西江拓矢
2016年1月5日00時32分
息を切らせ、約320段の石段を上ると、「アニメの聖地」が見えてきた。岡山県浅口市の太老(たろう)神社。SFアニメ「天地無用!」の舞台になり、全国から「巡礼者」がやってくる。
「天地無用!」は、1992年にオリジナルビデオ(OVA)が発売され、その後、シリーズ化された。原作者の梶島正樹さんが県出身で、倉敷市の「船穂」「鷲羽」など岡山にちなんだ舞台や人物が登場する。
主人公は高校生の柾木天地。祖父が神社の宮司で、その神社のモデルとなったのが太老神社だった。アニメに出てくる境内や社殿は、ほぼ実物と同じ。主人公がほうきで境内を掃除するシーンも出てくる。
太老神社は、ファンが作品の舞台を訪れる「聖地巡礼」の先駆けと言われ、94年ごろから、その姿が見られるようになったという。
拝殿横に「天地箱」という名札のついた箱がある。クイズを解くと、鍵で扉を開けられる仕組み。中には「天地ノート」があり、メッセージやイラストが載っている。「やっと来られました」「感動しています」。奈良、愛知、千葉、栃木など各地のファンの熱い思いが記されている。
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