【巨人】長嶋さんから由伸監督へ「思う存分やることが大事」…師弟対談(その1)

2016年1月1日12時30分  スポーツ報知
  • 自ら書いた色紙を手に長嶋茂雄終身名誉監督(右)とガッチリ握手を交わす高橋監督
  • 1997年、当時の長嶋監督(左)から直筆の言葉を贈られたドラフト1位指名の慶大・高橋由伸

 巨人が誇る新旧監督による新春スペシャル対談が実現した。長嶋茂雄終身名誉監督(79)=報知新聞社客員=と、高橋由伸新監督(40)が約40分にわたって“師弟トーク”を繰り広げた。近未来の4番候補・岡本の起用法や、監督就任1年目に臨む心構えなど、正月にふさわしい充実した内容となった。

 長嶋茂雄終身名誉監督(以下・長)「だんだん監督らしくなってきたね。昨年11月の秋季キャンプはテレビなんかで見てたよ」

 由伸監督(以下・由)「まだ正直、慣れたような、慣れないようなというところです」

 長「ボクも(監督になったのは)39歳と若かったからね。選手目線が強かったなあ。高橋監督も40歳と若いから、その若さを特権にしてやるのが非常にいいことだよ。ボクは選手と一緒に走ったりしてた」

 由「ボクはまだ、監督としての本当の仕事というか、やっていないに等しいです」

 長「だんだん変わってくるよ。ボクの就任1年目は選手への情が多少あったと思う。周りはずっと一緒にやっていた選手ばかりだからね」

 由「情が出るところはあると思います。それはそれでボクのやり方かもしれないし、それが全くなくなるのはおかしいとも思います。当然、批判されることも出てくるかもしれないですが、それも踏まえて、現役を辞めて監督をやってくれ、と言われたと思っています」

 長「そうだね。実は高橋監督の就任が決まった時は、バンザーイってやったんだ。一番、監督としての資質があると思っていたから」

 由「ありがとうございます」

 長「監督は一番、精神を強く持っていないといけない。コーチや選手に言うことじゃない。監督自身がしっかり構えて、やっていかないといかんよ。監督というのはいいこともあるけど、苦しいことが半分。それが監督の使命。使命に負けてはいかんよな。男として」

 由「そういう覚悟は持っています。原監督も『監督は孤独だ』とおっしゃってました。自分の中でしっかり消化してやらなくてはいけない。長嶋監督のおっしゃる通り、ボクもそう思っています」

 長「とにかく監督1年目は、思う存分やることが大事。選手よりも前へ出てやれば、チームは前へ向かっていく。さあ行こう!という時は自分が率先してやる。そういうことを強く持ってやること。若いんだから。60、70歳の監督ではないしね。選手も『監督に負けずにやろう』と思うはずだよ」

 由「ついこの間まで選手だった強みはありますし、選手にも近いと思っています。そういうところは良いところなので、どんどん出していけたらと思っています。長嶋さんがおっしゃったように、思い切ってやることも当然、必要だと思います」

 長「優勝を断言する、とはいかないけど、近い力はジャイアンツにはある。ちょっと変わればポーンと出てくる選手もいるし、そうすれば去年1―2で負けていた試合を2―1で勝てるようになる。そういうところも出てくると思う」

 由「当然、勝つことしか考えていません。勝つために自分のできる限りの、最善のことをしようと思っています。選手は勝つためにはもちろんだけど、自分自身のためにやることがチームのためになる。それを束ねるのは私の責任です」

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