ついに動き出す「リニア計画」 開発者が懸念する「軍事転用」
■「日本の最先端技術を同盟国に」
実はリニアの開発者たちにとって、軍事転用は長年の懸念だったようだ。旧国鉄の元技術開発推進本部長で、「リニアの父」と呼ばれる京谷好泰氏は02年の読売新聞の取材にこう答えていた。
「リニアのように高速で物体を移動させる技術は、ロケット発射台や、航空母艦から航空機を発進させるカタパルトに応用できるのです」
12年後に朝日が指摘した“未来”を見据えていたかのような発言で、これが「リニア技術を海外に出せない理由」と当時の読売も書いたものだが、安倍政権に開発者たちの警鐘は届かない。
4月1日に武器輸出三原則の撤廃を閣議決定。同月14日の定例会見で、リニア技術の将来的な軍事転用の可能性を問われた菅官房長官は「技術的なことはよく分からない」と前置きした上で、こう答えた。