【安倍晋三的な政治感覚に合う「ネトウヨ的な罵倒・悪口雑言の電波」が飛ぶ方向,その周波数に潜む特殊な事情】


 ①「橋下 徹氏 慰安婦問題の日韓合意をうけ朝日&毎日新聞に皮肉」(2015年12月29日 10:50〈橋下 徹のツイート〉)

 1)従軍慰安婦問題に関する橋下 徹発言
 この ① の橋下の発言が「2015年12月30日 11時42分」に,別人によって紹介されていた。「ざっくりいうと」こうだと語っていた。
      橋下 徹氏は29日,日韓合意をした慰安婦問題について Twitter で言及した。--合意では,政府側が「軍の関与」は認めつつも「強制」の言葉は外れたと指摘。朝日新聞などに「みずからの主張が否定されたことに気づいていない」と皮肉った。
 その発信元「12月29日の橋下 徹」のツイート「原文」は,こう書かれていた。
      橋下 徹( @t_ishin,2015/12/29 10:50,フォローする。)

 橋下徹画像 【橋下政治経済ゼミ】 近日開講!

 学者や評論家はしらない政治のカラクリ。慰安婦問題の日韓合意。「強制」の言葉が外れれば,これは河野談話の書き換えだ! メディア,とくに朝日,毎日新聞は大騒ぎしているが,彼らは自らの主張が否定されたことに気づいていない。
 註記)http://news.livedoor.com/topics/detail/11012865/
 出所)画像は,http://50064686.at.webry.info/201409/article_7.html
 この批判に対しては「弁護士や市長」である橋下が,まだしりえていない「政治のしくみ」がある点も指摘しておかねばなるまい。つぎに『河野談話』を引用しておくが,このどこに「強制」ということばが名詞(主語)的あるいは動詞(述語)的に,それも厳密にいっても決定的に使用されていると判定できるのか?

 2)「河野談話」1993年8月

◆ 慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話 ◆
=平成5〔1993〕年8月4日=


 いわゆる従軍慰安婦問題については,政府は,一昨〔1991〕年12月より,調査を進めて来たが,今般その結果がまとまったので発表することとした。

 今次調査の結果,長期に,かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され,数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は,当時の軍当局の要請により設営されたものであり,慰安所の設置,管理及び慰安婦の移送については,旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。

 慰安婦の募集については,軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが,その場合も,甘言,強圧による等,本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり,更に,官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また,慰安所における生活は,強制的な状況の下での痛ましいものであった。
 補注)ここの「強制的状況の下」とは「慰安所における生活」についてかかっている表現である。

 なお,戦地に移送された慰安婦の出身地については,日本を別とすれば,朝鮮半島が大きな比重を占めていたが,当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり,その募集,移送,管理等も,甘言,強圧による等,総じて本人たちの意思に反して行われた。
 補注)ここでも「強制」ということばは出ていない。「強圧」とある。

 いずれにしても,本件は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は,この機会に,改めて,その出身地のいかんを問わず,いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。

 また,そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては,有識者のご意見なども徴しつつ,今後とも真剣に検討すべきものと考える。

 われわれはこのような歴史の真実を回避することなく,むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは,歴史研究,歴史教育を通じて,このような問題を永く記憶にとどめ,同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。

 なお,本問題については,本邦において訴訟が提起されており,また,国際的にも関心が寄せられており,政府としても,今後とも,民間の研究を含め,十分に関心を払って参りたい

 3)議 論
 三百代言的な話法が得意である商売人である〔あった?〕市長が語る表現だけに,そのコジツケ(牽強付会)の程度とみれば,これを聞かされる立場にすると,ほとんど「強制的」といえるほどにきつい。

 安倍晋三が慰安婦問題に対して日本国首相の立場から下した判断は,「河野談話の書き換え」るどころか,実際にはその「確認・上書き」でしかなかった。「河野談話」の立場はいっさい認められない安倍であったけれども,この立場を骨格において無視することができないでいた。

