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法華狼の日記

2015-07-03

[][]ドラえもんで雨ごいしてもいいじゃない

タイ紙バンコク・ポストの報道として、新華社がつたえていた。

タイ 動物虐待回避のために「ドラえもん」で雨乞いの儀式を行う村 | 新華ニュース 中国ビジネス情報

プレー(Phrae)県では伝統的な雨乞いの儀式「hae nang maew」が行われた。伝統的な雨乞いの儀式ではかごに入れた猫を神輿のように担ぎながら歌って踊って練り歩き、雨が降ることを祈りながら猫に水をかけ続ける。動物虐待にあたり、違法だということで今年は猫型のロボットである「ドラえもん」の人形を猫に見立てて儀式が行われた。

「ドラえもん」を担いで5カ所の地域を歩き回ったが、「ドラえもん」が伝統的な雨乞いの儀式に合わないためか、雨は降ってこなかった。

いかにも東南アジアで人気者らしい出来事だ。猫と思ってもらえただけでもドラえもん本人は喜ぶだろう。


伝統の変容といえばそうだが、そもそも伝統とは案外そういうものだ。

たとえば古墳に埋められた埴輪も、生贄のかわりだったという説がある*1。実物大の模型飛行機を崇拝するカーゴ信仰などもある*2


儀式の写真を見ると、なかなか可愛い絵面。

f:id:hokke-ookami:20150703070524j:image

子供たちが混じって群衆が笑顔で行進している写真もあり、祭礼として単純に楽しいもののようだ。


バンコク・ポストを「Doraemon」で検索していくと、下記の記事がリンクされていた。

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写真が違うので取材者も違うのだろうか。オレンジ色の僧衣をまとった僧侶らしき姿もある。

そしてタイ語機械翻訳したところ、新華社ニュースとはニュアンスが異なるようだ。

「それが無効である場合でも、これを行うにしてください。求められて村人によるとそれは私を幸せにします幸福は庶民に起こります。しかし、空気が雲に覆われた空に発見されました。村の周囲のパレード周囲の領域。 "

末尾には、「水の消費量は現在の懸念はないと述べました」という知事らしき発言とともに、農業用水がどれくらい危機的かの解説もされているようだが、よくわからない。

また、「パレード猫の女性しかし、地元の人々は恐れます一般の人々によって主張されます」と書かれているのが引っかかる。


さらにいろいろ検索してみると、タイ情報ポータルサイトタイランドハイパーリンクス」で新華社とは異なる日本語記事が書かれていた。

干ばつのタイで「ドラえもん」の雨乞いの儀式、動物虐待で本物のネコは使えず | タイランドハイパーリンクス

ただ、この儀式は本来はメスのネコで行われるものだそうで、「(ドラえもんの妹の)ドラミちゃんじゃないと・・・」という声も上がっています。

なお、この儀式を伝えたテレビ局チャンネル3のニュースによると、儀式を終えた後には黒い雲が空を覆い出したのだとか。

やはり本来は雌猫に水をかける儀式だったようだ。たしかにドラミちゃんならふさわしい……のだろうか?

*1:なお、日本書紀垂仁天皇がはじめたと明記されているが、これは年代が違うので「伝説」とのあつかい。::[第一展示室] 埴輪ってなぁに?::

*2カーゴ・カルト(カーゴ・カルト)とは - コトバンク

菜々氏菜々氏 2015/07/03 11:30 ドラえもんよりジバニャンのほうが猫らしいし、霊験もありそうですが、
妖怪ウォッチはタイではまだ人気や知名度がないのでしょうか

はりはり亭はりはり亭 2015/07/03 15:40 >猫と思ってもらえただけでもドラえもん本人は喜ぶだろう
分布を調べてみたら、タヌキはベトナム北部あたりまで生息しているのですが、基本タイにはいないようですね。もしタイ人にもタヌキが馴染み深かったらやっぱり間違えられてたんじゃないかなあ(笑)。

>埴輪も、生贄のかわりだったという説がある
手塚治虫が「火の鳥」で取り上げていましたね。

>菜々氏 さま
うーん、ジバニャン霊験あるかなあ。もともと地縛霊であることを考えるとあるのは「祟り」の方のような気が。
雨を降らすのにはむしろロボニャンに秘密兵器を使ってもらった方がよさそうですが、そちら方面だとやはりドラえもんに分があるような(話ずれてるなw)。
妖怪ウォッチは海外展開も考えているようですが、タイではもうやっているのかしら。どれほど受けるかは、「妖怪」が日本的なこともあり、ちょっとわからないですね。

