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ことしは米大統領選 候補者選びの焦点は1月2日 17時37分
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アメリカは4年に1度の大統領選挙の年を迎え、民主党と共和党は、11月の本選挙に向けて来月から党の候補者選びを各州で順に始めます。民主党ではクリントン前国務長官が最有力候補とみられる一方、共和党では現在、支持率トップの不動産王トランプ氏が勢いを維持し続けるのか注目されます。
アメリカでは、2期務めたオバマ大統領の後任を決める大統領選挙がことし11月8日に行われ、8年ぶりに民主・共和両党の新人どうしの争いとなります。
これに向けて、民主党と共和党は党の候補者を決めるため、来月1日に中西部アイオワ州で全米に先駆けて党員集会を行い、候補者選びが幕を開けます。
各種世論調査の平均値によりますと、民主党では、候補者3人のうち、クリントン前国務長官が55%でトップ、リベラル層の支持を集めるサンダース上院議員は31%で、クリントン氏が最有力候補とみられています。
一方、混戦が続く共和党では、候補者12人のうち、不動産王のトランプ氏が36%でトップ、保守強硬派で知られるクルーズ上院議員が19%で2位、そして、若手のホープとされるルビオ上院議員が12%で3位となっています。
「イスラム教徒の入国を禁止すべきだ」などと過激な発言で有名なトランプ氏が、このまま勢いを維持し、来月から各州で順に行われる党員集会や予備選挙を勝ち抜くのか、それとも別の候補者がぬきんでるのか注目されます。
初戦となるアイオワ州では、党員集会まであと1か月となり、候補者が今週、相次いで現地入りして、経済格差の是正やテロ対策などを訴えており、選挙戦は本格化しています。
これに向けて、民主党と共和党は党の候補者を決めるため、来月1日に中西部アイオワ州で全米に先駆けて党員集会を行い、候補者選びが幕を開けます。
各種世論調査の平均値によりますと、民主党では、候補者3人のうち、クリントン前国務長官が55%でトップ、リベラル層の支持を集めるサンダース上院議員は31%で、クリントン氏が最有力候補とみられています。
一方、混戦が続く共和党では、候補者12人のうち、不動産王のトランプ氏が36%でトップ、保守強硬派で知られるクルーズ上院議員が19%で2位、そして、若手のホープとされるルビオ上院議員が12%で3位となっています。
「イスラム教徒の入国を禁止すべきだ」などと過激な発言で有名なトランプ氏が、このまま勢いを維持し、来月から各州で順に行われる党員集会や予備選挙を勝ち抜くのか、それとも別の候補者がぬきんでるのか注目されます。
初戦となるアイオワ州では、党員集会まであと1か月となり、候補者が今週、相次いで現地入りして、経済格差の是正やテロ対策などを訴えており、選挙戦は本格化しています。
専門家はどう見る
大統領選挙に詳しい、首都ワシントンにあるアメリカン大学のキャンディス・ネルソン教授は、混戦模様の野党・共和党の候補者選びについて、「現時点では、不動産王のトランプ氏、クルーズ上院議員、それにルビオ上院議員が有力に見える。しかし、予測することはとても難しい」と述べ、来月から各州で順に行われる党員集会と予備選挙の序盤戦の結果に大きく左右されるという見方を示しました。
また、トランプ氏が支持率で首位を維持している背景については、大統領と議会の鋭い対立で政治が機能不全に陥っていることへの国民の不満を指摘するとともに、「アメリカ政治の負の側面を反映している。トランプ氏は、移民がいるからアメリカ人の仕事がとられているなどと、社会の中でうまくいっていないと感じている人たちの心に訴えようとしている。国民の不安につけ込み、テロがさらにそれを後押しする結果となっている」と述べました。
そして、トランプ氏が共和党の正式候補に指名される可能性について、ネルソン教授は「可能性が極めて高いとは言えない。しかし、正直言って分からない」と述べるとともに、政治経験のないトランプ氏にとっては、演説で主張した政策をどう実現するのか、具体的に提示できるかどうかが今後の課題になると指摘しました。
一方、与党・民主党については、幅広い層からの支持を集めるクリントン前国務長官が早い段階で党の正式候補になる可能性が高いとしたうえで、懸念材料としては、国務長官在任中に私用のメールアドレスを公務に使っていた問題で国民の不信感が完全に拭えていないことなどを挙げました。
また、トランプ氏が支持率で首位を維持している背景については、大統領と議会の鋭い対立で政治が機能不全に陥っていることへの国民の不満を指摘するとともに、「アメリカ政治の負の側面を反映している。トランプ氏は、移民がいるからアメリカ人の仕事がとられているなどと、社会の中でうまくいっていないと感じている人たちの心に訴えようとしている。国民の不安につけ込み、テロがさらにそれを後押しする結果となっている」と述べました。
そして、トランプ氏が共和党の正式候補に指名される可能性について、ネルソン教授は「可能性が極めて高いとは言えない。しかし、正直言って分からない」と述べるとともに、政治経験のないトランプ氏にとっては、演説で主張した政策をどう実現するのか、具体的に提示できるかどうかが今後の課題になると指摘しました。