 河野談話は,修辞法において非常な工夫をくわえて作成された文章である。しかし,この点をとらえきれていないせいで,橋下 徹のように「『強制』の言葉が外れれば,これは河野談話の書き換えだ」と即断し,問答無用だと「みなしたつもり」になれても,実際のところは,この理屈をただちに逆さまにして解釈することもできる。

 つまり,橋下なりに従軍慰安婦問題に関しては,強制「性の問題」が必然的に密接不可分であるほかない《歴史の事実》を,いまさらにように遡及的に認定する理路を指示していたのである。

 というのは,もともと「河野談話」は前述したように「そこ〔強制性そのもの〕まではいいきっていない」。にもかかわらず「そこ〔強制に〕まで言及している」と,橋下 徹のほうが一方的に強引に解釈している。そうして橋下は,みずから「批判の対象」をデッチ上げ的に想定したうえで,さらにこれを批判している〔つもりであった〕。これによってさらには,自説の優位性を「強調できているつもり」でもあった。

 したがって,橋下の説法は,これを論理的に詰めて解釈していくとすれば,従軍慰安婦の史実に関連させていうに,かえって〈強制の問題〉がつきものであったというほかなくなる。この意味は,その強制という単語にまつわる話題=実在が「瓢箪から駒」的に反証されたことである。いずれにしても彼の強弁,その屁理屈的な「論旨の展開」は,周囲を唖然とさせてくれる。

 だいたい従軍慰安婦の問題は,軍が関与してきた〈歴史の事実〉に関する対象である。従軍慰安婦問題をめぐり「軍が強制する要因」が事実としてなかったなどと,「歴史の事実」もしらずに先験的に決めつけるほうがおかしい。

 橋下 徹の思考方式は,戦時体制期における軍事問題に不可避である〈その歴史的な本質問題〉を,あいまいにしておいたままであった。くわえて橋下のように,あくまで今日的な観念のこだわっているそれであった。恣意に突っ走る話法であれば,それはそれでよかったかもしれない。
 補注)なお,軍隊における性の問題については,マグヌス・ヒルシュフェルト,高山洋吉訳・宮台真司解説『戦争と性』(明月堂書店,2014年)という研究成果が与えられている。本書は,橋下 徹の発言のごとき「無知の見解(放言)」を直下にいさめる内容である。
    首都大学東京の宮台真司が解説を付けてあらためて公刊した,このマグヌス・ヒルシュフェルト,高山洋吉訳『戦争と性』(明月堂,2014年6月)は,以前に,世界性学全集第1巻『戦争と性』(河出書房社,1956年)として公刊されていた。
戦争と性表紙
 その内容は「戦争と軍隊,性と女性の社会史」を本質論的に考察している。従軍慰安婦の問題,それも日本帝国と慰安婦の問題だけでなく,世界史における軍事問題との関連で性・女性との関連を考察している。

  従軍慰安婦問題が旧日本軍においては「強制性がなかった」から〔と根拠もなく決めつけておき〕,この問題が歴史上においてなかったかのように,あるいはとくに重大性のない問題であったかのように論じる者は,その視野の狭さだけでなく,自分たちの「歴史への無知」を恥じるべきである。
 要するに,従軍慰安婦の問題に関する橋下 徹の姿勢は,当初よりともかく〈強制〉の問題などありうるはずがないとする「決めつけ」が大前提であった。しかも,この絶対的な価値観が陶酔感を伴って橋下側の精神世界には控えている。この手合いの人びととは,いくらまじめに話合いをする努力を重ねてみても,つねに報われない道理がある。
 
 すでに,従軍慰安婦問題に関しては,その実在=強制性を歴史に証明する資料が多く発掘されている。これにもとづいて解明をおこなった専門的な研究書も多く与えられている。橋下 徹がこちらの文献に目を通して発言しているのか,筆者には確認しえない。

 推測ではものをいえない。けれども,それらの文献・資料をまともに一読し,虚心坦懐に吟味する機会をもてるのであれば,従軍慰安婦問題に強制性がなかったなどと,およそ「検討違いにすらならないような闇雲な発想」が,突如,出てくるはずもない。

 ②「【悲報】安倍晋三の Facebook が慰安婦問題の件で大炎上wwww(画像あり)」(『GOSSIP 速報』2015年12月30日 20:15)

