2015.12.31 05:01(4/4ページ)

虎番が選ぶ「阪神10大ニュース」1位は金本新監督誕生

虎番が選ぶ「阪神10大ニュース」1位は金本新監督誕生

金本新監督と掛布2軍監督

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 中村GMは暗黒時代の真っただ中の1990年、40歳の若さで1軍監督に昇格。優勝を争った92年の2位以外はBクラスだった。厳しいファンの指弾を受けて95年のシーズン途中に休養した。当時と現在では戦力やチーム状況が異なるが、勝てば大統領、負ければ…という構図は同じだ。

 関係者はさらに続けた。「自分自身が厳しい批判を受けてきたからこそ、外国人指揮官に数年間任せて、その間にチームの戦力を整えて、若い指導者にバトンタッチさせたいと考えていたのではないか」。

 新監督人事は改革を望む坂井オーナーの強い意向もあり、金本氏招へいに一本化。時間はかかったが、受諾し、この案は幻となった。超変革を打ち出すアニキ監督の誕生に期待感に包まれているが、戦力的にはマートン、呉昇桓が退団し、新外国人は未知数だ。ここ数年即戦力投手で成功したのは藤浪だけだ。

 「監督は変わったが、戦力的には厳しいだろう」と見る球団関係者もいる。中村GMならではの優しさが根っこにあったブラウン招へい構想。その気遣いが戦力的な危機感に端を発したものであるならば、楽観的展望を持つことはできない。今後も冷静かつ客観的に新体制を取材していきたい。(元阪神担当キャップ、運動部デスク・大沢謙一郎)

(紙面から)

  • 甲子園球場での中村GMお別れの会