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気をつけよう!便利な電子レンジ
ここ数年間で国民生活センターなどには、電子レンジの発煙や発火についての相談が多数寄せられている。
電子レンジは日常的に利用する家電の一つで手軽で身近なだけに、その本当の危険性を知らない人も多い。
電子レンジの使い方をもう一度確認しよう。
《電子レンジ「温め」の仕組み》
電子レンジは、マグネトロンと呼ばれる真空管から照射される電磁波(マイクロ波)を利用して加熱する調理器。1秒間に約24億5千万回という速さでプラス とマイナスが入れ替わり振動するマイクロ波によって、食品に含まれる水分子を振動させ、このときに発生する熱を利用して食品などを加熱する。
電子レンジの発煙や発火についての相談が相次ぐ
国民生活センターなどに、約6年で701件
国民生活センターなどには、「電子レンジで加熱していたら、庫内や野菜から火が出た」といった、電子レンジの発煙や発火についての相談が2009年4月~15年3月までに701件寄せられているという。
発煙・発火の主な原因は2つ
【事例A】庫内の汚れ
国民生活センターによると、冷凍おにぎりを電子レンジで解凍しようとしたところ、庫内上部から火が出たという事例 や、10年前に購入した電子レンジで餅を軟らかくしていたら、突然、レンジ右側面から小さい火花が散り、穴が開いたなどという相談事例は、庫内の汚れが原 因とみられるという。
【事例B】加熱のしすぎ
電子レンジを使用中、芋が焦げて発火したというものや、電子レンジでジャガイモを10分間加熱したところ、ジャガイモが燃え、レンジから煙が出たという相談は、食品の加熱しすぎが原因と見られている。
事例を受け、国民生活センターが実際に実験してみたところ…
【事例A】マイクロ波の照射口付近に食品のカスを付着させ過熱→加熱開始直後に激しく発火
マイクロ波の出口に取り付けられているカバーに食品のカスを付着させ、市販の冷凍おにぎりを加熱したところ、加熱 開始直後からバリバリという異音とともに激しく発火したり、火花が散る様子が確認された。加熱中、この現象は断続的に続いたが、動作を停止すると、マイク ロ波の照射が止まるため、発煙・発火は収まった。
【事例B】冷めた焼き芋をラップをせずに加熱→加熱開始4分で発煙→その1分後に焼き芋から発火
冷めた焼き芋(約100グラム)をラップをせずに電子レンジで加熱。加熱開始から4分ほどで発煙がみられ、その 後、レンジの外に煙が大量に吹き出して発火に至るケースも確認された。焼き芋が発煙してから発火に至るまでは1分程度で、発火時に庫内の圧力が上昇するこ とによって、扉が開いてしまうこともあった。
対策(1)まずは、庫内の構造を知ろう
なぜなら、電子レンジの危険性を知らない人も多いから
庫内の構造などについて、消費者にはあまり知られておらず、国民生活センターは「危険性の周知も不十分」と指摘する。
ものすごい速さでプラスとマイナスが入れ替わり振動するマイクロ波によって、食品に含まれる水分子を振動させて加熱する
電子レンジは、マグネトロンと呼ばれる真空管から照射される電磁波(マイクロ波)を利用して加熱する調理器。1秒 間に約24億5千万回という速さでプラスとマイナスが入れ替わり振動するマイクロ波によって、食品に含まれる水分子を振動させ、このときに発生する熱を利 用して食品などを加熱する。
対策(2)日頃からこまめに手入れをする
意図せずに付着した汚れや、長年の使用によって蓄積した汚れが思わぬ発火を招くため
国民生活センターは、意図せずに付着した汚れや、長年の使用によって蓄積した汚れが思わぬ発火を招く原因となると指摘。日頃からこまめに手入れすることを推奨する。
対策(3)様子をみながら加熱する
説明書に記載がないときや判断が難しいときは、加熱時間を控えめに設定
食品が少量の場合や水分量が少ないものの場合は、思っているよりも短時間で加熱が進むことがある。取扱説明書に従った設定にすることはもちろんのこと、説明書に記載がないときや判断が難しいときは、加熱時間を控えめに設定し、様子をみながら加熱する。
万が一、発煙・発火が起きたときは…
電子レンジを停止させ、電源プラグを抜いて、扉を開けずに煙や火が収まるの待つ
あわてて扉を開くと酸素が急激に入って炎の勢いが増してしまう可能性があるため、国民生活センターは、電子レンジを停止させ、電源プラグを抜いて、扉を開けずに煙や火が収まるの待ってほしいと呼び掛けている。
電子レンジの温め…注意が必要な行為、あれこれ
みそ汁などとろみのある食品を温めた際の取り出し
電子レンジで液体を温める際、沸点に達しているにもかかわらず、ブクブクと泡が立つ「沸騰状態」にはならずに、「過熱状態」となる。そこに、何らかの刺激が加わった瞬間、爆発するように突然、中身が飛び出る現象のことを「突沸」という。
「湯たんぽ」を「オート加熱」機能で温める
国民生活センターによると、電子レンジなどで直接加熱できる「湯たんぽ」を電子レンジの「オート加熱」機能で温め ると、製品に表示された時間より加熱時間が長くなり、高温の内容物が外へ漏れ出ることがあるという。2015年1月に、「電子レンジで加熱して取り出した ところ破裂し、顔と左手に1カ月以上のやけどを負った」との情報が寄せられた。
< 産経デジタル 抜粋 >