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栽培してよいケシとそうでないケシ
ナガミヒナゲシ（撮影：2010/5/13 加古川市加古川町粟津）
数年前までは全く見られなかったのに最近ではすっかり定着してしまった帰化植物の一つにナガミヒナゲシとい
うのがあります。ヒナゲシというぐらいなので、ポピー（ヒナゲシ）のようにセロファンのような薄いぺりっとした紙質
の独特の花弁をしていてとても綺麗なオレンジ色の花を咲かせます。ナガミヒナゲシという名は「長い実のヒナゲ
シ」という意味で花が終ったあとの実（ケシ坊主）が細長いのでその名が付けられたようです。
この花弁だけ見たらポピーと見間違う。
でも、初めてこの花を見たときははっきり言って「ドキッ」としたものです。
普段見慣れているポピーとは明らかに違うし、しかし花弁の様子や実の感じが明らかにケシ科の植物の特徴を 備えており、「もしやこれがあのケシ！？」などと思い早速インターネットで「ケシ オレンジ 花」 などと掛けて
検索したのかどうだったか？その時はすぐにナガミヒナゲシということが判明し 「便利な時代になったものだな
あ」とやたら感激したのを思い出します。
その時の検索で辿り着いたのが岡山理科大学の植物生態研究室（波田研）のホームページですぐに種名が
判明しました。
以来、何かと参考にさせて貰っていますが素晴らしくよく出来た植物図鑑です。 ナガミヒナゲシ Papaver dubium L. （ケシ科 ケシ属）
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/papaveraceae/nagamihinagesi/nagamihinagesi2.htm この水路には大きなナマズやコイがよく泳いでいるのですよ。
アスファルトの隙間から出て来て逞しく育ち綺麗な花を咲かせるナガミヒナゲシ（撮影：2010/5/13 粟津）
時に、ケシ科の植物はどの種も本当に綺麗な花を咲かせますが、ケシにはつくってよいケシとそうでないケシが
あって・・・・
そうです。アヘンやモルヒネをとるケシは法律で栽培が禁止されています。
「ドキッ」とした理由は初めて目にするケシのような花をそういった種類のケシではないかと思ったからなんです。 でも、そうやって名前を調べて相手が危険な奴じゃないとわかったら何だか親しみが湧いて来て雑草とはいえ、
コンクリートや道の割れ目などから逞しく出て来て花を咲かそうとしているものはそのままにしておいてやりその
美しい花を楽しんでいます。
それにしても最近は本当にどこにでも咲いていますねえ。
それもその筈、一度花の終ったあとの実を割ってみてください。どれ程たくさん種が詰まっていることか！
「けしつぶ程」の小さな小さなナガミヒナゲシツブがびっしりと詰まっていて驚きます。
あれだけの数の種があちこち飛んで行ったらそりゃ一気に広がる訳です。 で、栽培してはいけないケシがこれです。 アツミゲシ（撮影：2010/5/8 加古川市野口町 別府川右岸）
誰かが密かに栽培していたのが逃げた・・・・というより完全に野生化している。（2010/5/13 加古川市野口町）
花はとても美しい。アヘンを採取しようとなるととんでもない量を栽培しなければならず、そんなことが出来る人がいるとは考えにくいのでこの美しい花を愛でるのも悪くないと思う。60おじさん！は既に役所に通報したが未だに駆除されていないということはそれほどドキッとするほどのものでもないということかも知れません。
大麻みたいな訳にはゆかないですからね。
60おじさん！が去年、別府川の右岸で発見して通報したら、保健所が早速駆除しに来たあのアツミゲシです。 でも、最近は結構あちこちの道端で生えていることがあるそうです。
あのケシ坊主からアヘンを取りだそうとしたらどれほどの数を栽培してどれほどの手間が掛るか、途方もない労
力と時間を考えたらこれを育ててアヘンを作ろうと考える人は恐らく日本人には居ないと思いますが。
アツミゲシ Papaver setigerum DC. （ケシ科 ケシ属）
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/papaveraceae/atsumigesi/atsumigesi.htm （上記URLのページより抜粋）
アツミゲシはナガミヒナゲシと同様に地中海沿岸原産の帰化植物。麻薬成分を含んでいるので栽培が禁止されている植物であるが、時折路傍などに生育しているのがみられる。数が増えて目立つようになると保健所などからの駆除キャンペーンが行われる。駆除されるので群落を作って広がることは少ないが、花が結構美しいのでなかなか絶えない。今年見かけた場所は県庁周辺と自衛隊施設の前であった。麻薬を作ろうとする人はいないかもしれないが、要注意である。 草丈は70cmほどになり、ナガミヒナゲシより大きくなる。剛毛が散生するがまばらである。春から初夏にかけて薄紫の花を咲かせる。花弁の基部には濃い赤紫の紋様があり、花弁が４枚であることがわかる。果実は丸く、編目紋様のある種子がたくさん入っている。 名前の「アツミ」は、「厚実」かと思っていたが（ナガミヒナゲシが長実なので）、渥美半島で最初に見つかったからという。帰化植物に最初の発見地の名前を付けるとその後の分布拡大で、なんのことかわからなくなってしまう。地名を付ける場合には、地域固有種だけにして欲しい。 |
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