増田啓佑
2015年12月14日17時41分
サッカー日本代表元主将の宮本恒靖さん(38)が、約20年前の民族紛争の傷痕が残るボスニア・ヘルツェゴビナの町に、地元の子供たちが通うスポーツアカデミーをつくる。プロジェクト名は現地語で「小さな橋」を意味する「マリ・モスト」。スポーツを通じた平和実現への懸け橋になるつもりだ。
首都サラエボから南西へ約75キロにあるモスタル。中心部には銃弾でえぐられた廃虚が点在する。ボスニアでは1990年代に信仰の異なる主要3民族による紛争が起きた。戦火が最も激しかったのが多民族が住むモスタルだった。「まだ内戦の影響は残っている」と現地を4度訪れた宮本さん。来夏を目標に、人口11万人のこの町に活動拠点をつくる。
きっかけは3年前。宮本さんは国際サッカー連盟(FIFA)が運営し、スポーツの経営や法律を学ぶ修士課程「FIFAマスター」(本部・スイス)に入学。スポーツアカデミー設立を民族対立解消につなげる論文を5人でまとめた。メンバーにいたボスニア出身の女性の提案だった。
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