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中国 長江の客船転覆はダウンバースト
12月30日 23時16分

中国 長江の客船転覆はダウンバースト
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ことし6月中国の長江で、400人以上が死亡した客船の転覆について、中国政府の調査チームは、「ダウンバースト」と呼ばれる突風などが原因だったとしながらも、行政機関の管理にも問題があったとして、40人以上の関係者を処分するべきだと報告しました。
ことし6月中国の長江中流域の湖北省南部で、客船が転覆し12人が救助されたものの442人が死亡しました。
国営の新華社通信によりますと、この転覆について中国政府の調査チームは、30日調査結果を公表しました。
それによりますと、当時、現場周辺では1時間に94ミリもの猛烈な雨が降っていて、強い雨などに伴って、上空の冷たい空気が急激に地上に吹き下ろす「ダウンバースト」と呼ばれる突風も起きたということです。この突風で、客船は転覆に耐えうる限界の2倍以上の力を受け、船体が傾き出してから1分余りで転覆したとしています。
一方、船長については、当時の対応が不十分で、司法機関が、さらに捜査を進めるべきだとしたうえで、当局の管理や監督にも問題があったとして、行政機関や企業の関係者ら43人を処分するべきだと報告しています。
中国では、ことし、多くの人が亡くなる事件や事故が相次ぎ、国民の間では、安全を巡る政府の監督の在り方に不信感が強まっていて、中国政府としては、多くの関係者を一斉に処分する姿勢を示すことで、こうした不信感を少しでも和らげたいねらいもあるものとみられます。

遺族 調査結果に反発

客船の転覆で、妻など家族5人を亡くしたという上海の男性は「安全航行に関する制度や船の操縦など人為的な要因がどこにあったのか触れられておらず、結局すべての問題を天候に押しつけただけだ」と述べて、調査結果に反発しています。また、長江での客船の転覆のあとも、ことし8月には天津で大規模な爆発が起き、今月も広東省の深センで大規模な土砂の崩落が起きるなど多くの人が亡くなる事件や事故が後を絶たないことについて「いつも事が起きたあとで、いろいろな対応をして結論を出すが根本的な制度は改善されない。事故が起きたときにきちんと教訓をくみ取るべきだ」と述べて安全を巡る政府の監督の在り方に不信感をあらわにしました。

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