筋トレで身長が伸びるのは、アイツの存在が鍵だった!

「筋トレをすると身長が伸びなくなる」という噂を一度は耳にしたことがあると思います。この噂は本当なのでしょうか?それとも嘘?大人になった今でも筋トレで身長を伸ばせないか画策している筋トレ男子、子どもの身長を伸ばしてあげるための適切な運動法を知りたいパパ・ママ、必見です。筋トレと身長の関係をおさらいしましょう!

筋トレすると身長が伸びない、はウソ!

結論から言うと、筋トレをすると身長が伸びないという説に明確な裏付けはありません。科学はむしろ身長を伸ばすためには適度な筋トレをする必要があるということを認めています。この説が語られるようになったのはおそらく、高負荷の筋肉トレーニングが関節や軟骨などに負荷をかけることになり、それによって成長が阻害されるというイメージがついてしまったことが原因ではないかと考えられます。

特に子どもの発育過程においては、「筋肉が太くなるにつれて骨を抑えつける力が加わり、骨の成長を妨げるよ」と言われると、確かにそうかもな、と考えてしまうものです。ですが、筋肉が抑えつける力より骨が成長しようとする力のほうがはるかに強いので、筋肉がつくことで成長が抑制されることはありません。

むしろ適度な運動やトレーニングは成長ホルモンを分泌させる効果があるので、筋肉はもちろん身体を構成するのに必要なことなのです。

筋トレで身長が伸びた人は、アイツが出ていた!

筋肉トレーニングをすると、HGH(ヒト成長ホルモン)というホルモンの分泌が活発になります。成長ホルモンとは、思春期には主に身長を伸ばす役割が注目されますが、 一生に渡って分泌される重要なホルモンであり、様々な役割を発揮してくれます。疲労感の解消、やる気・集中力の増加、筋肉量の維持(増加)、脂肪分解の促進、骨の強化、免疫システムの刺激などなど、体にとって非常に強いプラスの効果をもたらします。

筋肉に負荷をかけるトレーニング(加圧式トレーニングなど)をすると筋肉繊維が破壊され、それを修復するために成長ホルモンがたくさん分泌されます。また、筋肉中に生成される乳酸にも成長ホルモンの分泌を促す作用があるとされています。

成長ホルモンは、年齢を経るごとにその分泌量が減ってきます。大人になると子供の時のように身長が伸びにくくなるのはこのためです。とはいえ、全くでないというわけではありませんので、成長ホルモンがより多く分泌されるようなことをしてあげれば、成人してからも身長は伸ばすことが可能です。

そして、その成長ホルモンの分泌を促進するものの一つが筋トレである、ということなんです。

筋トレで身長を伸ばすには、ここを鍛えろ!

上半身の筋トレで身長が伸びる場所はここ!

鍛える体の部位によっても成長ホルモンの分泌に差があります。それはおおよそ筋肉の体積に比例するようです。つまり理論的には大きい筋肉を鍛えれば、成長ホルモンの分泌がなされ、身長が伸びやすいということになります。

上半身では大きな筋肉は、大胸筋(胸板)と腹筋(お腹)と広背筋(背中)です。イメージしやすいのは水泳選手でしょうか。大胸筋は、上半身で最も大きな筋肉ですので、成長ホルモンを分泌させるには効果的な筋肉です。腕立て伏せやベンチプレスなどで鍛えられます。

また身長には姿勢が正しいことも影響してきますので、猫背にならないためにも腹筋と広背筋をバランス良く鍛えないと、体幹のバランスをとるために背骨のS字曲線がきれいにならずに、必要以上に湾曲してしまったり、前後に傾いたりします。そうするとせっかく伸びた身長も活かしきることはできません。

広背筋はラットプルダウンという上の画像のようなマシンを使って鍛えることができます。広背筋のトレーニングにはやり方にコツがあるので、こちらのサイトを参考にしてみてください。

ラットプルダウンの効果と行い方を動画付きで説明し、細かい注意点なども紹介しています。そしてフロントネック・ラットプルダウンと、ビハインドネック・ラットプルダウンは一体どちらが効果的なのか??

下半身の筋トレで身長が伸びる場所はここ!

