当研究科では、学生一人ひとりに向けた学修サポート体制として、「アカデミック・アドバイザリー制度」を導入しています。在学生にとっての直接の先輩となる、当研究科を修了した若手弁護士がアカデミック・アドバイザー(AA)として、毎週一定時間、個別相談やゼミ指導にあたります。普段の学修の質を向上させることに加えて、日頃の不安や悩みといった精神面を支えるなど、学生の心身両面を細やかにケアしています。同じ苦労を経験しているからこそ理解できる疑問や悩みに対し、先輩弁護士が親身な、そして的確なアドバイスを行います。
AAによる学修支援では、年間スケジュールに沿って綿密な学修サポートゼミが組まれ、学生の問題意識や学習進度に応じ、個別に登録・受講が可能です。例えば、法律に初めて触れる社会人や法学部以外の学部出身者を対象としたゼミでは、条文や判例の読み方、法的議論の組立て方などの基礎的なスキルを磨いていきます。また、2年生については苦手科目を克服する科目別ゼミ、3年生に対しては、鍛えたい科目毎に法律文書作成をサポートするゼミも開かれます。こうしたゼミは週1回3時間を基本に開催され、少人数の集中的な訓練を受けることができます。
インタビュー「OB・OGだからこそ出来る親身な学修サポート」
AA 江口 智子(弁護士)
2005年 一橋大学法学部卒業
同年 早稲田大学大学院法務研究科入学[3年標準課程]
2008年 法務研究科修了
2009年 司法試験合格/ 響法律事務所に入所
2011年 東京駿河台法律事務所に弁護士として勤務
修了生向け学修支援制度とは、修了生(法務研修生・特別研修生)の自律的な学修をアカデミックアドバイザー(AA)がサポートする制度です。修了生の学修環境は、法務研究科在学中とは異なります。そこで、修了生の学修スケジュールやニーズを考慮した上で、様々な企画を実施しています。例えば、修了生専用ブースを設置し、AAが個別指導を行っています。この他にも、AAによる科目別のゼミや、修了生個々人の学修計画をサポートするためのマンツーマンのコミットメントゼミを開設しています。このように、在学生だけでなく修了生に対しても様々な角度から学修をサポートしています。
学生のキャリア形成と就職活動を支援します
皆さんは将来、どのような法律家を目指しているでしょうか。そのために法科大学院の在学中にどのような準備をし、修了後にどのようなキャリアを積んでいけばよいでしょうか。せっかく法科大学院を修了して司法試験に合格しても、将来のキャリアのことをおろそかにしていては、法律家として自分の思い描く活躍をすることもできません。
当研究科のキャリア支援室は、稲門法曹会や早稲田ロースクール稲門会、学生有志の研究科承認団体とも連携しながら、当研究科の在学生および修了生が自分自身のキャリアをどのように形成していけばよいかについて、様々な情報と支援を提供しています。例えば、弁護士の就職に精通した弁護士の方がコーディネーターとなり、企業内で弁護士として働いておられる方々をゲストスピーカーにお招きして、その仕事の魅力や在学中に取り組むべき勉強について理解を深めるためのガイダンス、環境省の職員の方に行政職として働くことの意義をご紹介いただく講演会、外資系法律事務所の弁護士の方々を講師とするセミナーなどを開催しています。また、最近では、法科大学院修了生を積極的に採用したいという企業も増えており、企業説明会の開催や企業からの求人情報の配信なども多数行っています。今後さらに、法律事務所や企業法務部への訪問など、キャリア形成および就職活動を支援するための取り組みをさらに強化していく予定です。
キャリア支援室の支援を有効活用して、あなたの目指す法律家像をぜひ実現してください。
法曹界で活躍する約4,000人の校友がみなさんを支援します
早稲田大学には法曹界において活躍されている校友が全国に約4,000名おります。裁判所、検察庁、弁護士会など各界において枢要な地位を占めて活躍され、それぞれの分野において高い評価を受けています。
稲門法曹会は、このように全国で活躍されている弁護士を対象として北海道から九州まで9つに分けておかれた弁護士支部に裁判官グループ支部と検察官グループ支部を加えた11の支部から成り立っており、各界で活躍されている校友との連携、そして法務研究科など大学との連携を図りながら法科大学院生、司法修習生及び新人法曹の支援活動などに積極的に取り組んでいます。
稲門法曹を結ぶ絆は固く、先輩が後輩を思いやる心は実に130年以上にも及んで連綿と引き継がれております。今後、みなさんが法曹として歩まれる道のどこにも先輩方がいらっしゃいます。そして必ずや皆さんの大きな後ろ盾となり、大きな力になってくれることは間違いありません。
