低迷する韓国経済:寿命を迎えた韓国型成長モデル

内外専門家から改革求める声

 今年10月、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は166人の経済使節団を率いて訪米した。それを見て、米ワシントン・ポストは「朴大統領にとって最大の試練は北朝鮮の核問題や米中間の綱渡り外交でななく経済だ」と書いた。

 一時は「アジアのトラ」と言われ、奇跡の経済成長を成し遂げた韓国について、海外メディアや内外の専門家は最近、「歯の抜けたトラ」「奇跡の皮が剥がれた韓国経済」といった酷評を下している。

 韓国経済は来年、さらに暗いトンネルに入る。12月17日未明(韓国時間)には米国が10年ぶりに利上げを行う可能性が高い(本紙掲載時点ママ)。2008年の世界的な金融危機の主犯だった米国経済が急速に回復し、量的緩和を縮小するを意味する。これに対抗し、中国が人民元を切り下げ、欧州も景気浮揚のために追加利下げを実施したため、世界の金融市場に再び波乱が起きた。原油価格が連日下落し、韓国の主要輸出市場だった中東は財布のひもを締めている。

 こうした波乱を乗り越えなければならない韓国経済の体力は目立って低下している状況で、起業や経済専門家が感じる危機感はいつよりもまして深刻だ。本紙が金大中(キム・デジュン)政権から李明博(イ・ミョンバク)政権までの期間に経済閣僚を務めた10人に韓国経済の診断を求めたところ、全員が製造業と輸出が主導する韓国経済の成長モデルが寿命を迎え、これまでの鎮痛剤投与だけでは慢性化した危機を乗り越えられないと答えた。

 国内外の経済専門家と元経済閣僚は、韓国経済が直面する危機として4点を挙げた。

 まず、韓国を取り巻く外部環境が悪化している点だ。全光宇(チョン・グァンウ)元金融委員長は「世界経済は暖流(米利上げ)と寒流(日本・EUの量的緩和)が渦巻く時期に差し掛かっている」と指摘した。世界の貿易規模は2008年の金融危機以前の水準を回復できていない。韓国を支えてきた輸出は当面低迷する可能性が高い。

羅志弘(ナ・ジホン)記者
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