原題:CREED 監督:ライアン・クーグラー
大晦日にピッタリくるので観て来た。
「ロッキー・ザ・ファイナル」は綺麗に終わってたけど、確かに世代交代だけしてなかったな~と観ながら思った。
トレーナーを申し込まれてロッキーも最初は一応渋るものの、スタローンの曲がった口元が、ニヤケを我慢してるかのように見えて死ぬほど嬉しそうやんけと思える。
素直で真っ直ぐなニュージェネレーションズ
アポロJrであるアドニスは、凄く真っ直ぐで素直な性格をしており「フォースの覚醒」のレイ&フィンっぽいキャラだった。文句のつけようない感じで性格いいので素直にニュージェネレーションによる世代交代を受け入れられる。彼女を作ったりロッキーをトレーナーにする手つきもまっすぐな感じで、母に反対して飛び出しはしたがちゃんと連絡もし続けているので、知らない間に応援してくれるようになる。いい意味で良い子だ。
ちなみにアポロのカミさんはオリジナルの俳優ではない
恋人のビアンカも性格いいし、敵となるボクサーさえも芯から悪いわけでもなく爽やか。
それに引き換えミッキージムのレオのトレーナーは情報を流したんだろうなぁ。この映画で若干性格悪いのは、あのオッサンとライヴハウスで会った黒人ミュージシャンくらいしかいない。しかもこの二人も物語を進めるために無理に悪い奴作ったって感じなので監督はかなり性格のいい男なのだろう
振り返れば、若い時の自分って何であんなにひねくれてたんだろ?90年代がそういう時代だったと言い訳しようと思えばできるが今思えば本作のキャラやSWのレイやフィンのように素直に生きた方が絶対に良かったと思う。まあいい
しかしビアンカの「やがて耳が不自由になる」っていうのはストーリーとあまり関係なく思えるが何のための設定なんだろう?
ポ、ポーリー!
最初の試合が決まりロッキーの家に転がり込むアドニス(ロッキーは「オイオイ」とか言いながらやはり超嬉しそう)
そこでポーリーが死んだことがわかったのが何気にショックだった。エイドリアンが死んだ事よりもショックだったので俺ってポーリー好きだったんだなとわかった。
しかもポーリーが死ぬまでロッキーと同居していたとは!
生涯独身だったがロッキーに看取られたのならそれはそれでいいかもしれん。
バート・ヤングはまだ生きてるのでポーリーも生きてていいやんという気もするが。。
そしてロッキーはファイナルでの未亡人とはくっつかなかったんだな、まあロッキーキャラがあまりに多いとロッキー7感が強くなってしまうから仕方ないか
アポロのトレーナー欲しかった
アドニスのサポートチームに、アポロのトレーナーしてたおっちゃんも来て欲しかったな。あの人好きだったがやはり死んだのだろうか
このキャラは「トレーニングする」事だけに特化したキャラで、こういうやる事が決まってるキャラにはストIIのガイルみたいな機能美を感じてカッコいい。
ロッキー・ザ・ファイナルでも
「昔ながらの単純極まる戦法しかねえ!脳天にズシリと響くパンチ!墓の中の ご先祖様も吹っ飛ばすパンチ!一発喰らっただけで列車とキスしたような衝撃を受けるパンチ!昔懐かしのメガトンパンチってやつよ!!」
とか緒方賢一の吹き替えで絶叫していて盛り上がった。
しかしこいつが来たらロッキーとトレーナー被りするからだめか
バイカー不良少年達のウィリー
アドニスは中盤、ロッキーと恋人ビアンカと喧嘩してしまうが素直な性格なのですぐ仲直りするところもいい。
その仲直りする直前に閉まったジムの前で座っているとバイクに乗った少年が
少年「兄ちゃん、アポロの息子なの?」
アドニス「‥あ、ああ。」
少年「ふーん」エンジンをかけて「スゴイじゃん」
と言ってウィリーしながら走っていくシーンが最高だった。
ここは割と何でもない場面だけど作為っぽさ皆無でめちゃくちゃいいシーンだなと思った。
あの子はデヴィッド・リンチの映画に出てきそうな不思議な子供っぽさがあった。
多分バイクでウィリーするのが流行ってるというフィラデルフィアのガラの悪い空気もリンチっぽさを助長している。
更に、特訓を開始したアドニスに呼応して悪ガキたちが「クリードだ!ロッキーん家まで行こうぜ!イェー」とか言いながら全員でウィリーしながら爆走!更にロッキー特訓のテーマみたいな曲にヒップホップがどんどん混じっていくにつれ「あ『ロッキー7』が『クリード』にかわっていく」と感じた。そして皆で走った先のロッキーん家の窓から病み上がりロッキーが笑顔で顔を出すシーンは最高としか言いようがない(排気ガスがどうとか言って文句言う様な奴は性格悪いから口きかない方がいい)
クリードの血
そのロッキーの病気だが、ロッキーはスタローンの人生と同期しているのでまあ平気だろうと安心していた。だが、投薬治療を始めたばかりの時はイーストウッド映画によく出てきそうな「幽霊にしか見えない男」の雰囲気で画面に映るので気圧された。
試合の事書くの忘れてたが、試合中はカメラがボクサー二人のすぐ間近にいたり真後ろにいたりして迫力あった。
さすがに昔のようなSFみたいな試合じゃなくて現代風になっていた。
クライマックスの闘いでは、TVを観てるアドニスのオカンが、アドニスが殴られたらシンクロしすぎて「ぎゃん!」と痛がったりアドニスが殴ったら「そうこなくちゃね!」とか叫んでて盛り上がった。
目の腫れ方がグロいアドニスが、最大のピンチから蘇る際に様々な思い出がフラッシュバックした後に「クリードの血」と獣の咆哮のような音と共に蘇るシーンは、それまで、あまり強そうに見えなかったアドニスの獣性を感じさせてよかった。
自分は望まれず産まれて来たと感じてアイデンティティが揺らいでいたアドニスだが、ロッキーを始めとする仲間達や試合を通じて生まれ変わり生き直した。
ここで終わってもOKだが、クリード2と続いていっても観てみたい気がした。
その場合ビアンカの耳を治すために八百長を受けるか否かみたいな話になるのかな
とにかく明るくていい映画だった。
そんな感じでした。よいお年を
ロッキー ブルーレイコレクション(6枚組) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2015/10/07
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (2件) を見る