    555    555 2015/07/04 02:06 雨乞いはタイでは日常的なのか、昔の円谷プロとチャイヨープロダクションの合作による「ウルトラ6兄弟とハヌマーン」でも出だしは雨乞いの儀式でした。
この作品では科学研究所が降雨ロケットで干ばつ阻止を図るのですが、実験が成功したのに本番が失敗して地底に眠っていた宇宙大怪獣たちが次々と出現します。
ちなみに仏様を敬う事が今作のテーマで仏像泥棒が巨大化したハヌマーンに次々と殺されていきますが、
日本がウルトラセブンのシリアスBGMなのに対し、あちらではコミカルな曲で観客の笑いをとるものになっていて、このギャップに両者がショックを受けます。


妖怪ウオッチのキャラはゲーム会社の社長が子どもの実態調査から、子どもたちが忙しない日常に追われ続ける現実を元に
軽い責任転嫁で負担軽減をする為のキャラ造形なので、日本国外ではどの様に扱われるかが気になりますね。

あと生贄の身代わりですが、中国の饅頭伝説もあります。

菜々氏菜々氏 2015/07/04 09:04 「猫に水をかけると雨が降る」というのはどういう理論なのでしょうか。
「猫が顔を洗うと雨が降る。それならば猫の全身を水で洗うと大雨になるはずだ」みたいな理屈があるのでしょうか?

ガラクタ童子ガラクタ童子 2015/07/04 19:01 妖怪ウォッチでは「雨女」というCランクの妖怪を仲間にすると雨が降らせます。
ただし、雨女を仲間にするためには雨の日であることが条件なのですが、なかなか思うように雨になってくれないのです。
また別に「あめふらし」という妖怪もいます。こちらはBランクで雨女より上です。

mujinmujin 2015/07/04 21:05 奈々氏さん、日本にも「ナマズが動いたら地震になる」という因果関係の転倒がありますね。ナマズくんも地震に驚いているだけなんですが。

hokke-ookamihokke-ookami 2015/07/04 21:30 菜々氏さんへ
ソースははっきりしませんが、プレイ動画の再生数でタイが3位だというブログエントリがありました。
http://atest.jp/archives/52111073.html
ただ人気はあるとしても新しいカルチャーでしょうし、こうした儀式や祭礼に採用されるほど定着はしていないということかもしれませんね。
ちなみにハフィントンポストによると、別に他の猫でもかまわなかったらしいです。それでも儀式後も祀ってもらえたようですが。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/30/doraemon-thailand-rain-god_n_7693360.html
>ドラえもんが選ばれたのは、「他のネコの人形がなかったからだ」と地元に住むラタカーンさんは述べた。
>儀式の後、ドラえもんは寺院に守り神として祀られたという。


はりはり亭さんへ
>もしタイ人にもタヌキが馴染み深かったらやっぱり間違えられてたんじゃないかなあ(笑)。

かなりマイナーな動物らしいんですよね>タヌキ
そのため北米進出時にはアザラシに間違われるというネタに改変されたり……


    555さんへ
ほほう、『ハヌマーン』は名前と裁判ネタだけ知っていたのですけど、そのような内容でしたか……
もちろん日本にも古くには雨ごいの儀式があったのですけど、タイは現在まで生き残っているという違いの象徴かもしれませんね。


ガラクタ童子さんへ
なるほど、ちゃんとそういう妖怪もあるんですね。


mujinさんへ
いわれてみれば。そもそも呪術というもの自体、そういう転倒にもとづくものですね。

上毛三山上毛三山 2015/07/04 22:10 菜々氏さん
hokke-ookamiさん

タイでの状況は知らないのであくまでも個人的なイメージですが、世界的な知名度でいうとポケモンのネコタイプ(ニャースとか)の方が可能性ありそうな気がします。

555さん
「ハヌマーン」子供のころにレンタルビデオで見た記憶があります。詳細は忘れましたが、怪獣を倒したあと、踊りを踊っていたような記憶があります。懐かしい。

周 2015/07/05 21:35 何と言うか、もし藤子・F先生がこのニュースを知ったらどんなコメントするのかが気になるところで。(ご健在の頃だったら現地に飛んでいたかも)

あと、この記事を読んで今年の正月に諏訪大社の蛙狩神事が動物虐待ではないかとネットで議論が起きた事を思い出しました。
http://togetter.com/li/766862

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