日本を住みづらくしてきた間違った考え方(その1)
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作成日時 : 2015/12/27 03:26
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我々とは性質の違う集団がいる。
彼らは不当に利益を得ているので、その利権を奪って罰しなければならない。
日本ではこれまで、世間はこの構造の論理で正義を行使しようとしてきた。
ここで、我々とは違う性質の集団には、ありとあらゆるものが入る。
古くは、政治家、教師、医師など、社会的に一定の権威があると思われていて、社会的尊敬を当たり前だった人たち。これには東関東大震災以降、学者も加わった。
また、生活保護受給者や障害者、在日外国人など、弱い立場の人たちをも標的に定めることも、少なくなくなった。
しかし、こういう形式の正義は、ほとんどすべての場合、長期的に見てすべての人を不幸にしていく。
今の日本にある息苦しさの非常に多くの元凶は、こういう誤った思考回路にある。
世間では、国会議員が多すぎるから削減するべきだと思っている人が多いようで、国会議員自らがそれを公約に掲げていたりする。
この主張の受けがいいのは、政治家とは所詮腹黒いものだという漠然とした不信感が、多くの人の胸の中にあるからだろう。そういう連中の数を減らすのは悪くないと短絡的に考える人はすくなくない。
しかし、民主主義とはなんだったかという原理にかえって考えると、国会議員の数を減らすということは、国民の意思を代弁してくれる人たちが減って、意見の多様性が失われていくということだ。国家を運営するにあたって、いろいろな可能性に配慮する能力が低下して、我々の生活を不自由で危険に気付きにくい方向に進めることになってしまう。
つまり、国会議員の数を減らすことは、国民にとって完全に不利益なのだ。むしろ、数に関しては国会議員は増やしたほうがより健全な民主主義に近づける。
議員の数を減らすと、当選回数の多い名の知られた議員に影響はないが、新人は当選機会が激減する。
そして新人は原理的には、若い世代の今日的な問題により強い関心をもっているはずだ。そういう人材が供給されず、昔からの既得権を重視する人ばかり残る構造を推し進めることになる。
こういうと、反論する人がいる。
国会議員といったって何をしてるかわからないし、そんなもの減らすほうが税金の無駄にならないとか。
確かに、国会議員が何をしてるかよくわからない、少なくとも自分の意思を代弁してくれているようには思えないという人はいると思う。
でも、例えそうだとしても、その問題の解決のために、国会議員の数を減らすという手段は何の役に立たないわけで、つまりは八つ当たりで自分の首を絞める行動でしかない。
問題はあるが解決すべきは減らすことではない。減らしたら歳費などの金額は安くなるように見えても、原理的に民意の反映が益々難しくなるだけだ。
国会議員に対する不満や不信は、また別の方法で、つまり我々国民の権利を損なわない方法で考えていくしかない、別の問題のわけだ。
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