リフォーム費用はあいまいで、どれくらいかかるか良く分からない方も多いのではないでしょうか?
インターネットで検索すればある程度は分かりますが、高ければ損した気分になるし、安ければ手抜き工事されないか不安になるしと、判断が難しいですよね。
この記事では、リフォーム費用の目安と見積りの取り方、業者の比較方法やチェックポイントまで解説します。
これを読めば、安心して業者選びをすることができるようになりますので、参考にしてください。
また、家全体を大規模に改修するリノベーションを検討している方にも役立つ内容になっておりますので、ぜひお読みください。
(リフォームとリノベーションの違いについて知りたい方は、別の記事「図解で分かる!リフォームとリノベーションの違い」をご参考にしてください)
1.リフォーム費用に目安をつける
リフォーム費用は施工内容によって大分変わりますが、それぞれの工事の目安を知っておけば大きく損することはないはずです。
家電量販店に行くときには価格.comをチェックする方も多いと思いますが、リフォーム費用を検討する上においても役立ちますので、目安としてご参考にしてください。
ただ、価格.comということだけあって少々安めに書かれている感じです。事例の値段より、1~2割高くなると考えておいた方が良いでしょう。
▲円グラフになっていて分かりやすいです。費用ごとにできるリフォームについても写真があって分かりやすいです。
■ リフォーム相場分布表(単位は全て 円)
水まわり | ||||
キッチン | 50万 未満 (23.2%) |
31万~ 100万 (39.2%) |
101~ 150万 (16.6%) |
151万 以上 (30.3%) |
バスルーム | 50万 未満 (23.2%) |
51万~ 100万 (47.4%) |
101万以上 (29.4%) |
|
トイレ | 20万 未満 (35.7%) |
21万~ 60万 (52.6%) |
61万 以上 (11.7%) |
|
洗面所 | 20万 未満 (45.2%) |
21万~ 40万 (30.3%) |
41万 以上 (24.5%) |
|
屋内 | ||||
リビング | 40万 未満 (27.2%) |
41万~ 100万 (28.0%) |
101~ 300万 (29.6%) |
301万 以上 (15.2%) |
ダイニング | 50万 未満 (29.4%) |
51万~ 150万 (26.5%) |
151~ 300万 (26.5%) |
301万 以上 (17.6%) |
洋室 | 20万 未満 (20.0%) |
21万~ 50万 (22.0%) |
51万~ 100万 (23.0%) |
101万 以上 (35.0%) |
和室 | 10万 未満 (26.9%) |
11万~ 20万 (19.2%) |
21万~ 100万 (38.5%) |
101万 以上 (15.4%) |
玄関 | 20万 未満 (27.1%) |
21万~ 50万 (33.6%) |
51万~ 80万 (19.6%) |
81万 以上 (19.6%) |
廊下 | 10万 未満 (22.2%) |
11万~ 20万 (29.6%) |
21万~ 50万 (33.3%) |
51万 以上 (14.9%) |
階段 | 10万 未満 (13.6%) |
11万~ 20万 (27.3%) |
21万~ 50万 (36.4%) |
51万 以上 (22.7%) |
屋外 | ||||
外壁 | 80万 未満 (24.3%) |
81万~ 120万 (47.3%) |
121万 以上 (28.4%) |
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屋根 | 50万 未満 (42.9%) |
51万~ 120万 (26.2%) |
121万 以上 (28.4%) |
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ベランダ | 20万 未満 (30.8%) |
21万~ 100万 (46.2%) |
101万 以上 (23.1%) |
|
エクステリア | 50万 未満 (37.1%) |
51万~ 100万 (23.0%) |
101~ 200万 (23.8%) |
201万 以上 (21.4%) |
ガーデニング | 50万 未満 (37.5%) |
51万~ 100万 (25.0%) |
101万 以上 (37.5%) |
▲リフォーム部位ごとの価格。黄色の部分が最も割合が多いところです。(価格.comより作成)
- 家をスケルトン状態にして、全てを新しくするリノベーション(フルリフォーム)は平米10万~15万円を見積もっておくといいでしょう。
2.見積りする時に注意する3つのポイント
リフォーム費用に目安をつけたら実際に見積もりを取ることになりますが、見積もりを有効に活用するためには3つのポイントがあります。
①希望するリフォーム工事を明確にすること
②見積もりは2~3社以内に絞ること
③見積書を他の業者に見せないこと
それぞれ見ていきましょう。
①希望するリフォーム工事を明確にすること
見積もりをする上で一番大事なことが、どのようなリフォームをしたいかを明確にすることです。
そうしなければ、あれもこれもと費用が増える可能性があるし、見積もりを依頼される業者にも迷惑がかかります。
