「流浪の民」の著作権を主張されたので異議申し立てした
大晦日、2015年12月31日に、「流浪の民」をYouTubeに投稿した。
「故人サイトに載った話」で書いたように、ぼくは妻の歌声が入った歌を広めることに残りの人生を費やしていて、今回の投稿もその一環だ。混声4部合唱の女声パートを妻の歌声で、男声パートをぼくが重ねたものだ。ピアノはすべてiPad Proで打ち込み。妻の歌声はMacのUTAU-Synthで、ぼくはだんぼっちでiPad Proにて録音した。最終的にLogic Pro Xで編集している。他人の音源は一切使用していない。
シューマン(1810年6月8日 — 1856年7月29日)の流浪の民。作詞は石倉小三郎(1881年6月15日 — 1965年10月30日)。パブリックドメインだ。
確実に調べるなら、JASRACの著作権データベースだが、年末年始は休業中。
そしたら、YouTubeからへんなメッセージが来て仰天。
この楽曲の権利者「Zigeunerleben」が、この動画は自分の著作権を侵害している。それは認めてやるけど収益を得られるような設定をしたから同意しろ、というのだ。Zigeunerlebenとは、流浪の民の原題である。そもそもおかしい。
著作権は切れてるのに権利者って存在するの?
ということで、さっそく異議申し立てをしてみた。
こちらに非はないはずだが、こちらのアカウントはその権利者を主張する団体もしくは個人に知られてしまうし、こちらの主張が通らない場合にはこちらのアカウントが停止される可能性があるとかYouTubeは指摘しているしいろいろおっかない。
大丈夫だとわかっていても尻込みして、泣き寝入りするユーザーも多いことだろう。だからこそ、こういう著作権ゴロが跋扈しているんだろうなと想像。ひょっとしたらクラシックの楽曲ごとにこういうことをやっているのかもしれない。ちりも積もれば重ちーのハーベスト的な、いい商売なのかもしれない。
YouTubeでの著作権トラブルでは、こんな記事がある。今回の件とはちと違うが、YouTubeとのやり取りは参考になる:
YouTubeが著作権チェックに力を入れ、その管理をある程度自動化しつつあることは、ネット好きの人なら耳にしたことがあるマメ知識。しかし、実際に著作権違反と指摘された場合、どういう手順が待っているかは、ほとんど知られていません。 実は今…weekly.ascii.jp
で、異議申し立ての結果。
こんなメールがYouTubeから送られてきた。
著作権侵害の申し立ては撤回されたらしい。
でも、「異議申し立ての確認が30日以内に行われなかったため」ってどういうことなの? 投稿してすぐに著作権侵害のアラートが送られてすぐに対応したけど、それから1カ月たってないよ?
YouTubeが何を言おうとしているのかはわからないけど、とりあえず一件落着。
著作権関係については、YouTubeは不透明なことが多いんだよね。ヘルプも英文のままのところが多いし、カモにされる日本人は相当いるかもしれない。
その点、ニコニコ動画はちゃんとしてるし、不当な削除とかは経験したことがない。
というわけで、無事著作権問題をクリアした、ぼくと妻の合唱曲をニコニコ動画でもどうぞ。
ちなみにぼくは小学校の頃、長崎少年合唱団というところに所属しており、そこで流浪の民を歌っていたのだ。真ん中の男の子がそれである。
沖縄(当時はまだ日本ではなかった)に公演旅行に行ったり、取り壊しが決まっている長崎公会堂で定期公演したり、小川宏ショーに出演したりしていたのだ。
これ