下半身で大きな筋肉は、大腿筋(太もも)です。バスケットボールやバレーボールなどのスポーツは、ジャンプするときに大腿筋を使いますし、より高く飛ぶために大腿筋を鍛えますので、一般的には身長が伸びやすいスポーツとされています。

姿勢に関して言えば、骨盤をしっかり立てるには腸腰筋という股関節についている筋肉をつける必要があります。筋肉量は少ないですが、下半身と上半身のバランスの要になる骨盤をしっかり支える要になるのが腸腰筋です。

大腿筋はスクワットやレッグカールで鍛えることができ、腸腰筋は足上げで鍛えることが可能です。

筋トレで身長を伸ばすための重さ

成長ホルモンはトレーニングでは有酸素運動でも分泌はされますが、無酸素運動すなわち筋トレでより分泌されます。おおよそ1RM(レペティション・マキシマムの略。1回の反復でギリギリ持ち上げられる重さのこと。最大筋力ともいう)の70%から75%の重さ設定で、10回×2~3セット行うと多く分泌されると言われています。

1RMは、パートナーやトレーナーがいないとなかなか正確に測れないので、目安としてギリギリ10回挙げられる重さの70%くらいの重さで2~3セットと覚えておくと良いと思います。

身長を止める筋トレとは?

子どもにスポーツをさせる時、親として気になってしまうのが、過度な筋トレが子どもの成長を止めてしまうのではないか、ということではないでしょうか。

筋トレをすることで、成長ホルモンが分泌され身長が伸びることはありますが、逆に強い負荷をかけてしまうと身長を止めてしまうことにもなります。

子どもの身長を伸ばすために、どのようなトレーニングが効果的で、逆にどのようなトレーニングをしてはいけないのか、年代別にチェックしていきましょう。

小学生の筋トレは身長を止める

スポーツ教育の世界では、ゴールデンエイジと呼ばれる9歳から12歳の間に、どんなトレーニングをするかでその子の将来性を決定をすると考えられています。これはスキャモンの発育・発達曲線という、子どもの発育がどのように進んでいくかを表した図が元になっています。(詳しくは下記のサイトをご参照ください)

筋肉や骨などの「肉体」の成長を表しているのが一般線です。これが急激に伸びるのは生まれてすぐから小学校入学時までと、小学校高学年から中学生までの間です。

ですので、小学生の間は筋トレをしても、そもそも身長が伸びる時期ではないので、筋トレをするメリットはあまりありません。むしろ、このころに負荷のかかる筋トレをしてしまうと、そのあとに備えている成長を阻害してしまう可能性もあるのです。

小学生の時は筋トレよりも神経系と呼ばれる発育が重要で、このころはリズム感や器用さなどの発育が著しいので、たくさんの遊びをさせることが大事だと言われています。

スキャモンの発育・発達曲線については以下のサイトが詳しいです。

子どもは5歳までに神経系が約80%まで発達します。その時期にどう遊び、どう運動したかがとても大切です。 | 「スポーツ教育のバディ」横浜バディスポーツ幼児園・横浜バディスポーツクラブ

高校生の筋トレは身長を伸ばす

運動部に入った子どもが筋トレを始めるのが、中学生の高学年から高校生にかけての時期です。先ほどの発育曲線からも見ても、理にかなったタイミングであると言えます。

小学生の時にちびっ子だったこの大逆転が起きるのがこの時期です。今まで培った身体感覚と技術を、より速く、より強く使えるようになるために、心肺機能・筋肉肥大・骨の発達が起こります。

身長を伸ばすためには、背骨の骨と足の骨が成長して伸びなければならないわけですが、一般的に、身長が大きく伸びる第二次性徴期の10歳~17歳ぐらいの間しか、骨は伸びないと言われています。

骨の成長にも、成長ホルモンの分泌が密接に関係していますので、この時期に筋トレをすることは、身長を伸ばす上でも効果的であると言えます。

身長を止める筋トレ

骨が発達する過程で、骨の先端部分に強い負荷がかかってしまうと、細胞が新しい骨を作るのを邪魔してしまい、成長が阻害されます。特に子どもの成長期の筋トレが問題となっているのは、こういったイメージから来たものはないかと考えられます。

近年の研究では運動と骨の成長に関して新しい見解が検討されていて、重力の刺激がより加わることで骨が成長するという主張が認められているようです。運動をしている子供の身長が高くなる傾向にあるのは、この骨への刺激が要因となっているのはないか?という説です。

ですから前述の筋肉の成長ホルモンの分泌から考えても、適度な運動、適度な筋トレは身長を伸ばすには欠かせない要因であることがわかります。しかし、それが強すぎる負荷になると、逆に成長を妨げることにもなりかねません。

