「日本の公式謝罪と法的賠償を要求する。日本政府の耳が聞こえないなら聞こえるように、目が見えないなら見えるようにさせたい」
日本軍の従軍慰安婦被害者、イ・ヨンスさん(88)、キル・ウォンオクさん(87)は30日昼、ソウル市鍾路区の在韓日本大使館前に建てられた慰安婦を象徴する少女像の横に座った。2人は感極まったように、「朝鮮の娘として清らかに育った『罪』しかないのに、韓日両国は私たちを2度も殺そうとしている」と述べると涙を流した。
28日に最終合意に達した韓日の慰安婦問題をめぐる交渉を強く批判した2人は「これまでに慰安婦被害者238人が恨みを晴らせないまま亡くなった。私たちは最後まで闘う」と語った。
日本大使館前で定期的に開かれている「水曜集会」では同日、今回の合意に対する不満や批判が渦巻いた。1992年に始まった水曜集会は同日で1211回目で、被害者2人のほか、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)関係者、大学生、青少年ら約700人の参加者は、普段の水曜集会よりも激昂しているように見えた。
イ・ヨンスさんは「私たちが黙っていても日本が公式に謝罪し、法的な賠償を行うべきなのに、被害当事者に一言もなく交渉を行った韓国政府をもはや信用できない」と述べ、安倍晋三首相のことを「気が狂っている」と批判した。
今年5月に亡くなった被害者、イ・ヒョスンさん(90)の次男、イ・ドンジュさん(64)は「母の葬儀の日、夢枕に立った母が『勝つまで日本政府と闘え』と話していたのが忘れられない」と泣きながら訴えた。次男は「母は生前、『日本人(原文は蔑称)よりひどい人間』はいないと話していた」と述べ、日本政府が支援財団に拠出する10億円について、「必要ない。日本政府による公式謝罪を望む」と話した。
集会に出席したソウル梨花女子高1年のイ・ジョンウンさん(16)は「慰安婦被害者のおばあさんたちが経験したことを忘れないために建てた慰安婦少女像を日本大使館前から他の場所に移すというのはつらい歴史を消そうとするものだ」と批判した。