もちろん、見積もりを出してもらってから財布と相談して決めるというのもありですが、見積もり条件を明確にしておきましょう。そして、高すぎる場合どうするかなどを検討しておくのです。
②相見積もりは2~3社程度に絞ること
見積もりを複数社に依頼することを相見積もりと言いますが、相見積もりにはメリットとデメリットがあり、2~3社程度におさえることをお勧めします。
相見積もりのメリットは、自分が望むリフォームの適正価格が分かることです。1社だけでは、高いかどうかも分かりませんが、複数社の見積もりを取れば大体の値段が分かりますよね。
デメリットは、頼みすぎると時間がかかりすぎてしまったり、判断に迷ったりすることです。
実際に現場を見なければ正確な見積もりを出すのは難しいですが、10社に頼むとしたら、10回業者の訪問を受けます。そして、各社バラバラの見積書を置いていきます。
ネットで調べると、リフォーム業者を信じられず疑心暗鬼になったり、結局どれを選んで良いか途方にくれてしまったというケースも多いようです。
公益財団法人の住宅リフォーム・紛争処理支援センターでも見積もりは2~3社程度が良いとしています。
いくら頑張っても5社以内におさえたいといた方が良いでしょうね。
③見積もりを他の業者に見せないこと
見積書を他の業者に見せて、「これより安くできませんか」と交渉するのはマナー違反です。
見積もりには多くの時間とコストが割かれており、見積書自体にも業者独自のノウハウで作られているのです。それを他社に見せるというのは情報の流出であり、リフォーム業者をないがしろにすることになります。
「決めた1社以外になら、どう思われても構わないじゃない」と思うかもしれませんが、その依頼しようとしている会社にも「ウチの見積もりもどこかに見せてるんだろう」と思われたら、信頼関係を築くのが難しくなるかもしれません。
ただ、相見積もりという行為は悪いことではありませんので、相見積もりをしているか尋ねられたら普通にしていますと答えて差し支えありませんが、見積書を見せるというのは止めた方がいいでしょう。
3.見積書でチェックするポイント
見積書には工事内容が載っており、少々分かりづらいこともありますからここでチェックポイントをおさえておきましょう。
見積書を理解しておかなければトラブルの元になりかねませんので、細かいところまでしっかり把握することをお勧めします。
3-1.見積書の最初のページで確認するポイント
最初のページには見積もりの合計金額や日付、担当者印や工事内容について書かれていますが、特に分かりづらいところはないと思いますので、間違いや担当者印が抜けていないかなど、基本的なことをチェックしておきましょう。
サンプルがあると分かりやすいと思いますので、下の図をご覧ください。
▼ひかリノベの見積書。サンプルなので抜けているところもありますが、大体こんな感じです。
▲これはフルリノベーションの例ですが、もっと小さい工事だと1枚に全て載っている場合もあります。
工事件名、工事場所、工事概要、工事期間、支払条件、有効期限について少々補足しておきます。
工事概要は「御見積書No.~」というように、何の資料をもとに行うかについて書かれます。
支払い条件は「契約時30%、着工時40%、完了時30%」というように、いつ支払うかなどについて書かれます。いつ払うかはしっかりおさえておきましょう。
有効期限は大体1ヶ月程度が一般的なようです。キャンペーン等で短く設定する業者もいるようで、要するに早く判断させたいのでしょうね。
3-2.内訳書でチェックするポイント
内訳書は工事ごとに費用が分けられており、何の工事にどれくらい費用がかかるかを確認します。
工事内容は一般人にとって分かりづらいので、業者の方に説明してもらいましょう。その時に、自分のしてもらいたい工事箇所を箇条書きにしておき、手元に図面を置いてチェックしていくのが賢いやり方です。
「バスルームの工事はできているな。じゃあ、トイレのほうは・・・」というように、1つずつ確認していくのです。材料の数や単価が合っているかも確認しておきましょう。
▼ひかリノベの内訳明細書
▲A~Kは工事内容、L.Mは諸経費(共通費)に当たります。諸経費は工事以外にかかる費用で、5~15%程度が妥当と言われたりしますが、諸経費を工事内容に含ませる場合もあるので一概には言えません。
工事には以下のような種類があります。
解体工事・・・リノベーションするために既存部分を壊す工事
仮設工事・・・足場の設置や養生シートで保護する工事
木工事・・・柱や梁、断熱材など、大工さんが関わる全ての工事
左官(塗装)工事・・・塗り壁や土間の工事
内装工事・・・壁や床、天井の仕上げ工事
住設工事・・・システムキッチンやシステムバスなどの取付工事
建具工事・・・屋内のドアや引き戸の工事
雑工事・・・ハンガーパイプ、会談手すりなど、他に分類できない工事
給配水管工事とかガス工事とかはそのままです。
「式」や「一式」だけで済ませている見積書は注意が必要で、工事内容がよく分からないからです。その場合はしっかりと説明を求めるか、あるいは不安なら、工事内容を書面にしてもらうのもありだと思います。
また、見積書の各ページに「別途費用がかかる場合があります」という注意書きを入れている場合もありますが、その際もどういう場合に費用がかかるのか、しっかり確認しましょう。
内訳書で、工事がしっかり自分の要望を満たせているかを確認しておいてください。
