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【妊婦の苦悩】
妊娠知らせるマタニティーマークはつけたくない 世間の冷たい対応…「幸せ自慢するの?」
また、マークそのものの認知度も高くない。内閣府が昨年発表した「母子保健に関する世論調査」では、マタニティーマークを知っていた人は全体の約半数にとどまる。特に、男性や高齢者では、知らない人の割合が高く、70代以上では6割以上が「知らない」と答えていた。
妊娠出産に対する包括支援などの研究を行っている、国立保健医療科学院(埼玉県和光市)生涯健康研究部の主任研究官で、産婦人科医でもある吉田穂波さんは「日本では、妊婦が少なくなっている。『自分で体験していないことは分からない』という人も多いので、妊婦が理解されにくい存在になっているのでは」と指摘。「迷惑をかけてはいけない」との意識が強く、女性が妊娠を隠す傾向も見られるという。また、吉田さんは「妊娠、出産は死と隣り合わせの側面も持つ。妊娠中の女性は、辛いときは思い切って周囲に助けを求めてほしい」と話す。