また、日本の国家のあり方が、自由な市場経済の形をとりながら実際には官民が一体となった異端のシステムだと主張して、「日本異質論者」とも評された。米国の日本に対する見方を大きく変えようとした点で「修正主義者(リビジョニスト」とも呼ばれた。当時、カリフォルニア大学のチャルマーズ・ジョンソン教授や雑誌『アトランティック』編集者のジェームズ・ファローズ氏らとともに「リビジョニスト4人組」と称されたこともあった。
退官後は自ら開設した経済戦略研究所を拠点に、日米関係や日本についての研究や著述、ロビー活動などを続けてきた。著書の『日米逆転』『ならず者国家アメリカ』などは日米両国で話題を呼んだ。
「21世紀の新型超大国」になっている2050年の日本
そのプレストウィッツ氏の最新書『日本復興』は、まず2015年時点で、経済の停滞、出生率の低下、財政赤字の増大、中韓両国からの攻勢などで日本の衰退が著しいことを報告する。このまま日本の指導層が無策のままであれば、日本は経済大国の地位はおろか、主要国としての影響力も失ってしまうと警告する。
だが、適切な政策さえとれば、日本は世界で傑出した「21世紀の新型超大国」になると明言していた。そうして勢いを取り戻した2050年の日本の姿を同書は次のように描いていた。
・出生率が2.3%、平均寿命は95歳となり、総人口は1億5000万を越える。アルツハイマー病や認知症が劇的に減り、健康な高齢者が大幅に増える。
・経済は毎年4.5%以上の成長率を保ち、GDP(国内総生産)は米国に追いつき、世界一になりつつある。中国のGDPの2倍近い規模となる。
・電子機器、電気通信機器、情報技術(IT)、ソフトウエアなどで世界をリードする。ロボットや航空機の製造でも他国を引き離す。
・医学と医薬品、医療機具の発展で世界トップの地位を保つ。とくに医療は全世界から高所得の患者を引きつけるようになる。