【ハノイ=共同】国営ベトナム通信は2日、中国が同日、南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島にあるファイアリクロス(中国名・永暑)礁の飛行場への試験飛行を実施したと報じた。
中国が南沙諸島の飛行場に航空機を飛ばすのは初めてとみられるが、着陸したかどうかなど詳細は不明。
同通信によると、ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官は2日「(ベトナムの)主権の深刻な侵害」と述べ、中国とベトナム間の合意や、南シナ海問題に関する「行動宣言」の精神に反すると指摘した。ベトナム外務省は同日、在ハノイの中国大使館に抗議の文書を手渡した。
南沙諸島は、中国のほかフィリピン、ベトナムなども領有権を主張。中国はファイアリクロス礁などで岩礁の埋め立てや滑走路の建設を進めており、国際軍事情報企業IHSジェーンズによると、昨年9月にはファイアリクロス礁では3千メートル級の滑走路が完成した。
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