一方、与党・民主党については、幅広い層からの支持を集めるクリントン前国務長官が早い段階で党の正式候補になる可能性が高いとしたうえで、懸念材料としては、国務長官在任中に私用のメールアドレスを公務に使っていた問題で国民の不信感が完全に拭えていないことなどを挙げました。
「予備選挙」と「党員集会」
民主党・共和党の大統領候補は、両党が7月にそれぞれ開催する全国党大会で、党員の代理人となる「代議員」の投票で正式に選出されます。
この代議員を選ぶのが、来月から6月に全米50州などで行われる「党員集会」と「予備選挙」です。代議員は特定の候補に投票すると事前に表明しており、党員が代議員の選出を通して党の大統領候補を選ぶ仕組みです。
党員集会と予備選挙は、党や州によってルールが異なりますが、一般的には予備選挙は通常の選挙に近く、有権者が投票所に赴いて無記名で代議員に投票します。これに対して党員集会は、有権者が州の各地区に集まって議論しながら公開の場で代議員を選出します。
最近では予備選挙の方式を採用する州が増えていて、今回は全体のおよそ8割の州で予備選挙が行われる予定です。
この代議員を選ぶのが、来月から6月に全米50州などで行われる「党員集会」と「予備選挙」です。代議員は特定の候補に投票すると事前に表明しており、党員が代議員の選出を通して党の大統領候補を選ぶ仕組みです。
党員集会と予備選挙は、党や州によってルールが異なりますが、一般的には予備選挙は通常の選挙に近く、有権者が投票所に赴いて無記名で代議員に投票します。これに対して党員集会は、有権者が州の各地区に集まって議論しながら公開の場で代議員を選出します。
最近では予備選挙の方式を採用する州が増えていて、今回は全体のおよそ8割の州で予備選挙が行われる予定です。
本選挙までの流れ
アメリカの大統領選挙では、二大政党の民主党と共和党が全米の50の州や自治領などで党員集会や予備選挙を開いて、それぞれの党を代表する大統領候補を選びます。
党の候補者選びは、初戦が2月1日に中西部アイオワ州で開かれる党員集会で、続いて2月9日に東部ニューハンプシャー州で予備選挙が行われます。
候補者選びのヤマ場として注目されるのが、3月1日の火曜日です。最も多くの州で党員集会や予備選挙が開かれる日、いわゆるスーパーチューズデーで、候補者が絞られる見通しです。
党員集会や予備選挙は6月まで続き、勝ち抜いた候補者が7月に開かれる全国党大会で党の大統領候補に指名され、11月の本選挙に臨むことになります。
党の候補者選びは、初戦が2月1日に中西部アイオワ州で開かれる党員集会で、続いて2月9日に東部ニューハンプシャー州で予備選挙が行われます。
候補者選びのヤマ場として注目されるのが、3月1日の火曜日です。最も多くの州で党員集会や予備選挙が開かれる日、いわゆるスーパーチューズデーで、候補者が絞られる見通しです。
党員集会や予備選挙は6月まで続き、勝ち抜いた候補者が7月に開かれる全国党大会で党の大統領候補に指名され、11月の本選挙に臨むことになります。
2州の結果 その後の流れを大きく左右
全米で最初に行われるアイオワ州の党員集会とニューハンプシャー州の予備選挙の結果は、党の候補者選びのその後の流れを大きく左右します。
実際、民主・共和ともに、この2州のどちらかで1位か2位に入らなかった候補者が指名を獲得できた例はなく、極めて重要な戦いと位置づけられています。上位につけないと、支持者が別の候補者の陣営に移ったり、資金が集まらなくなったりして、選挙戦からの撤退を余儀なくされるとみられています。このため、2つの州を制すれば選挙戦を制すと言われる一方、2つの州を共に勝ち抜くことは容易ではありません。
特に共和党では、1980年以降、保守的な有権者が多いアイオワ州の勝者と、無党派層が多いニューハンプシャー州の勝者は毎回異なっていて、前回の2012年と前々回の2008年は、共にニューハンプシャー州の勝者が指名を獲得しています。
一方、民主党では、2008年の際にはアイオワ州でオバマ氏が、ニューハンプシャー州でヒラリー・クリントン氏がそれぞれ勝利し、最終盤まで激しく争いましたが、2004年と2000年の選挙では、2つの州を共に勝ち抜いた候補者が早期に指名獲得を確実にしました。
実際、民主・共和ともに、この2州のどちらかで1位か2位に入らなかった候補者が指名を獲得できた例はなく、極めて重要な戦いと位置づけられています。上位につけないと、支持者が別の候補者の陣営に移ったり、資金が集まらなくなったりして、選挙戦からの撤退を余儀なくされるとみられています。このため、2つの州を制すれば選挙戦を制すと言われる一方、2つの州を共に勝ち抜くことは容易ではありません。
特に共和党では、1980年以降、保守的な有権者が多いアイオワ州の勝者と、無党派層が多いニューハンプシャー州の勝者は毎回異なっていて、前回の2012年と前々回の2008年は、共にニューハンプシャー州の勝者が指名を獲得しています。
一方、民主党では、2008年の際にはアイオワ州でオバマ氏が、ニューハンプシャー州でヒラリー・クリントン氏がそれぞれ勝利し、最終盤まで激しく争いましたが、2004年と2000年の選挙では、2つの州を共に勝ち抜いた候補者が早期に指名獲得を確実にしました。