石橋英昭
2016年1月2日09時38分
震災から5年が近づき被災者の住まい再建が進む中、宮城県気仙沼市と仙台市で使われなくなったプレハブ仮設住宅を、民間団体が譲り受けることになった。仮設住宅は建設コストが上昇しており、「使い捨て」にせず有効活用したいと、県が譲渡先を探していた。岩手、宮城、福島3県で、無償譲渡が実現する初めての例となる。
譲渡されるのは、気仙沼市の2棟18室と仙台市の1棟7室。いずれもグループホーム型の仮設住宅として使われていた。ホームを運営していた団体が譲り受ける。気仙沼の物件は同じ場所で通所型の介護施設となり、仙台の分は宮城県名取市に移して倉庫にする。年度内にも譲渡契約が結ばれる予定だ。
震災後、被災地全体で5万3千戸余りのプレハブ仮設住宅が建てられた。厚生労働省の告示では、1戸あたりの費用は約240万円と定められている。だが実際には、建設資材や人件費の高騰に加え、断熱材などの追加工事があり、宮城県で1戸に約730万円、岩手県では約617万円かかっている。プレハブメーカーがリースし、再利用する1万戸以外は、解体や処分にも国費がかかる。
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