを譲る屈辱を味わっていた。
ついに名実ともに新日本の頂点に立ったオカダは「3つ言わせてください。1つ。強かったよ棚橋さん。またやろうぜ。2つ。新しい新日本プロレスをこれから見せてやる。もっと上のステージに俺が連れて行ってやる。3つ。2016年も俺から目を離すなよ!」とアピール。ドームに初めて降ったカネの雨は、新日プロの新たなる黄金時代到来の象徴となった。
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