 2015/12/30(水) 12:40:43.73
  「完全に裏切られた,騙された気分です」
  「詐欺師売国アベ! 日本から出ていけ!」
  「国賊,安倍晋三はいますぐ死ね」
  「クソ韓国のいいなりになりやがって...安倍晋三総理...あなたは,アホですか?」
  「腐れ売国奴 山口県に足を踏み入れるな 最低なゴミ」
  「今日の件で支持をやめました。アベ政治を許さない」......。

 〔2015年12月〕28日,韓国との慰安婦問題をめぐる協議で合意に達したことが発表されるや,安倍首相の Facebook のコメント欄や twitter はこんな激しい “安倍ディス” であふれた。 おそらく安倍首相はいままで,自分の支持者であるネトウヨからこれほどの攻撃を受けたことはなかった。

 つぎの画像資料は『朝日新聞』2015年12月29日朝刊1面である( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
『朝日新聞』2015年12月29日朝刊1面慰安婦問題日韓合意
 しかし,今回の合意ははたして,本当にネトウヨが盛んに興奮し,いきなり発狂的に反発するほどにいかがわしい「安倍晋三」的な事態とみるべきなのか。 たしかに,岸田文雄外相は韓国の尹 炳世外相との共同記者会見で慰安婦問題について,「軍の関与の下に女性の名誉と尊厳を傷つけた」とし,「日本の責任を痛感」と表明した。

 安倍首相も朴槿恵大統領との電話会談で「こころからお詫びと反省の気持ちを表明」するとした。さらに韓国政府が設立する元慰安婦支援の財団に日本政府が10億円拠出することも決めた。その内容は一見すると,河野談話や村山談話の延長線上にあり,安倍首相のこれまでの言動からすると,意外に映る。 
 註記1)http://gossip1.net/archives/1048729682.html 参照。
 註記2)http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1229/ltr_151229_9852926533.htm 参照。

 前記「註記2)」の元記事は,「慰安婦日韓合意でネトウヨが『安倍,死ね』」の大合唱!  でも安倍の謝罪は二枚舌,歴史修正主義はさらに進行する」(『LITERA』2015年12月29日(火)10時0分)であるが,こちらの記事のなかには,本ブログの ① に関連する興味深い論及もなされている。

 その記事から安倍晋三批判に相当する段落を引用しておく。もちろん「註記1)」のような〈ネトウヨ性:狂信の反発〉を念頭に置いての議論である。

 a) 2006年9月26日,第1次安倍政権が発足すると,「狭義の強制性はなかった」「強制性を証明する証言や裏付づるものはなかった」などと主張して,河野談話見直しを宣言。米国政府や議会から激しい反発を受け,訪米時にブッシュ大統領やペロシ下院議長らに元慰安婦への「同情とおわび」を表明せざるをえない事態となった。

 だが,自民党が下野したのち,安倍は再び河野談話の見直しを主張しはじめ,2012年9月に党総裁選への出馬を表明したさいには「新たな談話を出す必要がある。子や孫の代に不名誉を背負わせるわけにはいかない」と宣言している。

 〔同年12月26日発足した〕第2次安倍政権になってからも,安倍自身は河野談話を引き継ぐとしてきたものの,裏では自民党を使って慰安婦の存在そのものを否定するような動きを強めてきた。

 それが,今回,軍の関与,政府の責任を認め,心からのお詫びを表明したのだ。右派の目には裏切りだと映るだろうし,リベラルからみると,大きな前進をしたように思えるのは当然である。

 だが,これは別に,安倍首相が改心したわけではなく,単にアメリカの圧力に屈したというだけに過ぎない。米政府はこの間,一貫して日本政府に慰安婦問題で謝罪をすることを要求してきた。

 それは,昨〔2014〕年5月,ケリー国務長官が慰安婦を「とんでもない人権侵害だ」と非難し,オバマ大統領が今〔2015〕年10月16日に朴大統領との首脳会談後の会見で「歴史的問題の決着」を強く求めたというだけではない。
 
