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五輪の経済効果 2018年に5~6兆円押し上げ
12月28日 17時51分

五輪の経済効果 2018年に5~6兆円押し上げ
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2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う経済効果について、日銀が試算、試みの計算を明らかにし、建設投資が活発になる2018年には、GDP=国内総生産を去年・2014年と比べ実質で年間およそ1%、金額にして5兆円から6兆円、押し上げる効果があるとしています。
日銀の試算は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、建設投資や日本を訪れる外国人旅行者が増えることなどを前提に計算しています。
このうち、建設投資は、新国立競技場をはじめとする競技会場だけでなく民間のホテルなどの建設も増えることで、総額で10兆円程度に達すると見込んでいます。さらに外国人旅行者が今のペースで増えると、2020年には年間3300万人に達し、観光需要が期待できるとしています。
試算ではこれらを前提にすると、日本のGDP=国内総生産は、ことし・2015年から2018年にかけて毎年、実質で0.2%~0.3%押し上げられ、結果、2018年には去年・2014年と比べてGDPの水準を年間およそ1%、金額にして5兆円から6兆円押し上げる効果があるとしています。この金額の規模は、日本で最も多額の利益を挙げる大手自動車メーカー、トヨタ自動車が1年間に稼ぐ営業利益の2年分に当たります。
日銀の試算では、2014年から2020年にかけての累積の経済効果は、25兆円から30兆円程度になるとしています。ただ、2019年以降は、建設投資が減少に転じるため押し上げ効果は減っていくとしていて、新たな需要の掘り起こしの必要性も指摘しています。

課題は人手不足と五輪後の反動

日銀が発表した東京オリンピック・パラリンピックの経済効果の試算では、主に2つの点を今後の課題として指摘しています。

1つは、労働力の不足への対応です。試算では建設投資がピークとなる2018年には、オリンピックが仮になかった場合と比べて、73万人の労働者が追加で必要になると見込んでおり、人手不足が深刻化して建設業で工事の遅れが出たり、サービス業で十分なサービスを提供出来なくなったりするおそれがあると指摘しています。このため、女性や高齢者、外国人の労働参加をさらに進めることや、機械化するための投資などを行い、労働生産性を高めることが必要になるとしています。

もう1つは開催後の経済への悪影響をどう抑えるかです。試算の中では、1994年にノルウェーのリレハンメルで開かれた冬のオリンピックのあとには、観光需要の落ち込みからリレハンメル市内のホテルの40%が倒産したとされていることを例に挙げています。日銀は、こうした事態を防ぐためにも、観光客の増加を一過性のものにせず、観光需要を息の長いものにする取り組みや、建設投資の代わりになる新しい需要を生み出すことが必要になるとしています。

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