あけましておめでとうございます!
久しぶり&新年一発目の更新が、昨年を振りかえる記事で恐縮ですけど、気にとめずに話を進めたいと思います。
企画の趣旨と参加サイト
今回初参加する企画の趣旨です↓
・2015年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
また、企画に参加されたサイトはこちらにまとめられています↓
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最近はアニメから離れ気味だったひそかです。
あいている時間は、ゴルフの練習をしたりマンガを読んだり、NFL(アメリカンフットボール)などを見て過ごすことが多かったです。マンガ「キングダム」にすっかりハマり、最新の第40巻まで読んじゃいました。興奮や感涙の場面が多く、キングダムはおすすめの漫画ですね。
アニメに関してはここ2・3日で、ようやく溜まった秋アニメの視聴が終わりつつあるところです。
では本題へ。
おおよそ放送日時に準拠しながら、2015年のTVアニメを話数単位で10個あげていきます。それぞれの見出しは、作品名、話数、選考理由、などになっています。
話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選
1. 「アルドノア・ゼロ」 第18話 - “科学的なネタ”
「アルドノア・ゼロ」は科学的なネタが好きです。具体例のひとつとして第18話をあげてみます。
第18話には、直進的で強力な光学兵器を有する敵(灼熱のソリス)に対し、伊奈帆がビルの屋上から敵の座標を味方に送信し、地球の曲線を利用して水平線彼方の死角から長距離砲撃を行うシーンがありました。光学兵器の描く直線と実体弾の描く放物線との射程違い。短いシーンでしたが、その射程違いを利用して攻撃する科学ネタが楽しかったです。
- 砲弾は引力で放物線を描くので水平線の影にも届く。「照準」さえ可能ならば -
このシーンの流れは、以下のような感じです。
「照準」を可能にするため苦労しながらもビルに上る → ビルの屋上から観測する → 敵座標を測定し味方に送信 → 死角からの砲撃 → 着弾地点を確認する → 修正した座標を送る → 再砲撃
「アルドノア・ゼロ」の第18話は、そういう科学ネタを用いた攻撃シーンが印象に残った回でした。
2. 「ログ・ホライズン 第2シリーズ」 第25話(最終話) - “原作未読の驚き”
この回を選ぶのは個人的な事情によるところも大きいです。
理由は、ログ・ホライズンでは久しぶりに「原作未読」の回だったから。正確には原作未読でなく、原作発表前って形になります。ログ・ホライズンの第2シリーズは、第25話だけでなく、第24話もアニメが原作に先行する形で放送されました。
久々に訪れた原作未読の回。第2シリーズの第24話と25話。
24話終了後、せっかくだからバトル展開を予想してみようか! と24話の感想で書いてみました。まあ結局思いっきりハズれてましたが……
いつもの「お約束」のごとく、予想を大きくハズしたことも印象的でしたが、同時にBパートで続々と明かされた新事実のオンパレードにも驚かされた回でした。その驚きの連続が第25話でとっても印象的。アニメ「ログ・ホライズン」を見ながらこんなに驚いた回は久しぶりで、新鮮な感覚を味わった第25話でした。
3. 「のんのんびより りぴーと」第1話 – “セリフ無しの田舎描写”
脚本家の上江洲誠さんいわく、
「アニメシリーズの第1話と最終話の脚本は、たいがい同じ人が担当する」
とのこと。
多くのアニメで第1話&最終話の脚本は、そのアニメのメインライターが書いています。シリーズ構成がいる場合はシリーズ構成の人が書いている場合が多い。同様に第1話&最終話の絵コンテは、そのアニメの監督が切っている場合が多いです。「のんのんびより」第1話&最終話の場合、1期・2期ともに、脚本がシリーズ構成の吉田玲子さんで絵コンテが監督の川面真也さんになっています。
それが何を意味するかというと。
第1話&最終話では、メインスタッフの最もやりたいことが描かれる場合が多いってことになると思います。
「のんのんびより りぴーと」第1話で強く印象に残ったのは、セリフ無しで描かれた田舎の風景描写でした。たとえば、路線バスの車窓から見た山の稜線、森の木洩れ日、桜の咲いた木造校舎、光を反射する川の水面(みなも)やせせらぎの音、軽トラの走る田んぼ道、などなど。
