今井洋介さんが遺した言葉「なりたい自分になるためには…」

2015年12月31日11時0分  スポーツ報知
  • 北野記者が取材した際の今井洋介さん

 新聞記者を続けていると、取材した方の訃報に接する機会が増えてくる。たった1日、1時間であっても、話を伺った方の訃報は、なんとも言いようのない悲しみに襲われる。

 11月23日、タレントの今井洋介さんが心筋梗塞で急死した。まだ31歳だった。あの「テラスハウス」に出演して「ようさん」として人気を博し、これから活躍の場を広げていこうという矢先に帰らぬ人となってしまった。

 1月、私がインタビューをした「ようさん」は、死という単語から最も縁遠い場所に居るような人物だった。イケメンで、体型はスマートで、服装はスタイリッシュで、会話は面白く、趣味はサーフィンと写真とギター。何より性格が前向きで、約1時間のインタビュー中に「ポジティブ」という単語を20回以上も口にするような人だった。

 かつて100キロあった体重を、今の65キロにまで落とす原動力になったレシピの数々を紹介した本についての取材。今井さんはずっと朗らかな笑顔を浮かべていた。

 「体重が100キロあることが悪いんじゃないんです。ボクの場合、太っていることでネガティブになってしまったのが悪いんですよ」

 「今のボクは前向きです。別にまたリバウンドしたっていいです。そしたら、リバウンドしちゃったって本を出せばいいですもんね」

 性格に変化を与えたきっかけみたいなものはあったんですか、と尋ねると、今井さんは印象的な言葉を発した。

 「親父に言われたんですよ。『なりたい自分になるためにどうすればいいかを考えるんじゃないんだよ。なりたい自分と今の自分の差は何なのか、差はどれくらいなのかを、まずはちゃんと知りなさい。そうしたら、きっとなれるよ』って」

 今井さんが迎えることのなかった2016年が来る。ただ、向き合った人の記憶や言葉は生き続けると思う。たとえ命が失われても。(北野 新太)

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