(1)金本新監督、掛布2軍監督誕生
要請を正式受諾するまで、金本監督からは何度も“後ろ向き”な言葉を聞いた。「もし受けるなら去年に受けているわ」とも。2016年はまさに過渡期。火中のクリを拾うという表現は決して大げさではない。
それでも受けた。思えばFAでタテジマに袖を通した時もそうだった。02年オフ、当時星野監督の半ば強引な熱いラブコールに男気で応えた。低迷阪神の救世主という重責を背負わされながら、広島の提示とほぼ変わらない、年俸2億6000万円の4年契約で、だ。
翌年に優勝。05年も頂点に立った。もちろん4年間、どんなに活躍しても年俸は上がらない。後輩たちに次々と抜かれたことは、あまり知られていない。火中の栗だろうが、苦境だろうが、ブレない心で成し遂げるのが鉄人金本の魅力。だからこそ期待せずにいられない。(阪神担当キャップ・堀啓介)