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「血も凍るようなぞっとする」という言葉はホラー映画に良く用いられる宣伝文句だが、この言葉に偽りはなかったようだ。

　オランダのライデン大学のバーネ・ネメス博士が公表した研究結果によると、ホラー映画を見ると、血液中の血液凝固第VIII因子が高濃度になることがわかったそうだ。

　研究チームは24人の若い健康な男女を2つに分け、一方には2010年公開のアメリカのホラー映画「インシディアス」を見せ、もう一方には”フランスのワイン工場に関するドキュメンタリー映画「ア・イヤー・イン・シャンパン」を見せた。上映場は大学のミーティングルームを貸し切り、ミニシアター風にした。

　映画を見る15分前、そして見た15分後に血液サンプルを採取し、その1週間後、今度は2つのグループに映画を交代して見てもらい、同様に15分前と15分後に血液を採取した。

　その結果、ホラー映画「インシディアス」を見た時は、どちらのグループとも血液中の血液凝固第VIII因子が高濃度になったことが認められたという。



　今回の研究はバーネ・ネメス博士が、「血が凍る（bloodcurdling）という表現法が恐怖を比喩する為に多くの言語で使われている事に興味を持ったことで始まった。

　例えばオランダ語、ドイツ語、フランス語でも似たような表現が用いられるのだ。そして日本にも「身の毛もよだつ」と同様に「血も凍る」という表現が存在する。

　そこでネメス博士は、静脈血栓塞栓症のスペシャリスト、ルーク・シュアー氏に今回の研究を持ち掛けて、共同で研究を進めたという。



　ネメス博士は実験についてこう語っている。

　「ぴったり映画を見つけるのに凄い時間を要しました。当初はBBCのネイチャーチャンネルの一つを選んでいたんですが、一匹でも動物が死ぬ映像があれば却下しました。」

　また、ホラー映画の方に関しては、「インシディアスはクライマックスにかけてじわじわと段階的に怖くなる映画ではなくて、突然の吃驚を呼ぶ予測不能さが怖さを呼ぶ映画なので、被験者に今後の展開を悟られにくいという理由から使用しました。これはあるホラー映画のスペシャリストと一緒に時間をかけて案を練った結果でした」



　ジョークのような実験に見えるかも知れないが、その実験データの収集法は徹底していた。被験者は当日まで映画を何のために見ているかを告げられておらず、迷信などを回避するために満月や金曜日の13日は実験日から避けられたそうだ。

　しかし実験中に予想外の出来事は起きる物で、実験の最中、被験者の一人が貧血に倒れてしまう事態もあったようだ。

　過去の実験によれば、血液凝固と恐怖・緊張が結びつく事例が幾つかあったようだ。例えばバンジージャンプなどがその一例である。



　この実験で更に面白い考察は「果たしてこの機能が進化の上で役立っているのか」という疑問である。これに対してネメス博士はこう推測している。

　「もしかしたら恐怖や緊張状態に血液を固めるのは良い事なのかもしれません。基本的に恐怖を引き起こす状態には怪我やトラウマを負う事が多いですよね、その時に素早く血液を固めて、出血を抑える力があるのではないか、と考えています」

via:theguardian・translated riki7119 / edited by parumo

　血がサラサラ教とかある日本の場合には、もうおちおちホラー映画も見ていられないってことなのか？恐怖遺伝子を多く持つと言われている日本だからこそ、血が固まりやすいのでサラサラ教が蔓延るのか？その辺もまた面白い考察なのかもしれない。

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