最終話にもセリフ無しの田舎風景描写がたくさん出てきたので、これがメインスタッフのやりたかったことのひとつなのでしょう。また、私もそんな田舎描写がとても心地良かったです。
都会の人にとっては田舎への憧憬、自分のような田舎の人には楽しみなんて意外と身近に存在。そんなことをやりたかったってことかな。「のんのんびより りぴーと」の第1話は、今でもセリフ無し田舎描写の心地よさが印象深いです。
4. 「シドニアの騎士 第九惑星戦役」(2期) 第4話 - “人名でなく船名の絶叫”
アニメ「シドニアの騎士」の個人的なピークは、2期(第九惑星戦役)の第1話~第4話のあたり。さらにその中で、第4話に登場した絶叫が今でも印象的です。敵(ガ550)の放った強力なヘイグス粒子砲が、播種船シドニア直撃コースにのった場面の、
「シドニアァァーーッ!」
という絶叫が。
「シドニアの騎士」で絶叫が出てくるときは、例えば「長道ぇぇっ!」とか「イザナァッ!」とか、だいたい個人名を叫ぶことが多いんですけど、このシーンが印象的だった理由は、シドニアという「自分たちの母船自体の名前を叫んだこと」でした。つまり人名でなく船名の絶叫。そこに全身鳥肌が立ちました。
左斜め後方を振り返りながらの「シドニアァァーーッ!」
そういや一瞬ですけど、この絶叫シーンはOP映像(曲名「騎士行進曲」)の中にも登場してますね。
5. 「監獄学園(プリズンスクール)」第1話 – “泣いて馬謖を斬る”
視聴前はあまり乗り気じゃなかったけど見たらハマった。監獄学園はそんな作品でした。ハマるキッカケのターニングポイントは、第1話でガクトが言った、
「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」
のセリフ。有名な三国志の故事成語のひとつですね。
個人的な好みになりますけど、アニメを含めたエンタメ作品に歴史のモチーフが出てくると、作品に対する関心が急速に跳ね上がります。作者が歴史好きのようだって感じると、急速に作品に対する信頼感が高まるというか、ひと味もふた味も違って見えてくるというか。
そういう意味で、監獄学園の第1話に三国志の故事成語が登場したのは大きかったです。「泣いて馬謖を斬る」に、えっ?! おぉっ!となりました。まるで予想外のフレーズが登場し、これは期待できるんじゃないか!? と。この作品には、漢(おとこ)のアツさが詰まっているかもしれない。
そんなふうに作品に対するイメージや期待度がガラリと大きく変わる、まさにターニングポイントとなったガクトのセリフ。それが印象的だった「監獄学園」の第1話でした。
6. 「がっこうぐらし!」第3話 – “快感演出”
ブログでは何度も書いたんですけど、「がっこうぐらし!」は「演出」のイメージが強いです。さまざまな演出によって湧き起こる感情がとっても快感。その快感をともなう演出の代表格が第3話でした。
記憶を断片的に辿るかのようなブツッ、ブツッの黒コマを入れながら、めぐねえ視点で「あのとき」(災害発生当日の様子)が描かれ、終盤はカラカラカラカラ……ブツッ、と記憶の映写フィルムを使い切ったような演出が入り、さらにラストでめぐねえはいったい何処にいるんだ?! という謎を残して終わる…… その提示された謎ですら、快感演出のひとつじゃないかと思えるぐらい。
「がっこうぐらし!」の好きな演出を上げ始めるとキリがないんですけど、代表格はやはり第3話でしょうか。演出で大事なのは趣向を凝らすことではなく、演出によって視聴者に快感をもたらすこと。どこか気持ちいいと感じさせてくれるような。それが演出の最終目的ではないでしょうか。
「がっこうぐらし!」を見ながら、演出に対して初めてそんなことを思ったのが印象的です。
7. 「Charlotte(シャーロット)」第13話(最終話) - “楽しい”
シャーロットの最終話は、視聴後の日数が経過すれば経過するほど印象がじわりじわりと上がって行きました。「楽しい回」だったという印象が強く、それをまた味わいたくてあとから何度か再視聴したほど。
たとえばですが、
友利奈緒の単語帳を片手にしたカタコト英語、7話であやうく細山田を「隻眼」(せきがん)にしかけた未遂が自分のあだ名(隻眼の死神;The one-eyed Grim Reaper)として返ってきてしまう因果応報ネタの可笑しさ、弾丸停止や空中飛行など略奪した能力を駆使したさまざまな活躍場面、シンガポール・ロシア・イギリス・アメリカを含めた数多くの外国訪問による舞台背景、そして「なんで僕がこんなことを?!」とあまりの苛酷さに砂漠で自問自答するシーンまで。