多くのそして強い絆に結ばれた稲門法曹をバックに持つ早稲田大学大学院法務研究科に学ばれ、一日も早く私達の仲間入りをされて活躍されることを心から期待しております。
修了後も仲間とともに、母校とともに歩む早稲田ロースクール稲門会
早稲田ロースクール稲門会は、法務研究科修了後の交流・協力を目的とするOBOG会です。構成員は修了生全員ですから、法曹に限らず、官公庁、企業等で活躍する修了生もすべて当会会員であることが特徴です。
このような特徴は、修了後の社会活動に生きています。一人では越えられない壁にぶつかったとき、支えとなるのは多様な経験・知見を持つ先輩や仲間たちです。ロースクールが多分野に人材を輩出している今こそ、修了生全員の交流・協力の場が重要になってきています。
加えて、当会では、在学生や修了生を対象として、多彩な進路を歩むOBOGによる就職情報交換会や、書籍の寄付等を実施し、期を超えたサポートを行っております。
当会は、以上のような場の提供を通じ、会員と早稲田ロースクールの更なる発展を支え続けて参ります。意欲あふれる皆さまとお会いできますことを、心よりお待ちしております。
早稲田リーガルコモンズ・プロジェクト -
研究科が輩出した人材群が、次の人材群を育成する
[早稲田リーガルコモンズ法律事務所]
当研究科を修了した弁護士が中心となって設立した弁護士法人「早稲田リーガルコモンズ」と連携し、学生が常に社会の最前線の実務に触れながら教育を受け、同時に社会の多様な分野への進出を後押しする。それが早稲田リーガルコモンズ・プロジェクト(WLCP)です。
プログラムの第一の柱は、「次世代育成プログラム」です。学生はコモンズ事務所に日常的に出向き、先輩である弁護士と一緒に実務を体感します。いくつかの企画が同時展開しますが、たとえば(1)コモンズ・エクスターン・プログラムでは、これまで2週間程度の期間に限定されていたエクスターンシップの枠を超えて、平日の夜や長期休暇を使って、弁護士が受任する民事訴訟・刑事訴訟・行政訴訟等の訴訟業務、企業担当者向けセミナーや社会活動など幅広いテーマに参画します。
(2)ケース・プログラムは、コモンズ事務所の弁護士が、学生の学修にとって価値があると思われる事件を受任した場合、事件ごとに参加学生を募集し、その検討を行うゼミ・プログラムです。受講学生は法令・判例調査等の下調べなどを担当し、弁護士との議論を通して、関連法令・判例の理解を深めるとともに、実務処理の基礎的な手順を学修します。
(3)1年生未修者実務体験プログラムは、社会人・法学部以外の学部出身者に対して、コモンズ事務所における基礎的な実務体験を提供します。ロースクールでの新しい生活や日々のハードな勉強に悩み、法曹になろうとする目標を見失いがちが1年生の生活。このプログラムは、目指すべき法曹の仕事の醍醐味を体験することで、モチベーションを向上させ、司法試験合格およびその先のキャリア形成のイメージを明確にします。
プログラムの第二の柱は、「育成弁護士制度」です。豊富な職業経験や法学以外の高い専門性を持つ修了生が、司法試験に合格したにもかかわらず、年齢などの点からその能力を十分に活かせる就職先を得ることができないことがあります。コモンズ事務所は、こうした有為な人材を「育成弁護士」として毎年5名程度受け入れ、法曹としての実務経験を積ませたうえで、次の活躍の場に送り出します。育成弁護士はコモンズ事務所に2年間勤務し、パートナー弁護士と共に事件を受任し、法曹実務を基礎から学ぶことになり、さらに次世代育成プログラムも担当することによって、自らが後輩の学修支援も担うことになります。
[ 早稲田リーガルコモンズ法律事務所 ]
「法務研究科承認学生研究活動団体」とは、当研究科に在籍する学生による自主的な教育研究活動について、当研究科としてその活動を支援するものです。現在、6つの団体が承認を受けています(2014年3月)。
■ 法務研究科承認学生研究活動団体一覧(設立順)
私が所属するWelcome-Law Schoolは、新入生が安心してロースクール生活を始めるためのお手伝いをする学生承認団体です。
主な活動は、(1)ガイダンス時に在学生を代表して入学予定者からの質問を受ける個別相談、(2)学内システムの使い方を説明する導入講義におけるサポート、(3)一緒に歩きながら利用方法を伝えるキャンパスツアー、(4)法務研究科で活動している各承認団体の紹介、(5)学生同士また先生方との交流の場を提供する新入生歓迎会の企画・運営です。
入学に際し不安なこともあると思いますが、私たちが皆さんをサポートします。一緒に法務研究科で頑張っていきましょう。