今年の始め、正確には去年の暮れ辺りから英語の勉強を開始した.
自分の場合、殆ど0からのスタートで、色々と試行錯誤したので振り返ってみる.
背景として、日本に住んでいる英語が苦手なソフトウェアエンジニアが英語を学ぶ上で良かった事なので、ビジネスの人とか海外移住を考えている人の役には立たないと思う.
また、既に英語に苦手意識が無い人は読んでも得るものはないと思う.
スタート
今も対してできないが、当時は輪をかけて全く英語ができなかった.
どれくらいできないかったかというと、以下の様な感じ.冷静に見て下の下.
- TOEIC・TOEFL受けた事ない
- 未だに未受験なので次受けようと思っている…
- 大学4年間、一度も英語を勉強しなかった
- 日本文学という珍妙なものを専攻していたせいで危機感を覚える事もなかった
- 英語に触れると変な汗が出て、そそくさとその場から立ち去る
だから今から勉強を始める人も、安心して欲しい.
現状
以下の事くらいはギリギリ何とかなるようになった.
- 準備をすれば英語でセッションをする事ができる・QAもなんとかできる
- ブログ・SNS等で英語で情報発信をする事ができる
- 築地に来た海外の友人を寿司屋に連れて行ってもてなす事ができる
- 英語で転職の面接をこなせる
- 転職していません
きっかけ
出張に行った事と、rebuild.fmというpodcastを聴いていた事がきっかけでモチベーションが湧くようになった.
- GoogleIO 2014に参加して、全く何を言ってるか分からなくて終わっていると感じた
- Rebuild: 58を聞いて、何を言ってるかは理解できないものの興味が湧く
- Rebuild: 60で英語くらい喋れないと終わっているよねという話を聞いてああもうダメだと思う
ゴール
ざっくりと以下の様な目標を設定した.
自分の場合、英語を使って色々情報を得たり発信したいという感じだったのでTOEIC○○○点みたいな感じの目標は設定しなかった.
- 英語の技術情報に触れて理解できるようになる事
- 自分が英語で情報発信できるようになる事
- 海外の開発者と意思疎通が可能である事
やった事
参考書
中学生で習ったはずの文法が怪しいレベルだったので、まず以下の本を読んで文法を思い出した.
全くお恥ずかしいが、実際分からなかったのだからしょうがない.
英作文に関しては、以下の教材を利用した.英作文といってもこれは会話用に最適化されたもので、日本語を目にした瞬間英語が思い浮かぶようになるまで繰り返しやる.自分は音声データをGoogle Play Musicに入れてランニング時に聞くようにしている.
他にも色々と本を読んだりしたが、詰まる所いくらこれ系の本を読んでも全く実用的ではないので時間の無駄であると分かった.
読むなら英語の技術書を買って読んだほうがいい.
リスニング
いきなり会話に入るというのはハードルが高いので、まずは以下のpodcastを購読した.
通勤の時間やランニング中に聴けるので、そんなに負担にはならない.
- English as a Second Language Podcast
- いわゆるESL.課金しないとtranscriptが手に入らないのが辛い.
- Hiroshima University's English Podcast - 毎週火曜日配信。世界の英語が聞ける。広島大学外国語教育研究センターがお届けする英語学習番組
- 日本語も混ぜながらなので入りやすい
あとエンジニアなので、rebuild.fmの英語回のtranscriptを購入して聞いた.
何も分からなくても100回くらい聞くと何となく分かるようになってくる.
- Rebuild: 58: Close To The BABYMETAL (tenderlove)
- Rebuild: Aftershow 53: Because We Are Global (Matz, zzak)
- Rebuild: 78: Have The Appropriate Amount Of Fun (Larry Wall)
- Rebuild: 77: Perl Is Hard To Talk About (rjbs)
- Rebuild: 121: Ruby Is Not Dying, Not Yet (Laurent Sansonetti)
- Rebuild: 122: The Metal Is Dead (tenderlove)
今は、以下のpodcastを購読している.
- All Ears English Podcast | Learn Advanced English
- ネイティブスピーカーはこういう感じで話すよ、という知見を紹介してくれる
- Radio - NHK WORLD - English
- 時事ネタにうとかったので…
また、技術系だと以下のAndroidのpodcastを聴いている.
正直ADBは自分のレベルだと内容によっては厳しい.
Android開発者じゃない人は好きなPodcast | SOTAとかを参考に選ぶと良さそう.
Youtube
以下のチャネルを見ていたが、最近はあまり見ていない.
www.youtube.com www.youtube.com
英会話
安かったのでDMM英会話を利用している.
頻度は、以前はほぼ毎日やっていたが最近は2-3日に1度.
DMM英会話が良いのは、講師の住んでいる国にばらつきがある事.
この手のサービスはフィリピンで講師を雇用している事が多いが、DMM英会話は東ヨーロッパやアフリカ等様々な国の講師がいる.
なぜそれが良いかというと、「英語にも色々ある」という事が実体験として分かるから.
講師のレベルでも色々と訛りがある事が分かり、必ずしもネイティブの様な発音でなくても通じれば良い事が分かる.
ちなみに、「フィリピン英会話は訛っているから良くないんじゃないか?」みたいな事を言う奴がいるが全く余計なお世話で、フィリピン人の英語は割と綺麗だと思う.
「英語はネイティブ講師から習った方が良い」という意見もあるが、それは次のレベルを目指す人の話であって、少なくとも英語に苦手意識がある内は必要ないと思う.
面接
入る気が無いのに面接を受けるのは失礼、という意見を貰った.
これは言葉足らずで、当時本気で海外に転職しようと思って受けていた.
これを読んだ人がまるで入る気がないのに受けまくるというのは止めてほしい.
これは怒られそうな感じだけど、海外の会社の転職面接を受けるのは、実は英語の勉強にとても良い.
レジュメを書いて、Skypeで会話して、実際にコーディング試験を受けて…といったプロセスを踏むので.ライティング、リスニング、スピーキング、技術力の全ての能力を鍛える事ができる.
しかも、Skypeで面接すればいいだけなのでお得感がある.
受かっても断ればいいだけの話である.
自分は、以下の様なサイトをチェックしていた.
その他
- モバイルとかPCの言語設定は英語にした.
- あまりできていないが、英語のブログを作って更新するようにした.
- Twitterはなるべく英語でやるようにした.
- 社内の有志でSlackとかチャネル作って英語でやり取りするようにした.
- ペンパルを作って適当にチャットしたりした.
- Quizletというサービスを使って、分からなかった単語やイディオムをフラッシュカードにして空き時間に復習した.
- 発表のスライドは英語で用意した
あとこれはできてないけど、日本で海外の開発者が集まるmeetupがあるので顔を出すと良い.
英語で発表する機会を作る為のmeetupというものもある.
終わりに
- 英語は自然言語なので、学習を継続する事が最も重要である.
- 「読めるから話せる」「聞けるから話せる」という事はないのでスピーキングの学習には金と時間をかけた方が良い.
- 英語で発信すると、英語でフィードバックを得られるという良いサイクルが回り始めるのでモチベーションを保ちやすい.
- rebuild.fm最高!
ちなみに、海外のカンファレンス等に行くと、90%以上のソフトウェア開発者は流暢かは別にしても英語+1-2カ国語話せるので、とても厳しい気持ちになる.