4.コストダウンをはかる3つの賢い方法
予算が足りない時や値切りたい場合は、当然、交渉することになりますが、次の3つの方法が効果的です。
①自分の予算に合わせることができないか相談する
②リフォームの優先順位を明確にする
③自分でできることを確認する
単に安くすることだけを主眼にしてしまっては、手抜き工事をされかねません。「こんなにまけてやったんだから手を抜いてもいいよな」と思われたら嫌ですよね。もちろん、お金は大事ですから、しっかりと誠意をもって交渉しましょう。
①自分の予算に合わせることができないか相談する
まず、①ですが、自分の予算はこれくらいですと明示しておくと良いです。見積もりが220万円と出たら、「予算は200万円と考えていましたが、まけることはできませんか」というように交渉するのです。
単純に「まけてよ、まけてよ」だけでは業者の方も良い気はしません。さらに最悪なのが、「他社ではこれくらいだった」「他の見積もりでは、こんな項目に費用などかかっていない」など別の業者の話をすることです。
それに、見積書をもとに説明を受けるときに、「これ高くない?」といちいち突っ込むこともおススメしません。気になったら、「この費用はどういうところにかかっているのですか」というように質問してみましょう。
見積書には、その業者なりの考え、ノウハウがあるわけで、印象だけで高い安いと言うのは業者との仲を引き裂く原因になります。予算はこれくらいです、と明示するのが、一番スマートな方法でしょう。
②リフォームの優先順位を明確にする
①で予算をはるかにオーバーしてしまったら、やはり、リフォームのグレードを下げたり、範囲を限定する必要があります。
見積もりが300万円なのに、「予算は200万円です」と言っても、業者の方も困りますよね。その場合は、「今回は、トイレのリフォームをあきらめるか・・・」とか、「もう少し安いキッチンに変えよう」というように費用を削減する必要があるわけです。
ここで注意したいのが、自分より、リフォーム業者の方が格段に知識があるということです。安くする方法をいろいろ相談してみましょう。そして、その相談を冷たくあしらう業者とは付き合いを止めてしまいましょう。
③自分でできることを確認する
これは最終手段ですが、最後は自分の手でできることを確認するのがいいでしょう。もちろん、無理なことも多いでしょうが、「手すりをつけるくらいなら、できますよ」とか、いろいろ意見を聞けると思います。
ただ、見積もりの説明を聞きながら、「こんなん自分でもできる」とか言うような発言は控えた方が賢明です。
もちろん、業者にへりくだる必要もありませんが、相手と真摯に向かい合うコミュニケーションが大事だというわけですね。
5.リフォーム業者を選ぶためのポイント 7項目+α
リフォーム業者を選定する際は、次の7つのポイントをチェックするといいでしょう。
①法人登録や建設業許可の資格を持っているか
②工事内容の明細はあるか
③工事責任者は明確か
④追加料金が発生する場合はあるか
⑤工期が延びた場合どうなるか
⑥どうすれば費用をおさえられるか相談に乗ってくれるか
⑦アフターフォローはどのようにしてくれるか
どれも大事なことばかりなので、しっかり確認してください。費用が追加される場合があるのか、工事に不手際なり、気になることがあった場合は誰に質問すれば良いのかなど、必ず聞いておきましょう。
それに、工事後に問題が見つかった場合はどうするのか、問題はなくとも定期メンテナンスをしてくれるのかも大事なチェックポイントです。(アフターフォローに、その企業の姿勢がよく表われます。)
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理センター(愛称:住まいるダイヤル)によると、2013年の相談件数は前年度比18%増の24,216件になったそうです。
これらの項目をチェックして、納得して任せられる業者を選びましょう。
<リノベーション会社のチェックポイント>
フルリフォームというか、住まい全体を改修するリノベーションについては、上に加え、もう少しチェックポイントがあります。
⑧いままでにどれくらいの施工実績があるか
⑨過去の施工事例を見せてもらえるか
⑩計画から施工まで誰が担当するか
⑪老朽化や家族が増えた場合どうするか(間取り変更や増築はできるか)
リノベーションは家全体を変えることになりますから、過去の事例を見せてもらえるかなど、信頼に値する企業かどうか確認したいところです。
それに、計画と施工が分離している業者もありますので、誰が責任者なのか、しっかり把握しておきましょう。
6.最後に
リフォーム費用の見積もり方、コストダウンの方法、それに、リフォーム業者の選び方を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
一言でまとめるなら、「リフォーム業者としっかりコミュニケーションをとってください」ということです。コストダウンの交渉も、悪徳業者の見極めも、結局はコミュニケーションにかかっているのです。
もちろん、リフォーム業者を見極めるのは難しいですが、この記事に書いたような手順を踏めば損をおさえて、手抜き工事をされる可能性も少なくなるはずです。
この記事が、読者の皆様の快適な生活につながれば幸いです。
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