(2)中村GM急逝
和田監督が辞任し、金本新監督が誕生。監督交代劇が起こる中、フロント内に中村案として残っていた名前があった。広島、楽天で指揮を執ったマーティー・ブラウン氏。現在米大リーグ、ナショナルズで環太平洋地域コーディネーターを務めている。
この構想は9月23日に東京都内のホテルで中村GMが脳出血で亡くなった翌24日、神戸市内で会談した南信男球団社長(当時現在球団顧問)から坂井信也オーナーに伝えられた。
しかし、なぜ、ブラウン氏なのか。虎と縁もゆかりもない外国人指揮官の擁立。今となっては中村GMに取材することはできないが、関係者はこの構想を認めた上で、推察した。
「来季以降の戦力を考えたとき、中村GMはかなり厳しい戦いになると見ていたようだ。思い切った若返りを図る必要もある。でもタイガースは勝たなければいけない球団になった。若い指導者に風当たりがきつい時期を託すのは酷だと考えたのではないか」