写真・図版 1月2日、ロシアの安全保障戦略の基本方針を示す文書で、脅威の1つとして初めて米国が名指しされ、近年悪化しているロシアと西側諸国の関係を反映する形となった。写真はプーチン大統領、モスクワで12月代表撮影(2016年 ロイター/Maxim Shipenkov)

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 [モスクワ 2日 ロイター] - ロシアの安全保障戦略の基本方針を示す文書で、同国に対する脅威の1つとして初めて米国が名指しされ、近年悪化しているロシアと西側諸国の関係を反映する形となった。

 プーチン大統領が31日に署名した「ロシア連邦の安全保障戦略について」と題する文書は、2009年に当時のメドベージェフ大統領が承認した同様の文書に代わるものだが、前回は米国にも北大西洋条約機構(NATO)にも言及していなかった。

 今回の文書では、世界的な課題や国際紛争の解決におけるロシアの役割が拡大しており、これに対して「世界情勢への支配力維持を狙う米国やその同盟国の抵抗」を引き起こしていると指摘された。

 さらにそのことが、ロシアに対する「政治的、経済的、軍事的、および情報面での圧力」につながるとの見方を示した。

 また、NATOの拡大がロシアの安全保障の脅威になるとし、米国はロシアの近隣地域に軍事的な生物学研究所のネットワークを拡大しているとも述べた。

 この文書は米国や欧州連合(EU)が支援するウクライナ国内の勢力が軍事紛争を悪化させたと指摘する一方で、シリア問題については触れていない。