 さらにそれ以前から,国務省のダニエル・ラッセル東アジア・太平洋担当国務次官補やクリテンブリンク国家安全保障会議アジア上級部長,その他国務省幹部から,谷内正太郎国家安全保障局長,兼原信克内閣官房副長官補にかなり強硬な圧力がかけられていた。 --中略--

 b) まさに米国への従属ぶりをあらためてみせつけたかたちだが,しかし,安倍首相自身が「苦渋の決断」で合意したのかというと,そうでもないらしい。

 「安倍内閣は,この間,戦後70年談話,日中首脳会談など,少しリベラルにみえるような政策や発言を打ち出すと,支持率をもちなおすという傾向にある。安倍首相はこれにすっかり味をしめているようですね。日韓合意についてもかなり積極的だった」(政治評論家)。

 実際,冒頭のようなネトウヨの反発はあっても,内閣支持率はアップすると思われる。また,今回の合意内容を注意深くみると,安倍首相が「勝利」といいはれるような内容も含まれている。

 河野談話にあった強制性を認める文言はなくなり,「最終的かつ不可逆的に解決された」という,  “慰安婦をめぐる韓国からの要求を今後いっさい受けつけない”  ことを示す文言も盛りこまれた。慰安婦像の撤去についても韓国政府が関係団体と協議するとしている。
 補注)このへんに関する議論は前段でもおこなっていた。「最終的かつ不可逆的に解決された」といいつつも,安倍晋三は「反省とお詫び」の意を表明していた。強制性がなかったといいはっている当人の,いったいなんのためのお詫びなのかという基本的な疑問が,ここでは提示されてよい。

 「不可逆的な解決」も口に出して表明した安倍であった。これでは,自分の本来の立場:見解であった「慰安婦の存在そのものを否定すること」が,今後あっては口に出せない条件となってしまった。そういうふうに足かせは嵌められた「極右日本の政治家」になり下がった。


 従軍慰安婦問題に対する姿勢において,その「否定」と「肯定」の違いはなにかと問われても,これにとくべつの説明は要らない。強制のことばを直接出さなくても,従軍慰安婦問題の歴史的実在を肯定して謝罪してしまった。これがいまの安倍晋三の政治的な立場である。従来,彼自身がかかげてきた「固有の立場」や「執着の思想」が,国際政治交渉ののち公式的には「捨てさせられた」のである。

 〔記事本文の引用に戻る→〕 そういう意味では,逆に,韓国がよくこの合意内容を呑んだな,というのが率直な印象である。そもそも,慰安婦の法的補償要求や慰安婦像建立は民間の取組である,そ『日本経済新聞』2015年12月29日朝刊3面画像1れを韓国政府が “規制” するというのか。これでは,韓国は金で解決したといわれてもしようがない。
 出所)左側画像資料は『日本経済新聞』2015年12月29日朝刊3面より。

 「韓国もまた,米国から強烈な圧力を受けていたということです。とくに韓国は今,経済危機が起きているので,これ以上,日米両国と関係が悪化すると,経済がもたなくなる。その弱みにつけこんだということでしょう」(ソウル特派員)

 c) しかも,重要なのは,国内での今後の動きだ。安倍首相は,今後も歴史修正主義的な動きを変える気はまったくない。実際,これまでもそうだった。

 河野談話を継承するといいながら,一方では,教科書から慰安婦の記述を削除させ,自民党の安倍チルドレンたちに,軍の関与や強制性どころか,慰安婦の存在そのものを否定するような主張を発信させてきた。

 「この路線はまったく変わらないでしょうね。もちろん教科書慰安婦の記述を復活させるつもりはないでしょうし,自民党の国際情報検討委員会などを通じて,どんどん慰安婦の否定を発信させるでしょう。それどころか,韓国で慰安婦像の撤去が進まないことを理由に,『韓国は嘘つき』とさらに主張をエスカレートさせいく可能性もあります。そういう意味じゃ,10億円の拠出以外,これまでとなんの変わりもないということです」(前出・政治評論家)。

 d) 安倍首相としては,米国のご機嫌とりと支持率浮揚のために10億円支払ってやったというくらいの認識しかないのかもしれない。まさに典型的な二枚舌,安倍首相ならではの詐欺的手法ではないか。