それらを全部ひっくるめて、「楽しい」がとても印象的なシャーロットの第13話です。それも「やたら楽しい」ぐらいのイメージ。
今になって思えば、最終話の展開って作者が最もやりたかったことだったんでしょうね。乙坂有宇がひとりで旅をしてひとりで考え、ひとりで困難に立ち向かう。シャーロットはある意味、とっても個人的な話だったんじゃないかと思います。
8. 「血界戦線」第12話(最終話) - “絵コンテ”
アニメ放送当時は勘違いしていた事がありました。
「血界戦線」は頭のどこかで「原作マンガのあるアニメ」という固定観念で見てたんですけど、実際にはホワイト・ブラック・絶望王はアニメオリジナルキャラですし、第11話以降は完全にアニメオリジナル展開ですので、絵コンテを書く上で参考にするような作画元素材は全く無いってことなんですよね。つまり、血界戦線の第11&12話はオリジナルアニメだったともいえる。
血界戦線最終話にはカッコいい構図やポーズが数多く出てきたんですけど、視聴当時は頭の片隅で、元になる構図やポーズが原作マンガのどこかにあるかのように勘違いしていました。
しかし実際にはアニメオリジナル。
ですので元になる構図やポーズなど存在せず、おもに絵コンテを切った松本理恵監督がイチから考えたものだった、ということになるのでしょう。最終話の絵コンテは、大変な産みの苦しみを伴う作業だったのでは? 時間がかかったのは仕方ないことかなぁと思います。
最終話の感想で自分は、「逆光」の使い方がカッコ良かったと書いたんですけど、アニメ手法的に言えば「ハイコン」(ハイコントラスト、明暗の強調)多用の絵コンテだった、とも言えるんでしょう。絵コンテ自体が秀逸な「血界戦線」。特に最終話。今ではそんなイメージが強く印象に残っています。
9. 「スタミュ」第5話 – “アヤナギ・ショウ・タイム”
スタミュの第5話に出てきた「team柊」による「アヤナギ・ショウ・タイム」の動画にビビりました。なんと丁寧な手指(しゅし)描写なのか! 見れば見るほど手を抜かずに細部まで描いた作画で、こんな地味な部分にここまでこだわって作画をする人達がいるのかと驚きました。
指先までピンと伸ばす、脱力して伸ばす、反らす、丸める、突き立てる、回転させる、広げる。そしてターンを決める時や、腕をアップダウンさせる時の指の方向や曲げ具合まで、とても丁寧に描かれた映像だと痛感しました。
もちろん手指描写だけでなく、両腕の動き、目線の方向から体や脚の線まで、すべてが丁寧でとってもセクシーな出来栄えだと思います。ウットリと中毒になっちゃうような動画ですね。
10. 「コンクリート・レボルティオ」第6話 – “元ネタ”
「コンクリート・レボルティオ」は自分にとって理解が難しい作品です。
何か元になっているモチーフや元ネタがありそうなんだけど、それが何なのか分からないって感じで視聴していました。またストーリー展開も早いので、頭を使って見ることが必須のような気配がぷんぷん。時系列も飛びますし、ぶっちゃけ、やや「敷居が高い」ってイメージでした。
しかし全然違っていたのが第6話。
海外の超有名アーティストが初来日して武道館でライブ。これなら自分でもすぐ分かる。元ネタはビートルズの初来日ですね。しかも演奏した曲のイントロがビートルズの「デイ・トリッパー」にそっくり! デイ・トリッパーと瓜二つな曲が流れたとき、
「Time Slipper」のイントロやリフを聞きながら、頭にビリビリと電流が走りました。
ああ、コンレボってこういうことをやっていたのね、やっと体感したわ……
そんなふうに第6話は、コンレボを初めて体で感じる回になったので、それが今でも印象的です。コンレボは、作中用いられる元ネタや元になるモチーフが分かると、より楽しめる作りになっているのでしょう。
そういや今年の4月から放送になるコンレボの2期。
こちらには脚本家として虚淵玄さんが1話だけ参加されるようなので、今から楽しみです。虚淵さんのことなので、氏が得意とする「人間と人外の会話」を軸に持ってくるのでは? そんなふうに勝手に予想しています。
最後に
という事ですっかり遅くなりましたが。
「話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選」の話でした。
あとから話数単位で振り返るってのは、想像以上に難しいものですね。特に2015年の前半などはもうあまり記憶に無くて苦労しました。
今年から印象的な回(エピソード)があった場合、メモやブログの記事など、何でもいいから記録として残しておこうかなぁと感じました。