ソフトバンク・松田がバカのススメ

　海外ＦＡ権を行使した上でソフトバンクに残留した松田宣浩内野手（３２）が「バカのススメ」を説いた。２９日は故郷の滋賀県内で、同郷の中日・小熊凌祐投手（２５）、楽天・則本昂大（２５）らと少年野球教室を実施。トークコーナーで今季を振り返ったルーキー選手のコメントを「教科書通り」とダメ出しして、お立ち台で決めゼリフを持つよう促した。ファンを魅了する「熱男」は、後輩たちへ「いい意味でバカになってやればいい」と力説した。

　故郷での少年野球教室で子どもたちに指導した後のことだ。トークコーナーでの最初のお題は、お約束の「今季の振り返り」。ソフトバンクの後輩で年明けのグアム自主トレにも伴う古沢から、阪神・植田、中日・石川…。まっとうだが、いまひとつ盛り上がりに欠けるコメントが続くと、参加７人のうち最年長の松田はもう黙ってはいられなかった。

　「（プロ）１年目の３人は、採点的には３０点ですね。教科書通りのことしか言っていません。ズレたことを言ってほしいなと。プロ野球選手なんだから、夢を与えないといけない。ドキャーン言うてほしい。ケガに泣きました、頑張ります…では（新聞記事に）載らないですよ！」

　痛烈ダメ出しで仕切り直しとなり、模擬ヒーローインタビューへ移る。古沢が温めていた「レッツゴー、アミーゴ、フルサワショウゴ！」の掛け声に「１００点！」と大笑い。続いて植田を「（阪神本拠地の）甲子園と思ってやろうよ」とはやしたてた。司会者から手本を求められると、率先して前へ。「ホームランは琵琶湖まで飛んだど〜！」と、ヤフオクドームではおなじみのご当地ネタで場内の空気をつかむ。さらに「決めゼリフを持ったらいい」と若手に促した上で「１、２、３、マ〜ッチ！」を来場者の前で披露した。

　「きょうは選手７人おったけど（自身も含め）ホークスの選手は明るい。そういう雰囲気やから強い」と納得顔でうなずき、ソフトバンクの後輩らにもメッセージを送った。「（パフォーマンスを）やれよと言われる環境だし、一皮むけてほしいね。嫌です、恥ずかしい、じゃもったいない」とし「バカになってやればいい」と、アントニオ猪木風に提言。ノンストップの熱血トークが、年の瀬の故郷を熱くした。　（森淳）