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サウジアラビア イランとの貿易停止の方針1月5日 6時17分
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イスラム教スンニ派のサウジアラビアは、シーア派のイランとの外交関係を断絶したことに続き、貿易を止める方針を明らかにし、中東情勢がさらに不安定化する懸念が高まっています。
サウジアラビアがシーア派の指導者の死刑を執行したことをきっかけに、イランとサウジアラビアの対立が深まるなか、バーレーンもイランとの外交関係の断絶を表明するなど緊張が広がっています。
サウジアラビアのジュベイル外相は4日、「緊張を高めた責任はイランにある」などと述べ、外交関係の断絶に続き、イランとの航空機の行き来や貿易を止める方針を明らかにしました。
一方、イランでは、サウジアラビアに対する抗議デモが3日続けて行われたほか、シーア派の人口が多いイラクの首都バグダッドでも数千人が抗議の声を上げました。さらに、イラクではスンニ派のモスクが襲撃される事件が起き、シーア派の指導者の死刑執行に関係しているとの見方も出ています。
サウジアラビアとイランの対立が宗派対立の激化を招き、中東情勢がさらに不安定化する懸念が高まるなか、アメリカ・ホワイトハウスのアーネスト報道官は4日、「すべての当事者に自制を促している」と述べました。そして、「ケリー国務長官がイランのザリーフ外相と電話会談したほか、まもなくサウジアラビアのジュベイル外相とも話す予定だ」と述べ、ケリー長官みずからが緊張緩和に向けて働きかけを行っていることを明らかにしました。
サウジアラビアのジュベイル外相は4日、「緊張を高めた責任はイランにある」などと述べ、外交関係の断絶に続き、イランとの航空機の行き来や貿易を止める方針を明らかにしました。
一方、イランでは、サウジアラビアに対する抗議デモが3日続けて行われたほか、シーア派の人口が多いイラクの首都バグダッドでも数千人が抗議の声を上げました。さらに、イラクではスンニ派のモスクが襲撃される事件が起き、シーア派の指導者の死刑執行に関係しているとの見方も出ています。
サウジアラビアとイランの対立が宗派対立の激化を招き、中東情勢がさらに不安定化する懸念が高まるなか、アメリカ・ホワイトハウスのアーネスト報道官は4日、「すべての当事者に自制を促している」と述べました。そして、「ケリー国務長官がイランのザリーフ外相と電話会談したほか、まもなくサウジアラビアのジュベイル外相とも話す予定だ」と述べ、ケリー長官みずからが緊張緩和に向けて働きかけを行っていることを明らかにしました。
アラブ連盟が緊急会合開催へ
サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶したことを受けて、アラブ諸国で作るアラブ連盟は10日にエジプトの首都カイロにある本部で外相級の緊急会合を開き、対応を協議することになりました。
会合はサウジアラビアの求めに応じて開かれるもので、ベンヘッリ副事務局長は「会議の目的はテヘランにあるサウジアラビア大使館に対して、イランが行ったことを非難することだ」とする声明を出しました。ただ、アラブ連盟には、イラクやレバノンなど、イランと同じようにシーア派が大きな影響を持つ国もあり、会議で足並みがそろうかどうかは不透明です。
会合はサウジアラビアの求めに応じて開かれるもので、ベンヘッリ副事務局長は「会議の目的はテヘランにあるサウジアラビア大使館に対して、イランが行ったことを非難することだ」とする声明を出しました。ただ、アラブ連盟には、イラクやレバノンなど、イランと同じようにシーア派が大きな影響を持つ国もあり、会議で足並みがそろうかどうかは不透明です。
国連事務総長が事態収拾を呼びかけ
サウジアラビアとイランとの間で緊張が高まっていることを受け、国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長は4日、両国の外相と相次いで電話で会談し、事態の収拾に当たるよう双方に呼びかけました。
このうち、イランのザリーフ外相との電話会談で、パン事務総長はサウジアラビアが国内のイスラム教シーア派の指導者らを処刑したことを批判しながらも、イランで処刑に反発する若者らがサウジアラビア大使館を襲撃したことも非難し、外交使節の保護に当たるよう求めたということです。
また、サウジアラビアのジュベイル外相との電話会談では、イランでサウジアラビアの大使館が襲撃されたことに同情しながらも、イランとの外交関係の断絶は危険だという考えを伝えたということです。
イランとサウジアラビアはシリア内戦やイエメン情勢を巡り鋭く対立していることから、パン事務総長は両国間の緊張が一連の紛争の解決を一層困難にすることを懸念しています。とりわけ今月下旬には国連の仲介のもと、スイスでシリアの和平協議が開かれ、イランとサウジアラビアの参加が鍵を握るともされていることから、シリア問題を担当する国連のデミストラ特使が今週中にイランを訪れ、協力を求める方針です。
このうち、イランのザリーフ外相との電話会談で、パン事務総長はサウジアラビアが国内のイスラム教シーア派の指導者らを処刑したことを批判しながらも、イランで処刑に反発する若者らがサウジアラビア大使館を襲撃したことも非難し、外交使節の保護に当たるよう求めたということです。
また、サウジアラビアのジュベイル外相との電話会談では、イランでサウジアラビアの大使館が襲撃されたことに同情しながらも、イランとの外交関係の断絶は危険だという考えを伝えたということです。
イランとサウジアラビアはシリア内戦やイエメン情勢を巡り鋭く対立していることから、パン事務総長は両国間の緊張が一連の紛争の解決を一層困難にすることを懸念しています。とりわけ今月下旬には国連の仲介のもと、スイスでシリアの和平協議が開かれ、イランとサウジアラビアの参加が鍵を握るともされていることから、シリア問題を担当する国連のデミストラ特使が今週中にイランを訪れ、協力を求める方針です。