影山遼
2016年1月3日08時11分
福井市西谷1丁目の貸衣装店「マリーマリエ」は、主にウェディングドレスや振り袖など晴れ着のレンタルから着付け、化粧までを手がける専門店だ。
ちらほらと男性客が1人で訪ねてくる。注文は「お姫様への変身」だという。
井関ひとみ代表(44)は2012年、結婚式でなくてもウェディングドレスを着てみたい女性がいるのではないかと、ドレス姿で写真撮影をするサービスを始めた。インターネットでたちまち評判になった。しばらく後、栃木県の男性から「男でもできますか?」とメールが届いた。想定外で驚いたが、大阪府などからも男性の希望者が相次いだ。井関さんは「ただきれいになる自分を楽しみたいだけなんだと認識を改めた」。翌年から本格的に性別に関係なく受け入れた。
以来、利用者は100人を超え、男性が8割、女性が2割。20~60代と年齢も幅広く、米国から男性が来たこともある。性同一性障害の人は多くなく、「一度、変身したかった」という人が多いという。
昨年11月に来店した京都府の50代男性は「ウェディングドレス姿に挑戦できるとネットで知った。少し迷ったが、来てみると観光と食事も楽しめて良かった」と感想を語った。
井関さんは「本当の自分を出せる、こういう場所があるだけで救われる人がいる。お手伝いを続けたい」と、5人の女性スタッフとともに腕を振るう。
同店では女性が「王子様」へ変身するサービスもあり、夫婦で訪れる客も多いという。
■記者2人が体験「殻破りたい」「イケる」
私、記者の影山遼(24)は常々「自分の殻を破りたい」と思ってきた。「お姫様」への変身――。ビビッときた。思い切って「マリーマリエ」に申し込んだ。
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