TPPの条文案の全体像が4日、明らかになった。締約国から要請があった場合、関税撤廃時期の繰り上げを検討するための協議を規定。例えば、米国などから農産品の関税撤廃を早めるよう求められれば、米国や関係国との協議が避けられないことになる。参加国の中でも守るべき重要品目を多く抱える日本には、協定締結後も、関税撤廃の繰り上げ要求という“心配の種”が付きまとうことになりそうだ。
現在、交渉参加12カ国は、条文案を確定するため、法的.技術的に精査中。各国は、週内にも英文の条文暫定案を公表する方向で調整している。
日本政府は、これと併せて国内向けに日本語の概要を5日にも公表する予定で、今回その内容が判明した。
関税撤廃の繰り上げの協議を盛り込んだのは、物品の市場アクセス(参入)などについて規定する章。他には、関税の引き上げや新たな関税採用の禁止、関税撤廃時期の繰り上げは自国の判断でいつでもできることなどが盛り込まれている。
市場開放の規定をめぐっては、今年1月に発効した日豪経済連携協定(EPA)でも、一方の国の要請があれば、市場アクセスの条件改善について交渉すると規定していた。