初詣の神社で引くおみくじが様変わりしている。大吉の上に「大(だい)大吉」があったり、凶をなくしたり、運勢を試す人の幸福感を高めている。「不安多き世相ゆえ」とみる向きもある。
【写真】城南宮の「大大吉」のおみくじ
方角の災いを防ぐ「方除(ほうよ)け」の神として信仰を集める京都市伏見区の城南宮(じょうなんぐう)。2014年の正月から、おみくじに大大吉が登場した。方位の運勢は「八方障(さわ)り無し」、願い事は「前途開け大願成就すべし」。引き当てて驚く人も多い。
「大が一つ多ければ、喜びもひとしお」と鳥羽重弘宮司は考えた。逆に凶は、正月から参拝者の気分を悪くさせたくないとやめた。吉と凶が交錯する「吉凶交交(こもごも)」「吉凶未分(いまだわかれず)」はあるが、「心持ち次第で変えられます」。
伏見稲荷大社(伏見区)には大大吉のほか「向(むこう)大吉」「凶後(のち)大吉」など十数種ある。平安時代から福の神で知られ、ずっと凶がない。大大吉は金運の御金(みかね)神社(京都市中京区)、大阪府吹田市の泉殿宮(いづどのぐう)、神戸市兵庫区の松尾稲荷神社にもある。
朝日新聞社
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