【BOX】井岡、因縁精算KO!前戦微妙判定 前日計量大もめも「スッキリ」

2016年1月1日6時0分  スポーツ報知
  • 11回、レベコ(右)にTKO勝利し、ロープに登って雄たけびをあげる井岡
  • 8回、井岡(右)がレベコを攻める

 ◆プロボクシング ダブル世界戦▽WBA世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○井岡一翔(11回TKO)フアンカルロス・レベコ●(31日、エディオンアリーナ大阪)

 WBA世界フライ級タイトルマッチは、王者の井岡一翔(26)=井岡=が、同級2位のフアンカルロス・レベコ(32)=アルゼンチン=を11回1分57秒TKOで下し、2度目の防衛に成功。因縁の再戦を制した。(観衆9500)

 因縁の相手に屈辱的な負け方をさせた。11回だ。井岡は左ボディーの連打から右ボディーをレベコに浴びせると、挑戦者はうずくまった。カウント9で立ち上がったものの、レフェリーが試合を止めた。「ご機嫌だぜ~」。友人の「DA PUMP」DAICHIから言ってほしいと頼まれた言葉をリング上で叫んだ。

 1回から積極的に攻め、4回と9回はロープに追いつめ、レベコをサンドバッグ状態にさせた。「(レフェリーに)止めてくれとラッシュした」。10回終了後はセコンドから「無理をするな」という指示が出たが、制止を振りほどき、フライ級では世界戦4試合目で初めてKO勝ちした。

 4月は2―0の判定でレベコからベルトを奪取。その後、判定を不服とした相手がWBAに訴えて再戦が実現したが、見事に返り討ちにした。前日計量では、相手がグラブの色に難色を示し、40分以上も押し問答が繰り広げられた。「スッキリしました。今日だけはTKOかKOで勝ちたかった。ストレスがあったのは僕だけじゃない。晴らせるのは僕だけ。気持ちが相当、入っていた」と文句をつけさせない完勝だった。

 5年連続の大みそか決戦。追い込み期間はクリスマスムード一色だ。井岡は自宅とジム、整骨院を往復するだけ。華やかな雰囲気を感じることもない。「孤独感はありますよ。『逃げ出したい弱い自分』と『やらなあかん自分』との戦い」と葛藤を乗り越えて毎年、リングに立っている。

 4月に世界3階級制覇を果たした15年を3連勝で締めた。16年は防衛戦を重ねながら、日本人初となる2階級での統一王者を目指して、他団体王者と対戦する機会をうかがう。「さらに強くなる可能性を感じた。唯一無二、僕にしかできないことをやりたい」と一翔。16年も感動を与えるファイトを見せる。(伊井 亮一)

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