具体的には、「膝を極度に深く曲げる運動(うさぎ飛びなど)」「ウエイトを用いたジャンプ動作を伴うトレーニング」「長時間にわたる縄跳び」「瞬間的に負荷のかかるメニュー」は避けるべきといえるでしょう。

抑えておくべきポイントは、成長軟骨に負荷が大きく加わるようなトレーニングを、特に子どもの成長期にやらないようにするということです。これはもちろん大人にも共通して言えることです。

筋トレ後に摂るべきの6つのオススメ栄養素

運動とくれば、次は食事ですね。筋トレをして効率よく成長ホルモンを分泌させるには、栄養素の摂取が欠かせません。

筋肉の成長にとっても、骨の成長にとっても栄養素が必要不可欠だからです。どんなに適度な運動をしても、大胸筋や大腿筋のトレーニングをしても、成長のための材料になる栄養素が欠けていれば成長はありえません。

今ある骨が伸ばされていくのではなく、今ある骨の先端に骨が追加されていく仕組みになっていますので、栄養素を取らないで身長を伸ばそうとすることは、一階建ての建物に材木を追加せずに二階を増築しようとするようなものです。一階にある分だけで二階建てにようとしたら中身がスカスカになってしまいますよね。

ここでは、筋トレ後の成長ホルモンの分泌と、それによって促される骨の成長にとって必要な6つの栄養素について解説します。

タンパク質

筋トレ=タンパク質のイメージは王道ですが、骨の成長にも欠かせない栄養素です。

「骨が成長する仕組み」の項で、「骨端線のところで最初にコラーゲンの基礎(骨端軟骨)が出来て、その基礎にカルシウムなどが吸収されて硬い骨が出来上がっていく」と書きましたが、コラーゲンはたんぱく質の一種ですから、その材料となるたんぱく質(アミノ酸)を取り入れなければなりません。タンパク質は筋肉の材料にもなりますので、骨や筋肉などの柱を作り出すための材木がタンパク質に該当すると考えてください。

たんぱく質が多く含まれる食品には、肉、魚、牛乳、卵、豆腐などの大豆製品などがあります。ただし肉については、あまり多く食べると動物性脂肪の取りすぎになり、肥満の原因になったり内臓に負担がかかったりするので、赤身や鶏肉のささみなどを多く取りましょう。また大豆などの植物性たんぱく質も、非常に優れたタンパク源となります。筋トレ用のプロテインは、動物性タンパク質が多いですが、植物性のプロテインを選んでも問題ありません。

カルシウムとマグネシウムと亜鉛

成長ミネラル3兄弟です。(筆者の個人的な見解です)

骨が出来るときには、 コラーゲンの基礎にカルシウムなどが吸収されて骨が出来上がっていくわけですから、当然カルシウムが必要になります。今までの栄養学では「カルシウム=身長が伸びる」と言われてきましたが、実は骨を強くし、成長させていくにはマグネシウムを一緒に摂らないと意味がない、ということが近年の研究で明らかになっています。マグネシウムは骨を形成するうえで大切な栄養素であり、これが不足すると正常な状態で骨が作られません。

カルシウムを多く含む食材は、えんどう豆、干しエビ、ひじき、チーズ、ゴマ、煮干しなどがあり、マグネシウムを含む食品にはゴマやナッツ類などの種子類、干しひじきやあおさなどの海藻類、干しエビや桜エビなどの魚類があります。

牛乳にはマグネシウムはほとんど入っておりませんので「牛乳だけ」飲んでいれば骨が成長するというのは現代の科学では否定されており、牛乳の飲み過ぎは逆に骨を弱くするという説もあります、学校給食から撤廃する動きもあります。特に成長期のお子さんに一生懸命飲ませる必要はありません。

身長を伸ばすためには、牛乳を飲むよりも、干しエビやひじき、ゴマなどが優秀なカルシウム&マグネシウム源になります。

そして意外な栄養素が亜鉛です。亜鉛は人間の体内にある量は微量ですが、成長ホルモンの原材料であり、骨や筋肉の成長に直接関与しています。そのため、亜鉛が不足すると身長の伸びが鈍ります。亜鉛が含まれる食品には、豚もも肉、豚レバー、うなぎ、納豆、かき(牡蠣)、ホタテなどがあります。

ビタミンD

骨の成長に欠かせない、影の立役者がビタミンDです。

カルシウムが吸収されて骨に使われるためには、ビタミンDの助けが必要です。骨は骨芽細細胞から骨を作りながら、片方で破骨細胞で骨を壊すことで一定の骨の量になるようにコントロールしています。

