ソウル=牧野愛博
2015年12月31日19時55分
慰安婦問題を巡る日韓合意に対し、韓国では合意に反発する動きが31日も続いた。韓国の鍾路警察署はこの日、ソウルの在韓日本大使館が入居するビルで日韓合意に反対した韓国人大学生30人を検挙した。建造物侵入や、集会及び示威に関する法律違反の容疑で書類送検する見通しだ。
30人はビルのロビーで「韓国民は韓日交渉を拒否する」「10億円は必要ない。国際法に従って法的賠償をせよ」などと書かれたプラカードを掲げたり、同様の趣旨の紙を入り口に貼ったりしたという。
一方、最大野党「共に民主党」(旧・新政治民主連合)の文在寅(ムンジェイン)代表は同日、元慰安婦の女性らが暮らすソウル市郊外の「ナヌムの家」を訪れ、女性たちと面会した。同党は日韓合意を厳しく批判。この日、合意の無効と再交渉を要求する決議案を国会に提出した。
またソウル中央地裁は31日までに、元慰安婦の韓国人女性10人が日本政府を相手取った損害賠償請求についての民事調停を打ち切った。日本政府が、決められた調停の期日に出席しなかった。女性らは今回の日韓合意に反発しており、1人あたり慰謝料1億ウォン(約1千万円)を求めた損害賠償請求訴訟の手続きが進められる見通しだ。(ソウル=牧野愛博)
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朝日新聞国際報道部
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