今回のキャンペーンに参加している飲食店オーナーのイ・ヨングムさんは「無断キャンセルしないというだけで、予約客には肉を1人前サービスで出したいくらい」と語った。昨年10月、ソウル市中区に座席数160の韓牛専門店をオープンさせたイさんは「1年間の無断キャンセル率は約10%程度。予約を受けたら、サラダやナムルのあえ物を作っておくのはもちろん、肉も客の数に合わせてあらかじめ切っておくので、団体客が1組無断キャンセルしたら、一度に200万-300万ウォン(現在のレートで約21万-32万円。以下同じ)飛んでいく」と語った。
■無断キャンセルを根絶すればオーナーも客も「ウイン-ウイン」
このため、飲食店・病院・美容室のオーナーが「小細工」を使うケースも少なくない。代表的なのが、定員を超えて予約を受け付ける「オーバーブッキング」だ。ソウル市麻浦区西橋洞で座席数40の焼き肉店を営んでいる42歳の人物は「クリスマスや秋夕(チュソク=中秋節)翌日のような『書き入れ時』には、無断キャンセル率が50%近くまで跳ね上がり、10-20%ほど定員を超過して予約を受け付けるのが欠かせない。あっという間に倒産しかねないのに『損な商売』をするというのは、話にならないのではないか」と語った。
無断キャンセルによる損失を補填(ほてん)しようとすれば、サービスの質が落ちるのは当然だ。ソウル市中区のある韓定食店は「客を1人受け付けるだけでも、店が用意すべきおかずは数十種類。結局、損しないようにする場合、無断キャンセル客に出すおかずを次の予約客に出すこともある」と語った。外食業中央会の関係者は「今回のキャンペーンは、客と店が約束を守ってウイン-ウインになろうというもの。予約を守る客には良い座席を優先的に提供したり、デザートのような追加サービスを提供したりするという店もある」と語った。