文/伊勢﨑 賢治
世の中には、ソレを言っちゃおしまいよ、ということがある。
ソレを言ったら、ソレを意識の外に置くことでそれなりに成り立ってきた業界、それなりの二項/多項対立をつくってきた言論界の土台が崩れてしまう。そういうソレだ。
まず、国連憲章の中にある「敵国条項」。日本は国際社会の中で、厳然たる「敵国」として今も規定されている。なぜそんなことになっているのか。
国連の本質は戦勝五大大国の「王様クラブ」
非戦は憲法9条の専売特許ではない。人類の戦争を違法化する人類の痕跡が国際法である。そりゃそうだ。誰だって大戦の後はこんなもの二度と繰り返したくないと思う。
第一次大戦後のパリ不戦条約。でも、全ての戦争を違法化することはできなかった。「自衛」が残った。
そして第二次大戦。国際法はさらに進化する。まだ穴だらけで悪用つまり戦争できる余地が多々あるが。
国連は英語でUnited Nationsという。つまり連合国。地球侵略を企てた不埒もの(日本やドイツなど)を成敗した戦勝五大大国(米・英・仏・露・中)が、二度とこういう輩をのさばらせないように、王様クラブ(仲良しクラブとは言えないが)として地球上の全ての「武力の行使」を統制する。
このレジュームが国連であり、別に国連は人権を守るための世界政府じゃない。
このレジューム下で許された「武力の行使」の”言い訳”は、たった三つしかない(国連憲章第51条)。①個別的自衛権、②集団的自衛権、③集団安全保障、である。
侵略者が現れたら、王様クラブの司令の下、全世界がそいつに襲いかかる。これが③集団安全保障だ。でも、もし王様クラブのアクションが遅れたら? ということで、「レジューム」は二つの逃げを設けている。
一つは、③がとられるまで、暫定的に行使を許されている①と②の自衛権(許しているのは”中国”を含む王様クラブだということを忘れずに)。当たり前だが、自衛は、武力攻撃を受けてはじめて要件成立となる。
もう一つは、地域の取り組みの奨励。地域のお仲間で”ミニ国連”をつくって敵に対処してね、と。
でも、実際の「武力の行使」には事前に王様クラブの許可が必要となる。ただし、その敵が「旧敵国(日本やドイツのこと)」だったら、許可なしにボコボコにしていいからね、というのが敵国条項だ。つまり、日本ほど「武力に行使」に気をつけなければならない国はないのだ。
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