 そうでないというなら,かつて「韓国はキーセンの国なんだから強制なんてあるわけがない」といっていた自分がなぜ,「こころからお詫びと反省」をするにいたったのか,国民の前できちんと説明すべきである。(野尻民夫)
 註記)http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1229/ltr_151229_9852926533.html 参照。

 結局,安倍晋三が狙っているのは,今後における内政面の効用である。2016年7月に予定されている参議院選挙が念頭にある。すでに新聞紙上には関連する報道も出ているが,ここではとくにとりあげない。要は,そのさきにおいて安倍がなにをめざしているかといえば,改憲なのであり,「民主的な帽子」だけをかぶった「独裁国家の構築」である。

 ここで,以上の話題から今日の話題の中心であるつぎの ③ に移ることにしたい。本日の議論本筋で考えたい論点である。

 ③「スマホなどからのネット投稿,4人に1人が “悪意のある投稿” した経験,10代では4割超」(『INTERNET Watch』「ニュース」2015/12/25 16:05)

 ② の冒頭でふれていたような,安倍晋三のフェイスブックに今回登場した罵詈雑言の繁盛ぶりは,なにも安倍に対してだけ起きている現象ではない。サイバー空間では日常茶飯事の一例である。この ③ においては,以下の文章の紹介から入る。

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は〔2015年12月〕24日,2015年度の「情報セキュリティの倫理に対する意識調査」の結果を公開した。13歳以上のPCからのインターネット利用者5000人と,同じくスマートデバイス(スマートフォンまたはタブレット端末)からのインターネット利用者5000人を対象に,今〔2015〕年9月にウェブアンケート方式で調査した。

 PCからの利用者でインターネット上への投稿経験がある人のうち, “悪意のある投稿” をした経験がある人は24.7%。前年調査から 2.5ポイント増加した。年代別では,10代で32.6%,20代で34.6%と3割を超えている。内容は,

    「他人や企業の悪口」( 8.8%),
    「他人の発言を非難する内容」( 7.9%),
    「下品な言葉を含む内容」( 7.1%),
    「さげすんだり,けなしたりする内容」( 6.4%)

などが上位。年代別で見ると,

    「下品な言葉を含む内容」が10代(13.4%)・20代(12.5%)で,
    「さげすんだり,けなしたりする内容」が10代(12.1%)で多い。

 悪意のある投稿をした理由は,

    「人の意見に反論したかったから」(32.0%)がもっとも多く,
    「人の投稿やコメントをみて不快になったから」(24.9%),
    「人の意見を非難・批判するために」(24.1%)と続く。

 また,「いらいらしたから」(18.4%)は前年より5.3ポイント増,「相手に仕返しするため」(10.5%)は同 5.4ポイント増加している。

 年代別では,「いらいらしたから」の割合が10代(34.2%),20代(23.4%)で,高くなっており,とくに10代においてはトップの理由になっている。

 スマートデバイスからの利用者では,インターネット上への投稿経験がある人のうち,悪意のある投稿をした経験のある人は26.9%で,前年調査と変わらず。こちらも若年層で割合が高く,20代で32.9%と3割超,10代では41.7%と4割を超えている。内容は,

    「下品な言葉を含む内容」( 8.2%),
    「他人や企業の悪口」( 8.0%),
    「不確かなことや,噂が含まれる内容」( 6.1%)

などが上位。なお,今回の調査から選択肢に追加した「雑誌・書籍のページやTV画面を撮影・キャプチャした画像」は 4.8%だった。

 悪意のある投稿をした理由は,

    「人の意見に反論したかったから」(24.5%)がもっとも多く,
    「いらいらしたから」(23.1%),
    「人の投稿やコメントをみて不快になったから」(22.5%)が続いた。

 このうち「人の意見に反論したかったから」は前年と比較して 7.8ポイント,「人の投稿やコメントをみて不快になったから」も 5.1ポイント減少しているが,「いらいらしたから」は 3.8ポイント増加している。また,「いらいらしたから」は,10代(29.8%)・20代(30.3%)でそれぞれトップの理由だった。