ビタミンDは小腸でカルシウムが吸収されるのを促進させる一方で、破骨細胞の活性化も担っており、骨の破壊と再構築を正常に維持するよう働きかけています。

ビタミンDは皮膚に太陽光をあてることにより、体内で作られますが、食品からも取り入れることができます。ビタミンDが多く含まれる食品には魚、卵黄、しいたけ、酵母、緑茶などがあります。

アルギニン

アルギニンというのはアミノ酸の一種で、脳下垂体を刺激して成長ホルモンの分泌を促進させる作用があります。アルギニンになぜ脳下垂体を刺激する作用があるのかについては現在のところ不明ですが、アルギニンに成長ホルモンを分泌させる作用があることは確かなようです。つまり成長ホルモンの分泌量を増やして身長を伸ばすためには、アルギニンを十分に取り入れればいいというわけです。

アルギニンは人間の体内で合成することが出来るのですが、食品からも取り入れることが出来ます。アルギニンを多く含む食品には、鶏肉、えび、大豆、ナッツ類、チョコレートなどがあります。

筋トレ後のタンパク質摂取に鶏肉が良いと言われるのも、このアルギニンを含んでいる点です。

筋トレで身長を伸ばす時のオススメの食材まとめ

以上、身長を伸ばすための特徴的な栄養素について書きましたが、これらの栄養素だけを採っていればいいというものではありません。身長を伸ばすためには、そのほかのビタミンやミネラルなどの栄養素を含んだ食品を、日頃からまんべんなく食べておく必要がある、ということだけ理解しておいてください。

ただ、それぞれの栄養素を多く含む食材を見てみると、牛乳やお肉などのいわゆる「身長が伸びそうなイメージ」のある食材よりも、エビなどの魚介類や大豆・ナッツなどの種子類といったパッと見た感じ「身長が伸びなさそうなイメージ」のある食品が多かったのではないでしょうか。

筋トレと魚介類、筋トレを種子類、あまりイメージは繋がりにくいですが、成長ホルモンの分泌には欠かせない食材です。筋トレをする際には、たんぱく質だけではなく、これらの食材にも目を向けてみてください。

就寝前の筋トレは身長を妨げる

運動、食事とくれば最後はやっぱり、睡眠です。「寝る子はそだつ」とよく言いますが、成長ホルモンの分泌には良質な睡眠が絶対条件になりますので、この考え方は科学的にも正しいと言われています。

成長ホルモンは、ただ眠れば十分に分泌されるわけではなく、睡眠のコアタイムである入眠後の数時間の間が鍵だと言われています。成長ホルモンは、主に夜間の睡眠時に分泌されますが、特に睡眠後30分から1時間ぐらいして現れるノンレム睡眠の時に集中的に分泌されます。しかし、睡眠の質が悪い=眠りが浅いと、せっかくの成長ホルモンが分泌される時間が台無しになってしまうのです。

睡眠の質を上げるには、寝る前にお風呂に入って温まる(シャワーだと効果が薄い)、電気は消す、お酒やコーヒーなどの刺激物を取らない、スマホやパソコン操作は控えるということを行うと良質な睡眠が得やすくなりますので、筋トレの疲労回復と成長ホルモンの分泌を効果的にするためにも実践してみてください。

まれに睡眠時の疲労回復効果から、就寝前に筋トレをすると良いという意見を見かけますが、就寝前に運動をしてしまうと神経が活発になってしまって、深い睡眠を妨げることになります。そうすると成長ホルモンの分泌に悪影響が出ますので、就寝前の筋トレは避けましょう。

まとめ

筋トレで身長を伸ばすためには、成長ホルモンの存在がキーポイントになります。

簡単にまとめると、筋トレ→骨の先端に適度な負荷を与える→それと同時に成長ホルモンが分泌される→骨の先端にいろいろな栄養素を基にして新しい骨が生まれる→身長が伸びる、という流れがあるということです。

そして、より多くの成長ホルモンを分泌するのには、大胸筋や大腿筋の筋トレが効果的です。また猫背気味の人は、腹筋や背筋をバランス良く鍛えてあげると姿勢が良くなり、本来のあるべき身長まで戻すことができます。

そして、筋トレで身長を伸ばそうと思ったら、やっぱり睡眠が大事になってきます。できるだけ深い眠りにつけるように工夫をすることで成長ホルモンの分泌が盛んになります。

最終的にはやっぱり、バランスのとれた食事・睡眠・運動、が大事ですね。

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