第二に、「韓国経済は高齢化した巨大な養老院だ」(ジム・ロジャース氏)と形容するように人口構造がもはや経済のプラス要因にはならず、マイナス要因となる時期を迎えていることだ。
根本的な危機は体格が大きくなった韓国経済に早期老化現象が見られることだ。早稲田大の深川由紀子教授は「韓国は危機の原因を外部に探すが、実は内部の問題の方が深刻だ」と指摘した。例えば、韓中日3カ国で人件費の上昇ペースが最も速いのが韓国だ。鉄鋼、造船など韓国経済を支えてきた主力産業の市場シェアは3年前から中国に押されている。
経済の躍動性が低下しているにもかかわらず、自覚症状が全くない政界の危機不感症が韓国経済にとって最大のリスクになっている。例えば、破綻企業の構造調整の根拠となる企業構造調整促進法は今年で期限が切れる時限立法だ。同法が延長されなければ、大規模な構造調整は法的根拠を失い、全面ストップしかねない。しかし、法案を審議する常任委員会(政務委員会)自体が開かれていないのが実情だ。
■「国会先進化法の見直しを」
元経済閣僚は「政治には妙策があるが、経済にはうまい手がない」「労働改革・経済活性化法のように、現在論議されている解決法から一貫して推進していくのが正道だ」と主張する。朴宰完(パク・チェワン)元企画財政部長官は「国会で審議中の法案が通過しても、韓国経済がすぐに良くなるわけではない。ただ少なくとも国民や投資家に対し、『韓国政界の与野党が一致団結して未来に備えているのだな』という期待心理を植え付けることはできる」と話した。
尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)元企画財政部長官は「民主主義の基本原理である多数決を阻む国会先進化法を改正すべきだ」と主張する。産業資源部長官を歴任した鄭徳亀(チョン・ドック)ニア財団理事長は「選挙で多数政党になった与党が責任を持って政策を実行しなければ、選挙をやる意味がない。少数政党が国会内で抵抗することで政策を妨害するのは民主主義の否定だ」と批判した。