 友人などの個人情報やプライベートな情報を本人の許可をえずにインターネット上で公開した経験のある人の割合は,PCからの利用者で 9.0%,スマートデバイスからの利用者で14.8%。

 その内容は「行った場所や食事などの行動に関する情報」がもっとも多く,PCからの利用者で 3.6%,スマートデバイスからの利用者で 6.8%。このほか,スマートデバイスからの利用者では「本人とわかる画像や動画」も 6.5%と比較的多い。

 今回の調査では,Twitter,Facebook,LINE,mixiなどのSNSで,アカウントをリセット・削除した経験の有無についても尋ねている。各サービス利用者の1~2割程度が経験しており,理由としては「ID(アカウント)のパスワードやIDじたいを忘れてサービスを利用できなくなったため」が最多(PCからの利用者で25.3%,スマートデバイスからの利用者で35.6%)だったが,

 少数ではあるものの「悪質なユーザーに粘着(ネットストーキング)されたため」(PCからの利用者で 8.2%,スマートデバイスからの利用者で 8.0%),「ID(アカウント)をハッキングされてサービスを利用できなくなったため」(PCからの利用者で 6.3%,スマートデバイスからの利用者で 5.7%)という回答もあった。
 註記)http://www.newsjs.com/url.php?p=http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20151225_737097.html

 以上と同じ情報源からこの内容を部分的に選択し,紹介した『日本経済新聞』の記事が,2015年12月24日夕刊にもでていた。こちらは画像で紹介しておく。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
日本経済新聞2015年12月24日夕刊
 今日の話題は安倍晋三による従軍慰安婦問題に対する政治姿勢をとりあげつつ,このネット空間における「炎上的な現象」にもあった。

 ④ 本ブログに送られてきた意味不詳の「悪意あるコメントの投稿」を少考

 先日(2015-12-19 00:10:54),本ブログにおけるある記述あてに,つぎのごときコメントが送信されていた。しばらく放置しておいたが,これを適切に分析するための比較材料がみつかったので,本日最後の項目としてとりあげ,批難しておくことにした。 

 そのコメント主は「t65olt」と名のる者であったが,この者から意味不詳のコメント:「韓国に帰れ」を送ってもらった。当然のこと,答える必要などのない,それに「まともな常識とは縁のない無礼者」による,それもきわめて「愚かなことばの暴力的な送信」だと感じた。

 ということであるから,そのまま無視しておけば,それまでのことであった(「◇ ☆ ? ▼ など放っておけ!」ということであった)。はじめは「このコメント」は削除しようとしていたが,つぎのような事情があり,以下のように「こちら側からの反コメント」を対置しておくのもいいと考えてみた。

 a)   ほかのブログ記事を書く関係で,書庫(倉庫)にしまってあった『文藝春秋』2015年5月号をとりだし,これに掲載されていた〈対談記事〉「安倍首相を,正々堂々と憲法九条を改正せよ-『立憲主義』を知らない,『道徳』と『法』の区別もつかない。そんな議員に国憲を定める資格があるのか-」を,あらためて読む機会があった。
桝添要一画像
出所)http://irorio.jp/oneissue/20140210/111578/

 それに登場した対談者は,桝添要一(東京都知事)・小林 節(慶應義塾大学名誉教授・三浦瑠麗(国際政治学者)の3名。その記事のなかで東京都知事桝添要一が,こう発言していた(105頁上段)。なお,途中に挿入した〔 ⇒ 〕内の文章は引用者の記述である。

 b)  私も政治家ですから,選挙活動中はその手の誹謗中傷が多かったですよ。都知事になってからも,新大久保のヘイトスピーチを「ナチと同じだ」と批判したら,「おまえは韓国人かと」いわれる〔⇒ということは,韓国人自身の立場からは,そう批判(反論)してもかまわない・いいよ,ウェルカム,という理屈か? ⇒これにはただ単純に笑える〕
 
