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拉致被害者の家族 政府に戦略的取り組み求める
1月3日 19時29分

拉致被害者の家族 政府に戦略的取り組み求める
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北朝鮮が拉致被害者などの調査委員会を設置して4日で1年半になります。高齢となった拉致被害者の家族は肉親の帰国が見通せない現状にいらだちを募らせていて、政府に対し、北朝鮮に被害者を帰す決断を促すための戦略的な取り組みを求めていくことにしています。
拉致問題を巡っては、北朝鮮がおととし7月、被害者などの調査委員会を設置しましたが、帰国につながる進展はなく、それから4日で1年半が経過します。
一方、再会を待ち続ける被害者家族の高齢化は進み、有本恵子さんの母親の嘉代子さんが今月で90歳になるほか、横田めぐみさんの母親の早紀江さんも来月80歳を迎えます。
家族は、北朝鮮の指導部が「死亡」や「入国していない」という過去の安否説明を覆し、被害者を帰す決断をするのかを焦点と位置づけていますが、展望が開けない現状にいらだちや失望感を募らせています。
また、14年前に帰国を果たした拉致被害者からも、政府に戦略の構築を求める声が上がっていて、蓮池薫さんは去年各地で行った講演で「『北朝鮮が被害者を帰したら、こういう見返りを出す用意がある』と積極的に示してほしい」と訴えました。
北朝鮮はことし5月に36年ぶりとなる朝鮮労働党大会を開くと発表していて、被害者家族は、この春にかけて北朝鮮が外交の分野でも駆け引きを活発化させる可能性があるとして、政府に対し、北朝鮮の決断を促すための戦略的な取り組みを求めていくことにしています。

家族会代表 飯塚繁雄さん「確実な帰国を」

拉致被害者の家族会代表の飯塚繁雄さんは去年、77歳になりました。妹の八重子さんが拉致されてことしで38年が経過します。
飯塚さんは「月日がたてば毎年毎年、年齢が加算されて肉体的にも精神的にも落ち込んでいきます。だからこそ早く結果が欲しいと思っていますし、家族が元気なうちに被害者と抱き合えるようにしてほしい」と話しています。
そのうえで「私たちは報告書ではなく肉親の確実な帰国だけを望んでいます。北朝鮮が言っていることをただうのみにして待っている状態はよくない。拉致被害者を全員帰したあかつきには、北朝鮮の国民も潤うのではないかということを伝えながら決断させるなど、政府は被害者の帰国を最優先に戦略・戦術を練っていただきたい」と求めました。

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