いまや世界一の長寿国となった日本
しかし、この世に生を受けた誰しもが決して避けられない、人生最後のイベントがあります。
それが、葬儀「お葬式」です。
今回は、ここにスポットライトを当てます。
なんだか、暗い気持ちになったりして、なかなか触れられない市場が葬儀市場ですね。
しかし、これからの成長市場として展開がありそうですし、またFacebookのお友達、一般社団法人日本葬祭コーディネーター協会代表理事の安倍由美子さんの、最近のご活躍を目のあたりにして、この市場はどうなっているのか、少しだけ深堀りしてみます。
目 次
葬儀市場の市場規模と市場の動向
まず、最初に市場状況を把握するために市場規模を簡単に見ておきましょう。
その前に、死亡者数の予測がないとこれから先の予測が立ちません。
つまり、市場規模の前提になる数字が見えませんので、その辺りから・・・・
死亡人口の推計を調査してみる
死亡人口の調査をしている機関は、国立社会保障・人口問題研究所があります。1939年に厚生省人口問題研究所として設立されている機関で、1996年に国立社会保障・人口問題研究所となっています。
この国立社会保障・人口問題研究所の2012年に2060年までの死亡人口を推計した資料によると、死亡人口のピークは、2038~40年あたりになると予測されています。
この死亡人口予測をグラフしたのがこちら
(image source:経済産業省実態・調査結果編2011年)
このことから、今から2040年までは需要が増加するということが数値として分かりますね。
この予測では、2040年ごろの死亡人口は166万人となっています。
数値として予測していないと、あなたの事業が本当にどのくらいの事業規模になるのかを見誤ります。
人口分布の移り変わりが、国立社会保障・人口問題研究所のこの図でよく分かりますね。
(image source:国立社会保障・人口問題研究所)
さて、死亡する人の葬儀を行う割合ってどのくらいあると思いますか?
これがいくら探しても見つかりません(T_T)
まぁ、普通に考えると全く身寄りのない人とか、いろいろと葬儀をしない環境が想像できます。これを加味して、95%の死亡者に対して葬儀が行われるという前提で市場規模の推計をしていきましょう。
なので、2040年の166万人は、158万人と読み替えます。
したがって、2015年130万は123万人となり、年間葬儀回数は123万回という見方ができます。
年間123万回は、月平均で10万2500回、1日あたり約3400回の葬儀が行われている計算です。
これが2040年には、年間158万回、月平均13万1千回、1日あたりの単純計算で4380回という数字になります。2015年に比べて1日980回も葬儀が増えるんです!
この数字ってすごくないですか?
葬儀市場の市場規模の実態
葬儀をするにも本当にさまざまなやり方があり、費用もピンキリという状況で市場をどの様に見るかがポイントになりそうです。
直葬という、通夜、告別式を行わずに火葬のみで葬儀を行うスタイルというのも最近は多いらしいし・・・
ここでは、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査を元に調べてみました。
2013年の実態で、冠婚葬祭業で全国事業所数 1万109事業所、従業者数 16 万 8303 人、年間売上高 2 兆 7959 億円となっています。
葬祭の部分だけを見てみましょう、次の表から読み取れます。
(image source:特定サービス産業動態統計調査)
葬儀業務の年間売上高は、2兆1584億円という市場規模が読み取れます。
この葬儀市場って、スゴく大きな市場ですね。
しかも需要はこれから上向き傾向、参入するにはとても良い環境が整っています。
だからでしょうか、PRESIDENT Onlineの2013年11月18日(月)の記事に、「葬儀:施行件数は今後30年間増加、異業種からの参入も相次ぐ」というタイトルで特集が組まれています。
ここで、抑えておきたいのは事業者数2兆円規模の市場にどれだけの事業者が参入しているのか? これをしっかりと把握しておくことで、あなたの事業がどのくらいの規模になるのかを予測できます。
その実態は、さすがにプレジデント社の情報収集力の凄さで、こんな実態が浮き上がってきています。そして、この葬儀業界の主要なプレイヤーも分かり、市場実態を把握する上でとても興味が注がれる資料です。
(image source:葬儀:施行件数は今後30年間増加、異業種からの参入も相次ぐ)
こんなに細かい市場の実態がわかると、参入している事業者が次にどういう手を打てばよいかが、同業他社を横目に見ながら見えてくるというものです。
全国で約6000社の葬儀事業者があるということは、2兆円市場ですから1事業者あたりの売上高は3億3千万円ほどとなります。
もし、あなたの葬祭事業が1億円だったら、やりようによっては2倍3倍になる可能性が秘められているという解釈もできますよ!
もう少し葬儀市場を見ていきます。
葬儀市場の中身を見る
葬儀市場は、ざっくり2兆円規模というのが分かりました。そして、そこに参入している事業者数は6000社程度です。
そこで、この2兆円の市場規模の内訳を見いいきましょう。
これも、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査結果から出てきます。
(image source:特定サービス産業動態統計調査)
これを見ると、中身の実態がわかりますね。
いわゆる香典返しと呼ばれている返礼品だけを見ても1,323億円の市場があるのです。
物販をしているあなたの会社で、返礼品のラインアップを拡充しませんか?
おいしそうですよ^^
葬儀事業者が行っている、式典進行・設営・葬具というが、ほぼ1兆円市場というのも、びっくりしました。
葬儀市場は、普段あまりメディアでは触れられないのでよく知りませんでしたけど、これはスゴイ市場です。
しかも、今後市場規模が確実に伸びることも明確です。
葬儀の価格については、別にしてもこれから参入しても魅力がありますね。
葬儀市場のプレイヤー(競合)
この業界で売上一位の燦(さん)ホールディンググループの売上実態を見てみると、2014年度決算短信で、180億円の売上です。約10%の市場占有率です。
セレモアは決算書がネット上に開示されていないですね。こういう会社はイマイチ信頼性を欠きます。
ティア:ここは株式上場しているので、実態が分かります。2014年度の売上で95億円です。市場占有率で見ると5%程度です。
エポック・ジャパンが、2014年度で42億円の売上を計上して、占有率では2%程度という状況です。
この実態から見えてくるのは、葬儀市場で群を抜く事業者はいないということが分かります。
この市場構造が、プレジデント社の記事にもあった「阪急、京急、イオンも参入」という新規参入が増加している実態を的確に表現していますね。
葬儀業界の市場規模と実態のまとめ
葬儀市場という、普段あまり触れられない市場について、市場規模と実態、市場動向をサラッとお伝えしました。
葬儀市場の市場規模:約2兆円
今後の予測:2040年まで、死亡人口が増加傾向なので、市場規模は拡大する
市場の実態:専門事業者にしても市場占有率10%程度で、更に市場の伸びを期待して新規参入もある。ますます競合が増える状況になると予想される。また、各事業者の業態も小規模が多く統合淘汰されると予測される。
葬祭市場は、ざっくりこんな市場であることが今回の市場調査で見えてきました。
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