 c)  韓国を訪問してパク・クネ大統領と会談したときも,ネット右翼から「売国奴外交だ」と攻撃がひどかった〔⇒それでは,国際外交じたいがおこないえないことになるが,おもしろくもなんともない,つまり,論理的な『(攻撃)力』をまったく感じさせえない紋切型の,単なる暴言によった攻撃(それはまるで幼児の発するごとき喃語だが)を繰りだしている。⇒これではあえて,嗤うまえに軽蔑されるほかあるまい。なぜかといえば,思考回路をまったく欠如させた者にしか吐けない特有のド屁理屈でしかないから……〕

 d)  最近では,オリンピックに備えて多言語対応するため,案内板を英語や中国語,ハングルで表記していることに都庁前で抗議デモが起きている〔⇒こんなことやっていたら,全国あちらこちらの鉄道会社施設内に案内用に書かれている英語・中国語・韓国語などは『書いてはいけない,いますぐ消せ』」ことになりそうである。これではほとんど「井の中の蛙」である自分たちのための存在証明を,進んで果たしたも同然。⇒これも笑えるが,その世界に住んでいるカエルが相手では,これ以上真剣に応える余地はない〕

 e)  なんとなく,「良き伝統」を主張する人たちと通じるものを感じるのです〔⇒「良き伝統」を所持するらしい人たちであれば,わけても日本で生まれ・育ち・暮らしている〈この日本国の国民・市民・住民たち〉じたいに対して「韓国に帰れ」はない〕。

 f)  桝添の発言を以上のように聞いてからさらに思うのは,そういうアナタ(「t65olt」)は「アメリカに帰れ……」と進言しておかねばならない。それとも「ロシアに帰れ……」のほうがいいか? それとも,もっとほかの「どこか国」をお望みか? 「月」のほうは,いかかが? このさい,その国名(場所)の違いにたいした意味はないはずと思うが,それとも韓国〔など〕にこだわりたい特別の理由・事情でもあるのか?

 この国のなかには,どのような論題であってもこの議論にさいし,なんでもいいから自分に「賛成すると親日」であり,ともかく「反対すると反日」になるのだとする,想像を絶した「二項対立的な単細胞の思考方式」が横行している。

 いいかえれば,度しがたい幼児みたいな〈生来の感覚〉による判断方法がまかりとおり,「これか・あれかのどちらかに決める」こと以外は「あってはいけない」雰囲気が充満している。民度もここまで落ちると,それこそ「語るに落ちる」一方の話題に逢着する。

 本日のこの記述は,とりあげなくてもいい話題を,わざわざとりあげているわけである。本ブログに向けても,たびたび寄せられる暴言・妄言のような,ほとんど病的な現象である諸コメントは,これからも基本的には即刻削除し,「ゴミ箱」に捨て去ることになる。

 まさしく異常な精神状態,異様な社会意識,奇妙な政治風土である反民主主義の雰囲気が横溢している。これは「馬鹿の壁」とみるにはあまりにも深刻な,日本政治社会における痴的な病状である。もっとも,この症状は昨今のネット社会における特注製の現象といえるかもしれない。
 安倍晋三画像21ヒトラーもどき安倍晋三この道はいつか来た道画像
   安倍晋三画像ヒトラー似せて ヒトラー的麻生太郎画像
    安倍晋三美しい国イメージ画像安倍晋三黙っていうことを聞け画像
 低劣・愚昧な思考方式の存在をそのように「大幅に許している精神風土」であればあるほど,独裁者の登壇を迎えやすい素地をもつ政治社会の整備進展度合も意味する。もうすでに,実際のところ,そうした政治社会にふさわしい人物が政治家としてデビューし,首相にまでなっている。この「美しい国」(その実体は〈美国:アメリカ〉の属国状態)であるはずのこの「日本」を壊しつつある。
 註記)「美国」とは中国語・韓国語・ベトナム語で,アメリカ合衆国の表記。
 補記)参考文献。発行所・発行年は上段左から,筑摩書房,2005年,講談社,2006年,朝日新聞社版,2006年。下段は,光文社,2010年,中央公論新社,2005年。
  岡田・速水表紙小倉おれちん表紙
     片田・諏訪表紙