【BOX】田口、V2も反省一色「納得していない」統一戦は“撤回”

2016年1月1日6時0分  スポーツ報知
  • 8回、田口(右)が強烈な右アッパーをデラローサに決め、顔面をゆがませる

 ◆プロボクシング ▽WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○田口良一(9回終了後TKO)ルイス・デラローサ●(31日、東京・大田区体育館)

 WBA世界ライトフライ級王者の田口良一(29)=ワタナベ=が、2度目の防衛に成功した。同級7位のルイス・デラローサ(30)=コロンビア=を迎えた一戦は、最後まで積極的に攻め込み9回終了時、TKO勝ち。14年大みそかの世界戴冠から丸1年。チャンピオンのままで15年を締めくくった。田口の戦績は23勝(10KO)2敗1分け。

 勝者のコメントとは思えなかった。V2に成功しても、田口に笑みはなかった。9回終了TKO勝ちも、9回までの判定は1―2で負けていた。「納得はしていない。すいません」。反省ばかりが口をついた。

 開始から、不安だらけだった。猛然とラッシュする挑戦者に圧倒された。「相手をどこかで下に見ていたのかも。気迫で押された」。リーチでは約8センチも上回りながら、接近戦に付き合って被弾を繰り返した。

 “新境地”が窮地を救った。挑戦者の強打を想定し、アウトボクシングの練習を重ねてきた。軽快なステップを披露したのは6回だ。相手の届かない距離からジャブを浴びせてペースをつかむと、ボディーの連打。猛ラッシュにつなげた。

 万全には、ほど遠かった。試合まで3週間を切り、風邪で1週間も寝込んだ。最終調整も満足にできず「どうやって王座を取り戻すかばかりを考えた」と陣営の渡辺均会長(65)。最悪のシナリオを算段した。

 試合前日には、IBF世界ライトフライ級王者・八重樫東との王座統一戦も要望。だが「生意気でした。この試合内容では…」とひとまずは“撤回”する方針だ。統一戦の機運を高めるためにも、防衛回数を積み重ねていく。(高橋 宏磁)

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